呼吸器科の専門病院から肺癌の64歳男性が転院してきた。その病院の心臓血管外科で胸部大動脈瘤でステント留置の処置を受けていたが、途中で通院しなくなり、フォローから外れていた。
昨年末から背部痛で整骨院に通院していたそうだ。症状が続いて、今年の1月に近医からまたその病院に紹介されたが、すでに多発性骨転移があった。抗癌剤治療は希望せず、緩和ケアを受けることになった。
オピオイド増量(オキシコンチン150mg/日)でせん妄状態となって、減量されていた。現在は50mg/日になっていたが、レスキューのオキノーム10mgを頻回に内服するらしい。
当院よりも大学病院かがんセンターの緩和ケア病棟(ホスピス)の方が好ましいが、比較的近い?という理由で当院転院を希望されていた。当院の医療圏ではまったくないが(当院は山沿いで住所は海沿い)。
画像でみると、胸部X線・CTで原発の肺癌は大きくはない、むしろ多発骨転移が目立つのだろう。CEAが700と著増している。送られてきたCD画像の中にPET-CTもあった。きれいなカラー画像だが、ステントが挿入された胸部大動脈瘤の周囲に癌があるのが気持ち悪い(浸潤から大動脈破裂)。
食事摂取がほとんどできないのは、何に由来しているのだろう。久しぶりの本格的な緩和ケアになる。3か所病院から肺癌の転院があるが、この方が最初のひとりだ。