読書日和

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サーベラス、地獄の番犬 ~ハゲタカ外資が本性を現す時~

2013-03-22 22:03:40 | ウェブ日記
※この記事は「西武ホールディングスと筆頭株主が全面対決」の続きとなります。

全ての始まりは、かつて西武グループで絶大な権力を持っていた創業家一族の堤義明氏が、2004年に有価証券報告書への虚偽記載が発覚して失脚し、東証一部に株式上場していた西武鉄道が東京証券取引所から上場廃止されたことに遡ります。
このとき西武グループは経営の危機に立たされていました。
そこで助け舟を出してくれたのがアメリカの投資会社サーベラスというわけです。
同社は1千億円超の資本増強を引き受けてくれた、いわば「恩人」です。
以後は、新たに発足した西武ホールディングスと二人三脚となって経営再建を進めてきましたが、昨年12月を目途とした東証一部への株式再上場を前に争いが表面化することになります。

2004年に1千億円超の株式資本を購入してくれたサーベラス社ですが、当然そこには思惑がありました。
この手の「恩人」とは、当然下心のある恩人なのです。
経営の危機から復活した西武ホールディングスが再び東証一部に上場するに当たり、出来るだけ高値で保有している株を売却して「売却益」を得たいサーベラス社は西武鉄道の赤字路線(西武秩父線、西武山口線、西武多摩川線)の廃止や特急電車「レッドアロー号」の値上げ、さらにはプロ野球・西武ライオンズの球団売却などを要求してきました。
これらは余計なものを排除し、企業価値を高めて株の値段を上げたいという思惑から来るものです。
現在は敵対的TOB(株式公開買い付け)を仕掛けて株主総会での影響力が一気に強まる「株式保有率3分の1超え」を狙っていて、完全にハゲタカ外資系企業が本性を現したというわけです

ちなみにハゲタカ外資・サーベラス社はいかにして現在保有している西武ホールディングスの株を高く売るかしか考えていないので、公共性が高い社会インフラである鉄道路線を一気に三つも廃止にしたらその沿線で暮らす人達の生活はどうなるんだとか、人の移動が鈍ることで地域経済はどうなるんだとか、そういった話は一切通用しません。
考えているのは「いかにして金を儲けるか」、その一点のみ。
社名の「サーベラス」もギリシャ神話の「地獄の番犬ケルベロス」の英語読みとのことですし。
自ら地獄の番犬と名乗る様はまさに「金儲けの修羅」で、この手のハゲタカ外資が本性を現したら徹底的に利益をむさぼりに来るので始末に負えないです。
資本主義なのでこういったことがあるのは仕方ないと言えば仕方ないのですが、お金儲けを頂点まで極めようとすると…人は凄まじいまでの修羅になるなと思います
そして高値で株を売り飛ばして利益をむさぼられた後は用済みになってポイ捨て、後に残るのはズタボロになった西武ホールディングスだけというわけです。
なのでそれを防ぐにはハゲタカ外資・サーベラス社との対決で勝つしか道はないですね。

そして色々と記事を読んでみると、どうやら4月23日を期限とする敵対的TOBの成立はほぼ確実な情勢のようです。
そうなると焦点は6月末の株主総会。
株式保有率が3分の1を超え、影響力を増したサーベラス社が何を仕掛けてくるかですね。
この株主総会で現経営陣を追い出し、サーベラス社が推薦する人達を社長や取締役として送り込むという話もあるので、もしそれが現実になった場合はかなりまずい状況になります。
サーベラス社が要求する西武鉄道の赤字路線(西武秩父線、西武山口線、西武多摩川線)の廃止が現実味を帯びてくるかも知れません。

ハゲタカはあくまでハゲタカ、お金のことしか考えていない利益むさぼり集団です。
6月末の株主総会まであと3ヵ月ありますし、そこに向けてこのハゲタカと戦う態勢を整えていってほしいですね。
株主総会までに西武ホールディングスとハゲタカ外資・サーベラス社との間でプロキシーファイト(株主総会での委任状争奪戦)が繰り広げられるとも言われています。
その場限りの金儲けしか頭にない外道ハゲタカ集団になど負けることなく、西武ホールディングスの底力を見せてほしいと思います。

※続きの「西武HDがサーベラス社のTOBに正式に反対を表明」をご覧になる方はこちらをどうぞ。