大学病院から内科新患に来ていた先生が、4月からフルタイムで他の病院に勤務することになった。医局からの派遣ではなく個人契約だったので、応援は終了となる。
内科専門医専攻医になった若い先生が4月から来ている。専攻医は、ホスト病院から地域医療枠で数か月派遣されることになっている。ただ自治医科大学出身の先生は義務年限があり、県の意向で3年のうち2年は地域の病院に出されるそうだ。今回来られた先生も1年間の予定で赴任した。週に1回はホスト病院である医療センターに戻る。
さっそく今日は内科新患を診てもらった。60歳代なかばの男性が左季肋部痛で受診した。胸部・腹部単純X線を行って、肺気腫があるのはわかったが、腹部はわからない。37℃台の発熱(自覚してなかった)と検査で炎症反応上昇があった。 胸腹部CTを追加すると、膵体部に腫瘍があり、多発性肝転移とリンパ節転移も認めた。血液検査に腫瘍マーカーも追加すると、CA19-9が振り切れるほど上昇していて、CEAもかなり増加していた。下肺野の肺炎胸膜炎も疑っていたが(炎症反応上昇から)、それはなかった。
患者さんは、食事は3食はとれる。体重減少は測定していないのでわからないというが、目がくぼんだというので減少しているはずだ。 鎮痛薬のみ処方して、後日家族といっしょに受診した時に詳しい病気の説明と治療の相談をすることにした。手術適応はないので、抗がん剤治療をどこで受けるかになるが、通院できれば腫瘍内科のある病院に紹介したい。
医療センターの内科専門医専攻医担当の先生からは、「地域医療枠で貴院に若い先生が続けて行くかどうかは、実際に派遣された先生が良い研修ができたかどうかで決まります。病院の腕次第です。」、と言われている。