なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

心気的な印象

2018年04月03日 | Weblog

 70歳女性は先週発作的な動悸で内科新患を受診した。先月からその症状が続いて1週間前に循環器科外来を受診していた。ホルター心電図や心エコーなどの検査が行われて、異常はなかった。動悸といっても有意な頻脈ではなく、不整でもなかった。一見して、心因性という印象をもつ雰囲気の方だった。

 循環器科医が心因性として、精神科クリニックに紹介した。内科受診の前日に受診して、SSRI少量と安定薬が処方されいた。SSRIは2週間くらいは内服しないと効果が出てこないこと、それまでは症状が出た時に安定薬を頓用で使用して様子をみる治療になることを説明した。安定薬を少し追加して、1日に2~3回くらいは使用してもいいことにした。

 夫が先月から前立腺癌の治療を受けていて、その送り迎えをしていて、心身ともに疲れていたそうだ。精神科の見立てはパニック障害なのだろう。

 今日再受診の予約を入れていた。安定薬の頓用はそれほど使用することがなかったが、症状はほとんど起きず良くなっているという。精神科クリニック通院を続けてもらうことにした。表情明るくなっていたというか、険しさがなくなっていた。

 

 内科クリニックの紹介で、時々後頭部~後頸部痛が出たり、だるさが出るという76歳女性が内科新患を受診した。この方も心因性の雰囲気をもっている。頭痛を訴えて先週当院の神経内科外来を受診して検査を受けていた。結果は異常なし。

 症状が出現する時に心配になって血圧を測定すると、180になっていてさらにびっくりするそうだ。そのうち血圧は下がってしまう。普段は血圧が110~120くらいだった。内科クリニックでCa拮抗薬が頓用として処方された。

 デパス(0.5mg)2錠分2が処方されていた。いつからと訊くと、15年くらい前に当地に引っ越す前に住んでいたところのクリニックで処方が開始されていた。いろいろな症状を訴えて頻繁に受診してから開始されたそうだ。それを今のクリニックでも継続していた。朝就寝前内服となっていたが、就寝前には必ず内服して良く眠れるが、朝は内服していないので余ってしまうという。

 褐色細胞腫による発作性高血圧でもないと思われた。症状が出現した時に、デパスを頓用して少し休んでもらうことにした。しばらくそのやり方で経過をみて、良くならなかったら再受診して下さいと伝えた。帰り際の表情は少し明るくなっていた気がするが、気のせいかな。

 

 日曜日に96歳女性が意識障害で救急外来を受診した。頭部MRIで脳梗塞を認め、MRAで右内頚動脈が閉塞していた。心房細動もあるが、脳血管全体が狭窄しているので、塞栓症ではないかもしれない。内科の先生が病状悪化時はDNRとしていた。助かることは助かるが、そこから回復することはなく、点滴で長く入院することになりそうだ。(頭部CTはその2日後の撮影で、当日のCTでは病変を指摘できない)

コメント
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