今回ご紹介するのは「女子大生会計士、はじめました」(著:山田真哉)です。
角川文庫から文庫オリジナルとして出版されています。
山田信哉さんは日本テレビの「世界一受けたい授業」にも出演されているので、ご存知の方もいるかと思います。
-----内容-----
キュートな女子大生会計士・藤原萌実と新米会計士補・柿本一麻が監査先で出会う奇妙な事件。
若き社長が率いるベンチャー企業で監査直後に火災が発生、後には死体が残されていた。
二人が巻き込まれた殺人事件とは?
他にネット販売に潜む不正をめぐる、東は秋葉原から西は日本橋までの追跡行など、萌実の名推理が冴えわたる!
萌実が女子大生となるきっかけを描いた一篇も加えた、ビジネス・ミステリ、豪華文庫オリジナル。
-----感想-----
「女子大生会計士の事件簿」シリーズをご存知でしょうか。
作品の舞台が会計業界という珍しい小説です。
今回の「女子大生会計士、はじめました」は、このシリーズの番外編のような感じです。
ジャンルはミステリーなのですが、ただのミステリーではなく「会計ミステリー」なのがこのシリーズの特徴です。
たまにニュースで報道されることもある「粉飾決算」などについて、巧妙な粉飾をする会社側と、それを見破る監査側の対決が、すごくわかりやすく描かれています。
主人公の藤原萌実が監査先で何か疑問を感じたとき、そこには必ず会計トリックが隠されています。
少しでも業績を良く見せたい会社側は、ふとしたきっかけで「粉飾」の誘惑に負けてしまいます。
しかし「粉飾」で見た目の利益が上がったとしても、実際には利益を上げていないので、株主を騙していることになります。
藤原萌実は「その間違ったやり方を正すのが公認会計士の使命」と言っていました。
会社側も巧妙な会計トリックを使ってくるので、見破るのは簡単ではありません。
私は毎回、すごい会計トリックを知って驚きます。
「こんな巧妙な手があったのか」と関心するほどです(笑)
著者の山田信哉さんも公認会計士の資格を持っていて、実際に現場で働いてきた人なので、こういったトリックには詳しいのだと思います。
また、会計トリックには単に仕掛ける側と見破る側の戦いだけではない、読むものを魅了する人間ドラマが隠されていることがあります。
「不正をせざるを得なかった場合」などは、その人にも同情の余地があって、必ずしも悪人というわけではないのだなと思います。
会社のため、社員のためを思う気持ちが間違った方向に行ってしまって、結果として不正を働いてしまうパターンが多いようです。
もちろん、このシリーズにも正真正銘の悪人というのも出てきます![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face_ase1.gif)
最初からお金儲けのためだけに粉飾をするような人がその例です。
でも粉飾によって株価が上がったりしても、いつかは粉飾がばれて崩壊する日が来るとは思わないのでしょうかね。
あと、このシリーズを読むと、会計用語がわかるようになるのが良いですね。
現実世界でもたまに登場する「第三者割当増資」などの話も出てくるので、読んでいて自然と興味が湧いてきます![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/star.gif)
今回の「女子大生会計士、はじめました」は、萌実がまだ会計士になりたての頃のエピソードも描かれていて、新鮮な感じがしました。
さらに、シリーズ初となる殺人事件が発生する話もありました。
この話は展開が二転三転して、最後までスリリングでした。
話の語り手も、普段は柿本一麻なのですが、この話のときは第三者から見た語り方になっていて、これも新鮮でしたね。
殺人と会計がどう結びつくのか、そして犯人は誰なのか、ドキドキしながら読みました。
興味を持った方はぜひ読んでみて下さい![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/kirakira.gif)
※図書レビュー館を見る方はこちらをどうぞ。
角川文庫から文庫オリジナルとして出版されています。
山田信哉さんは日本テレビの「世界一受けたい授業」にも出演されているので、ご存知の方もいるかと思います。
-----内容-----
キュートな女子大生会計士・藤原萌実と新米会計士補・柿本一麻が監査先で出会う奇妙な事件。
若き社長が率いるベンチャー企業で監査直後に火災が発生、後には死体が残されていた。
二人が巻き込まれた殺人事件とは?
他にネット販売に潜む不正をめぐる、東は秋葉原から西は日本橋までの追跡行など、萌実の名推理が冴えわたる!
萌実が女子大生となるきっかけを描いた一篇も加えた、ビジネス・ミステリ、豪華文庫オリジナル。
-----感想-----
「女子大生会計士の事件簿」シリーズをご存知でしょうか。
作品の舞台が会計業界という珍しい小説です。
今回の「女子大生会計士、はじめました」は、このシリーズの番外編のような感じです。
ジャンルはミステリーなのですが、ただのミステリーではなく「会計ミステリー」なのがこのシリーズの特徴です。
たまにニュースで報道されることもある「粉飾決算」などについて、巧妙な粉飾をする会社側と、それを見破る監査側の対決が、すごくわかりやすく描かれています。
主人公の藤原萌実が監査先で何か疑問を感じたとき、そこには必ず会計トリックが隠されています。
少しでも業績を良く見せたい会社側は、ふとしたきっかけで「粉飾」の誘惑に負けてしまいます。
しかし「粉飾」で見た目の利益が上がったとしても、実際には利益を上げていないので、株主を騙していることになります。
藤原萌実は「その間違ったやり方を正すのが公認会計士の使命」と言っていました。
会社側も巧妙な会計トリックを使ってくるので、見破るのは簡単ではありません。
私は毎回、すごい会計トリックを知って驚きます。
「こんな巧妙な手があったのか」と関心するほどです(笑)
著者の山田信哉さんも公認会計士の資格を持っていて、実際に現場で働いてきた人なので、こういったトリックには詳しいのだと思います。
また、会計トリックには単に仕掛ける側と見破る側の戦いだけではない、読むものを魅了する人間ドラマが隠されていることがあります。
「不正をせざるを得なかった場合」などは、その人にも同情の余地があって、必ずしも悪人というわけではないのだなと思います。
会社のため、社員のためを思う気持ちが間違った方向に行ってしまって、結果として不正を働いてしまうパターンが多いようです。
もちろん、このシリーズにも正真正銘の悪人というのも出てきます
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face_ase1.gif)
最初からお金儲けのためだけに粉飾をするような人がその例です。
でも粉飾によって株価が上がったりしても、いつかは粉飾がばれて崩壊する日が来るとは思わないのでしょうかね。
あと、このシリーズを読むと、会計用語がわかるようになるのが良いですね。
現実世界でもたまに登場する「第三者割当増資」などの話も出てくるので、読んでいて自然と興味が湧いてきます
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/star.gif)
今回の「女子大生会計士、はじめました」は、萌実がまだ会計士になりたての頃のエピソードも描かれていて、新鮮な感じがしました。
さらに、シリーズ初となる殺人事件が発生する話もありました。
この話は展開が二転三転して、最後までスリリングでした。
話の語り手も、普段は柿本一麻なのですが、この話のときは第三者から見た語り方になっていて、これも新鮮でしたね。
殺人と会計がどう結びつくのか、そして犯人は誰なのか、ドキドキしながら読みました。
興味を持った方はぜひ読んでみて下さい
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/kirakira.gif)
※図書レビュー館を見る方はこちらをどうぞ。