なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

現病歴・既往歴を少しずつ

2020年03月05日 | Weblog

 昨年12月から内科外来に通院している80歳男性は、神経内科外来からの紹介だった。時間がなくて、紹介された病気以外のことは確認できていなかったので、水曜日に受診した後に改めて既往歴を確認した。

 脳血管障害の専門病院に多発性脳梗塞(ラクナ梗塞)で通院していて、一昨年の1月にそこから当院の神経内科外来(新患担当の外部の先生)に紹介された。何故か抗血小板薬の処方はなかった。

 2011年に当地域の基幹病院外科で胃全摘術を受けて、それによるビタミンB12欠乏性貧血もあった。下肢のしびれなどで診断されて、ビタミンB12を当初は静注で、その後は内服薬で治療していた。

 内服でも大丈夫だろうと思うが(大量投与、といっても通常量だが、ある程度は吸収される)、当院神経内科では3か月に1回のビタミンB12 静注に戻していた。確かに確実ではある。それと鉄欠乏性貧血として鉄剤も追加していた。(胃切除術後の貧血は5年で鉄欠乏性、10年でビタミンB12欠乏性を考慮) 高血圧症もあり、降圧薬2種類が開始された。

 とりあえず、ここまでは把握していたが、既往歴はもっとあった。

 

 2014年に基幹病院泌尿器科で左腎癌で核出術を受けている。20年前には脳動脈瘤のクリッピングを受けていて、それが脳血管障害の専門病院に通院するきっかけだったようだ。

 さらに昨年4月に肝機能障害で消化器科に紹介となっていた。CTで総胆管結石があり、左肝内胆管の拡張もあった。胃切除術後で、内視鏡処置は超専門的になるので、消化器病センターのある専門病院に紹介していた。小腸内視鏡(バルーン付きなのだろう)を用いた乳頭切開・総胆管結石採石術が見事に行われていた。(左肝内胆管については記載がないので、フォローは必要になる)

 

 現在は高血圧症・多発性脳梗塞・胃切除後のビタミンB12欠乏性貧血+鉄欠乏性貧血で通院していて、既往には脳動脈瘤・胃癌・腎癌・総胆管結石がある患者さんだった。高度な医療の恩恵を受けて生きているのであった。人に歴史ありだ。

 いつも一人で診察室に入ってくるが、誰かに送られてきているのではないか。家族構成もまだまったく訊いていない。その辺は次回の受診した際に、(時間があればだが)訊いてみよう。

 

 

 

 

 

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