86歳男性が両側肺炎で入院していた。内科の若い先生(内科専攻医)が担当して、抗菌薬を投与したが反応しなかった。器質化肺炎が疑われて、呼吸器科外来に来てもらっている先生(他の専門病院から)に相談した。
器質化肺炎として、プレドニン20mg/日投与するよう指示されて、みごとに解熱して炎症反応は著明に改善した。もともと患者さんは好例だが、肺炎像の割に元気だった。この辺は細菌性肺炎との違いなのかもしれない。
相談した先生はステロイドを短期間使用して中止する先生だったので、プレドニン20mg/日を1週間の後は、10mg/日を1週間投与して中止と指示された。退院して呼吸器外来で経過をみてもらう予定だったが、退院前日から再度発熱して炎症反応も上昇した。
相談されたので、プレドニン20mg/日を再開してもらった。またきれいに解熱して炎症反応も軽快した。プレドニン20mg/日なら外来通院でもいい量なので、そのまま呼吸器外来に回すことにした。
胸膜直下に非区域性に広がる浸潤影が、いかにも特発性器質化肺炎(COP)らしい。COPと診断されてからの印象になるが。
「特発性間質性肺炎の診断と治療の手引き 改訂第3版」によると、COPの自然寛解はまれであり、多くはステロイド治療が必要になる。治療は経験的に、経口プレドニゾロン0.5~1mg/Kg/日を1~2か月間投与の後に漸減する。
特にステロイドを15mg/日以下に減量した場合、あるいは治療中止後1~3か月以内に再発することが多い。しかし再発しても治療の反応する。