くも膜下出血・脳梗塞後遺症で施設に入所している44歳女性が、麻痺のなかった左上肢の動きが悪いという訴えて1週間前に入院した。20歳台でくも膜下出血が発症したらしい。水頭症に対して脳室シャントが入っていた。左前~中大脳動脈領域の陳旧性脳梗塞もあった。
頭部CTでは明らかな新規の脳梗塞はなかった。頭部MRIはシャントの関係でできない。救急外来で診た循環器科医がそのまま自分が主治医となって入院させた。入院後に症状は消失したが、最近嚥下が悪くなってきていて食事摂取が困難だった。入院後に嚥下機能をみたが、経口摂取を進めるのはむずかしく、胃瘻造設を行うことになった。
主治医が消化器科医に代わり、今日内視鏡的胃瘻造設術(PEG)が行われた。その先生と私が胃瘻係りなので、内視鏡の方を担当した。家族は遠方にいるが、今日は病院に来ていた。40歳代なので、本来の胃瘻造設の適応と言える。
一昨日、食事摂取ができない90歳女性の家族と、今後のことを相談した。主治医の内科の若い先生に、胃瘻はどうででょうと言われたが、90歳に施行するのは適応として、あまり勧められなかった。どうしてもと希望すれば、リスクを了解してもらえば行わないこともないが、点滴を控えめな高カロリー輸液にした経過をみることが無難と思われた。