年末年始にかけて、「レジデントのための腎臓教室」前嶋明人著(日本医事新報社)を読んでいた。研修医向けの本だが、知識の整理にはちょうどいい。ただし具体的な投与量などは書かれていない。2017年11月に出て2019年4刷なので、売れているようだ。
尿中未変化体排泄率は、投与された薬が代謝などで活性を失わないまま腎臓を通って尿中から排泄される割合。尿中未変化体率が40%以下の薬物は肝代謝型薬物、60%以上の薬物は腎排泄型薬物。肝代謝型薬物では腎不全でも常用量だが、腎排泄型薬物では減量を要する。(%は知らなかった)
脂溶性薬物は肝代謝型で、水溶性薬物は腎排泄型の性質をもっているとあるが、その薬剤が脂溶性か水溶性かはわからない。
一番困っているのは糖尿病・高血圧症で通院していて、血糖も血圧もまずまずにコントロールされている患者さんの腎機能障害だ。尿蛋白も(微量アルブミンも)、尿潜血も陰性で、精査としては腎生検で確認するしかない。腎臓内科外来(大学病院からバイト)に紹介しても、それぞれの治療を継続して下さいで終わってしまう。(将来的に腎機能が悪化した時は透析になるという話はしてくれた)
尿蛋白が出にくいという点では高血圧症による腎硬化症の要素が大きいのだろうか。