昨日整形外科に対麻痺で入院していた51歳男性が大学病院呼吸器科に転院した。整形外科開業医から当院整形外科に紹介されて入院した。胸部CTで左上肺に大きな空洞性病変があり、壁は不整に肥厚にしていた。MRIでは、空洞の後壁から椎間孔を介して脊柱管内に進展して胸髄に浸潤する病変を認めた(第3胸椎レベル)。さらに第8胸椎レベル、第1腰椎レベルにも病変があった。
肺癌か結核が疑われるが、肺病変からは真菌も疑われた。この方は糖尿病を放置していて、HbA1cが12%だった。担当した若い整形外科医が大学病院の整形外科に相談したところ。むしろ呼吸器科に相談するようにという返事だった。困って内科に相談されたが、大学呼吸器科に知り合いはいない。当地の基幹病院呼吸器科の先生に聞いてみると、知り合いの大学病院呼吸器科医に聞いてあげると言われた。すると大学病院から電話が来て、結核の検査を追加して、その結果を見て大学病院に入院の手筈をするということになった。
結核の検査はすでにしていて、抗酸菌塗抹検査は陰性でPCRも陰性だった。クオンティフェロン検査も陰性だった。塗抹検査とPCRをあと2回行って、この結果を知らせてくれという指示だった。結果は全部陰性。大学病院は結核病棟を持っておらず、結核患者対応の病床は2ベットを建設予定だという。したがって、排菌していると受け入れられない。
それにしても、癌なのか、結核なのか、それとも真菌なのかわからない。感染症ならば回復する可能性はあるのだろうが、すでに脊髄は不可逆的な変化をきたしていると思われる。
内科でインスリン強化療法を行っていたので、糖尿病の分の紹介状を記載して大学病院に送った。