なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

急性リンパ性白血病でした

2020年03月10日 | Weblog

 急性白血病の患者さんのその後。

 先々週の金曜日に施設から紹介された82歳女性は、白血球数37万・芽球97%と急性白血病だった。救急当番だった外科医に相談されて、がんセンター血液内科に搬送となった。

 先週感染管理の相互評価でがんセンターに伺った時に、血液内科の先生から、対症療法しかないので当院に戻したいという話があった。急性骨髄性白血病と思われたが、細胞表面マーカーの検査で急性リンパ性白血病(B細胞系)と判明した。(当院の検査でも、ペルオキシダーゼ染色が陰性だった)

 何らかの感染症があったようで、抗菌薬の投与で白血球数が21万まで低下していた。貧血に対して輸血も行われた。白血病自体の治療適応はないらしい。DIC相当だが、臓器障害がなく経過をみている。

 家族に説明された後、先週末に転院依頼の連絡があり、今日転院してきた。認知症・難聴でなかなか会話が難しいが、空腹を訴えて食事のことだけ気にしていた。元気なものだ。どこまでもつのだろうか。

 

 フィラデルフィア染色体はどうなんだろうとか、ステロイドだけ投与したらどうなるんだろうとか、素人的な疑問はあるが、指示の通りに貧血に対する輸血と、感染症に対する抗菌薬投与(必要時)で経過をみることにした。

 もともと認知症で入院すると不穏があり、がんセンターでも点滴を抜去してしまうので、抗菌薬は内服に変更されていた。当院で点滴再開になると、病棟看護師さんが困ることになる。

 

 徳田安春先生の「Dr. 徳田の 診断推論講座」第2版(日本医事新報社)が出た。研修医向けの本だが、疾患の項目が初版の15から25に増えたので買い替えた。徳田先生の本を集めるのは趣味。

 

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