なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

レスパイト入院キャンセル

2020年03月09日 | Weblog

 内科の若い先生は日曜日の日直をしていた。受診者数は少なかったが、1)急性心筋梗塞・急性心不全の患者さんを心臓血管センターのある専門病院へ搬送した、2)電車に乗れなくなり、かかりつけの精神科クリニックに通えなくなってパニック発作を来した患者さんに、アルプラゾラム(コンスタン)を処方して症状軽快した、3)内科クリニックで老衰とされた93歳男性を脱水症で入院させたなど、それなりに内容はあった。

 

 今日は全身の痛みを訴える97歳女性を診ていた。相談されて診に行くと、3年前の入院の時に担当した患者さんだった。最初は全然わからなかったが、入院サマリーを確認してぼんやり思い出した。

 関節リウマチで内科医院に通院していた。処方はプレドニン4mg/日とNSAID(セレコックス200mgを朝夕)だった。その医院では関節リウマチの患者さんにメトトレキサートを処方しているが、この年齢では処方する気にはならないだろう。白血球数は正常域で、CRPが0.5mg/dl前後だった。

 入院した時の訴えは左側胸部痛だった。間欠的な電撃痛で肋間神経痛と判断された。帯状疱疹が出て来るかと思われたが、結局出なかった。

 無疱疹性帯状疱疹として、バラシクロビル(バルトレックス)を処方したが、正常域だった腎機能が血清クレアチニン3mg/dl台になって中止した(中止で回復)。結局アセトアミノフェンを追加して経過をみただけだったが、2週間程度で軽快した。

 あまりカルテ記載をしていないので、何を考えたかがわからないが、医院では就寝前に処方されていたクロチアゼパム5mgを1日2回(朝夕)にして、その後1日3回にしていた。訴え方に心因性の要素もあると判断したのだろう。

 

 1週間前から全身が痛いと訴えるようになった。先週の土曜日に内科医院を受診して、プレドニンが10mg/日に増量された。今日もそちらに連絡したが、増量したばかりなので、もう少し様子を見る様にと言われた。それでも全身が痛いと訴えるので、当院を受診したという経緯だった。

 紹介状なしの直接受診で、若い先生は当初リウマチ性多発筋痛症かと思ったそうだ。お薬手帳もプレドニン4mg/日がコピーされていたので、減量による増悪と思った。その後、関節リウマチで通院していたこと、プレドニンが増量されたばかり(RAとして?)であることが判明した。

 ストレッチャーに載っている患者さんは、普通に受け答えができる。手指・手関節・肘関節・肩関節、趾関節・足関節・膝関節・股関節は特に痛みがなく熱感もなく、可動域もまずまず良かった。肩・上腕・大腿部の把握痛はありそうななさそうなではっきりしない(有意とはとりにくい)。

 関節リウマチにリウマチ性多発筋痛症が合併することはありますか、と訊かれたが、わからない。両者は鑑別を要して、当初の診断から途中で変わることはあるとされるが(PMRと思っていたら高齢発症RA)、合併するだろうか。

 発熱はなく、白血球数は正常域でCRP0.8と微妙な値だった。結局アセトアミノフェン追加で少し経過をみることにしていた。

 

 明日は新型コロナウイルス感染症疑い(濃厚接触者)が受診した時のために、案内の道筋や防護服のつけ方の練習がある。

 地域の基幹病院から転院予定だった患者さんは、週末に亡くなったと連絡が来た(インスリノーマの終末期)。レスパイト入院予定の2名はキャンセルになった。新型コロナウイルス感染症の患者さんが入院している、と思われていることが原因らしい(いないけど)。

 

 

 

コメント
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