なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

続々入院

2019年04月07日 | Weblog

 今日は日直で病院に出ている。自宅で動けなくなった48歳男性が救急搬入された。精神遅滞・てんかんで当院の神経内科外来(大学病院の医師担当)に通院していた。

 自力歩行はできていたというが、昨日から寝たきり状態となり、開眼はしているが返答がない(ひとこと程度は発語できていた)。バイタルは問題ないが、血液検査で筋原性酵素の上昇があり、仙骨部に浅い褥瘡ができていた。

 兄弟3人で生活しているそうで、付いてきた弟さんに話を訊いた。これまで痙攣しているところを見たことがあり、強直性の痙攣だった。今回は痙攣はない。非けいれん性てんかん重積発作だとわかりにくいが、診断は難しい。

 抗てんかん薬はデパケンとイーケプラを内服していて、兄弟が管理していた。院内で測定できるデパケンの血中濃度を測定すると治療域を下回っていた。これまでは治療域上限で推移しているが、1日内服しないだけでこうはならないだろう。イーケプラの血中濃度は外注になるので提出は月曜日になる。おそらく低下しているだろう。

 イーケプタ1000mg点滴静注で対応することにしたが、1回入れただけでは変わりないようにみえる。入院後どういう経過になるか予想できない。

 

 98歳男性が左不全半身麻痺と構語障害(ろれつがまわらない)で受診した(家族が連れてきた)。自宅内で横臥しているのを家族が発見したそうだ。受診時には症状は軽快していた。この方は心房細動があるが、胃癌の経過をみていて出血があるので、抗凝固薬は中止されていた。いつ脳梗塞のなってもおかしくないと言われている。

 頭部CTでははっきりしなかったが、頭部MRIもとると、新規の脳梗塞があった。入院で経過をみることにしたが、慢性腎臓病があってエダラボンも使用できないので、大した治療はできないことになる。

 1週間経過をみて、少しリハビリも行ってみる。家族にはリハビリの効果が期待できないかもしれないとお話した。CTで胃体下部から前庭部にかけて胃癌が描出された。食物の通過はまだできるだろう。

 

 ほかには、山間部の温泉ホテルに来て回転性めまいが発症した66歳女性がBPPVの診断で入院した。同じく温泉ホテルに職場の研修できていた22歳女性が過換気症候群で救急搬入されたりしていた。

 この後、当院の呼吸器外来で経過をみている肺癌の患者さんが救急搬入されてくる。

 

 (後日記)

 日曜日に意識障害で救急搬入された48歳男性(精神発達遅滞・てんかん)のその後の経過。搬入時、開眼はしているが、発語はなかった。四肢はまったく動かさない。

 検査でその状態を説明する異常はなかった。バイタルは問題なく痙攣もないが、非けいれん性てんかん重積発作が気になっていた。点滴翌と抗てんかん薬の点滴静注で経過をみて、翌日の月曜日には、手でベット柵をつかんだり、足を動かしていた。呼名に視線を動かすようだ。

 そのまま回復してくるかと思われたが、火曜日もあまり状態は変わらず、水曜日は明らかな発熱があった。受診時の胸部X線では異常ないと判断したが、胸腹部CTで確認すると両側肺下肺野背側に軽度だが、浸潤影を認めた。身体がごく短時間ぴくつくことがあった。

 木曜日には看護師さんから痙攣があると言われて、診にいくと治まっていた。定期の抗けいれん薬を漸増したが、短時間の痙攣が断続帝にあり、すぐ治まらない時はジアゼパムを使用することにしていたので、計4回使用した。

 結局今朝になって、地域の基幹病院脳神経内科に治療をお願いして搬送した。昨日には手を打つべきだった。発熱の原因が肺炎と判断したが、脳炎・髄膜炎が発症しているのかもしれないと思った。入院後にいったん回復しかけたのが合わない気もするが、可能性はある。けいれんは原疾患の結果だったのか。

コメント
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