しらの風景

自然と野鳥や生き物が大好き!自然の中には学びがいっぱい。
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映画「ヒマラヤを越える子供たち」(6/20*金)

2008-06-20 | 映画大好き!
金沢では今、チベット問題についてのイベントが
あちこちで企画されています。前回はネパール協会の
副理事さんを迎えての講演に参加したのですが、
今日は「ヒマラヤを越える子供たち」という
ドキュメンタリー映画の自主上映+ダラムサムに滞在して
いるチベット仏画絵師の田上さんの講演に友人と出かけてきました。


今の中国では、チベット人の子供たちは中国政府の統制下で
教育を受けることが出来ません。チベット人の親たちは
子どもたちを愛するが故、案内人に子どもたちを託し6.000m級の
過酷なヒマラヤ山脈を越えてダライラマの元に届ける旅をさせます。
ダライラマの元には亡命してくる子どもたちのための教育機関が
作られていてチベット人としての教育が受けられるからです。
親の愛情を知っている子供たちは、それに応えようと
命がけの旅に出かけます。途中で命を落とす子、凍傷になる子、
中国政府に見つかってしまったらもう終わりです。
案内人もチベットの未来を子どもたちに託し、命がけで
子供たちを守り無事にインドにたどり着けるように助けます。

ダライラマは、弾圧されていたとしても中国を憎んではいけない。
憎いと思う自分の心、その感情こそが敵なのだと教えているそうです。
そして、普通わたしたちは生きるために「祈る」、
しかし、チベットの人たちは「祈る」ために生きるのだと言う。

「祈り」、チベットのために一人でも多くの人が祈ってほしいと
言った田上さんの言葉が印象的だった。彼女は涙をこらえつつ、
ダラムサラで起こっていることを話してくれたのだった。

映画の中でチベットから亡命して来た子供が
「中国を憎まない、彼らも同じ人間だから」と言った言葉の中に
ダライラマのチベット仏教の精神が生きているような気がしたのでした。