こちらも同じ日(一昨日)に内科の若い先生に相談された77歳女性の症例。嘔吐・発熱で搬入されて、救急当番の外科医が肺炎として内科に入院依頼となった。
意識障害が続き、翌日に頭部CTを行うと、椎骨脳底動脈が著明に拡張して、内腔が解離していた。解離性動脈瘤の一部が破裂して、右側頭葉から後頭葉にかけてくも膜下出血をきたしていた。
もともと地域の基幹病院脳外科で椎骨脳底動脈瘤を指摘されていて、破裂した時は予後不良と言われていた。家族に説明すると、病状(さらに)悪化時はDNARの方針となった。おそらく意識障害はそのまま続き、末梢からの点滴で経過をみるだけになる。
ここまで巨大な脳動脈瘤(それも椎骨脳底動脈で)は初めて見た。内科の若い先生は3月末で勤務を終えるので、その後は当方たちが引き受けることになる。1年間地域医療枠として勤務してもらったが、DNARの取り方が上手な?先生だった。