読書日和

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西武HDとサーベラス社の対決の行方

2013-03-28 22:05:21 | ウェブ日記
※「西武HDがサーベラス社のTOBに正式に反対を表明」の記事をご覧になる方はこちらをどうぞ。

現在、西武鉄道を傘下に持つ西武ホールディングスが、筆頭株主であるアメリカの投資会社・サーベラスから要求されている無理難題の数々。
そのうちの一つが「西武鉄道の赤字路線(西武秩父線、西武山口線、西武多摩川線など)の廃止で、これには社会的影響も大きいことから西武HDも猛反発しています。
ただしサーベラス社が仕掛けている敵対的TOB(敵対的な株式公開買い付け=企業の乗っ取りや経営への影響力増大を目的としたもの)は成立が確実な情勢のため、山場は6月末の株主総会。
敵対的TOBを成功させ、株式保有率が全体の3分の1を超えて一気に影響力を増したサーベラス社が、色々と仕掛けてくるであろう株主総会です。
この株主総会でサーベラス社は元金融庁長官の五味広文氏ら3人を西武HDの社長や取締役に選任しようとしています。
それはつまり現経営陣を追い出してサーベラス社の意向に沿う人間を送り込むということで、もしこのシナリオが現実になった場合はかなりまずいことになります。
西武鉄道の赤字路線(西武秩父線、西武山口線、西武多摩川線など)の廃止というのも現実味を帯びてくるかも知れません。

6月末に開催される株主総会までの間、西武ホールディングスとハゲタカ外資・サーベラス社との間でプロキシーファイト(株主総会での委任状争奪戦)が繰り広げられるとも言われています。
どちらがより多くの委任状を取れるかが鍵で、西武ホールディングスが取った場合はひとまず現経営陣が追い出されるような事態は回避されます。
ただしサーベラス社がより多くの委任状を取った場合は、やろうと思えば現経営陣を追い出してサーベラス社の意向に沿う人間を送り込むのが可能な状態になり、危機的状況を迎えることになります。
また、そこまでの大激戦になるのかそれともその前に話し合いで決着するのかも不透明な状況で、その辺りはハゲタカ外資・サーベラス社の出方次第ですね。
ただハゲタカ外資・サーベラス社が「保有している西武HDの株を出来るだけ高く売り飛ばして儲けたい」という金儲けの欲望の一点のみで動いているのを見ると、こういう強硬な手段を使ってくる可能性も十分あると思います。
赤字路線の廃止というのも全ては「余計なものをなくして企業価値を高め、株の値段を高くしたい」という金儲けの欲望から来るもので、分かりやすいまでの金儲け至上主義だなと思います

株の値段を高くすることが出来れば、1000億円超の西武ホールディングス株を持つサーベラス社としては、速やかにそれを売り飛ばしに動くと思います。
そうすれば莫大な「売却益」を上げることが出来ますから。
そうして儲けを出した後はもはや西武ホールディングスは用済みなので、ポイ捨てしてその場から去っていくというわけです。
この過程においてサーベラス社は鉄道路線を一気にいくつも廃止にすることによる人々の生活の混乱、地域経済への影響などは全く考えておらず、考えているのは「利益をむさぼり尽くすこと」のみ。
この手の外資系ヘッジファンドが「ハゲタカ」と呼ばれる由縁です。

また、「サーベラス社に情はないのか」と思う方もいるかも知れませんが、これは残念ながら「ない」です。
ハゲタカ外資とはそういうものです。
情がないから「赤字路線を全て廃止にして企業価値を高めて株の値段を上げよう」という、文字通り金と株のことしか考えていない提案をしてくるわけです。
なので、6月末の株主総会で西武ホールディングスが勝つのを祈るしかないですね。
あとは関係する地方自治体(東京都と埼玉県)の方々がどんどん声を上げていくことです。
基本的に民間企業同士の激突に国が直接割って入るということはないので、市議会や町議会など、自治体レベルでどんどん反対の声を上げていったほうが良いと思います。
あちこちの自治体からサーベラス社に「No!」の声が突き付けられれば、さすがのハゲタカといえど無茶な要求は出来なくなるのでは。
ただでさえ悪い企業イメージが「最悪」になりますし。
ハゲタカに狙われている西武ホールディングスを援護するにはそういった「自治体による包囲網」も重要になってくるのではないかと思います。