なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

重症?急性肝炎

2020年01月18日 | Weblog

 木曜日に内科医院から59歳女性が紹介されてきた。午後の受診で、地域医療連携室が内科の若い先生(内科専攻医)に診療情報提供書を持って行って診察を依頼していた。

 上腹部痛で前日水曜日に同院を受診して、血液検査でかなりの肝機能障害があった(外注検査なので翌日に結果判明)。AST 508・ALT 260・LDH 517・ALP 402・γ-GTP 193で、白血球6500・CRP0.40だった。また39℃の高熱もあり、腹部エコーで胆嚢内に胆泥がありことから、急性胆嚢炎疑いとなっていた。

 夕方時間外になったところで、他の先生と学会出席の話などをしていた。電子カルテ画面で、若い先生がその患者さんを診ているのに気付いた。特に相談はなかったが、総胆管結石が疑われると判断して、総胆管結石性胆管炎で専門病院に救急搬送していた。

 その日の肝機能は、AST 2738・ALT 1426・LDH 2532・ALP 646・γ-GTP 426・総ビリルビン3.2・直接ビリルビン1.8と、前日より一気に上昇していた。胆管炎としては変だ。

 CT画像を確認すると、胆道系の拡張はなかった。胆嚢の腫大・胆嚢結石はなく、肝腫大・脾腫は明らかではない。白血球9500・CRP1.1と細菌感染としては低い値だった。これは急性肝炎そのもののようだ。血小板18.8万・PT99%(PT-INR1.1)と劇症肝炎とはいえないが、重症急性肝炎相当だった。

 紹介した病院は消化器内科と肝臓内科があって、肝臓専門医が複数いるので、結果的には問題はなかった。

 薬は気管支喘息の吸入薬と内服のみで、以前から継続していて新規薬ではない。HBs抗原・HCV抗体は陰性だが、ウイルス性かどうかは外注検査を追加しないとわからない。

 原因検査として、A型肝炎・E型肝炎(EBV・CMVも)のウイルスマーカー、抗核抗体(一応抗ミトコンドリア抗体も)などを提出するとして、治療はすぐにステロイドを使用するかのだろうか。

 

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