なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

肺炎いろいろ

2015年02月13日 | Weblog

 今日は外来がないので、午前中病棟を診ていた。昨日の胃瘻造設の患者さんは、入院時のCTを見て予想したよりも胃が下に降りてこなかった。消化器科医が胸骨直下から頭側向きに刺入して、やっと大弯側に造設した。腹痛もなく、腹部所見からも合併症はないと思われたが、肺炎の有無を見るためもあって胸腹部CTで確認した。これしかないという位置でうまく造設されていた。両側肺の下背側に浸潤影があり、入院時からの陰影の吸収が悪いのか、潜在的に再燃しているのか区別がつかなかった。この患者さんは肺炎になれば発熱があるので、無熱の今は大丈夫と思われるが。胃瘻造設時の内視鏡操作で誤嚥した可能性もあり、通常は3日間抗菌薬を投与しているのだが、少しだけ期間を延ばした。

 救急外来を診ていた外科医から、77歳男性の肺炎を見てほしいと連絡が来た。昨年脳梗塞(分水嶺梗塞)で神経内科に入院して、左片麻痺があり、歩行はできない。普段は循環器科の外来に通院していて心機能は悪い。BNPが高値で、ふだんよりも上昇している。全体的に浮腫があり、CTで胸水・肺うっ血はないが、輸液には細心の注意を要する。実際に、昨年肺炎で入院して、入院後に心不全が悪化して循環器科に転科になった既往がある。循環器科医と相談して、点滴と利尿薬を決めた。施設にショートステイしていての発症であり、機序は誤嚥性肺炎と思われる。両側肺炎・誤嚥・NHCAP・心不全併発ということで、抗菌薬はチエナムにした(弱気だったかもしれない)。

 昨日入院した94歳女性は、尿中抗原が肺炎球菌とレジオネラともに陽性と出た。もともと呼吸器科医で、現在麻酔科で研修している若い先生が救急外来で診て、そのまま主治医になっていた。届け出も含めて、対応をどうしましょうと相談に来た。相談されても、自分自身レジオネラ肺炎を診た経験はない。もともと肺結核後遺症がある(胸膜石灰化を含む変形あり)。昨年撮影したCTがあり、その時と比較すると今回新規の肺炎像がわかりやすい。それ自体は重症ではなかった。生化学検査ではレジオネラらしさはなく、特徴的な症状もない。通常の誤嚥性肺炎を考慮した抗菌薬にジスロマックを併用して経過をみることになった。レジオネラについては、尿中抗原は入院時の混濁したものだったので、脱水症がなくなった状態で再検することと、抗体検査も提出することにした。この患者さんは最近飲み込みが悪くなってきていて、いわゆる老衰になりつつあったそうだ。肺炎は治癒しても、食べられない状態が続くことを主治医は危惧していた。まあ、その時はその時で、1~2週間は肺炎治療に最善を尽くす(悪化しても人工呼吸などはしないが)ことにしましょう。

 ちなみに明日2月14日土曜日はバレンタインデー。明日は休みなので、今日前倒しで関係部署の看護師さんたちからチョコレートをいただいた。義理堅いというよりも、単にイベントとして楽しんでいるのだろう。自分としては2月15日が妻の誕生日なので、バレンタインデーは毎年何をあげたらいいかと考える日になる。

コメント
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