昨日内科の若い先生に相談された。認知症で施設入所中の90歳男性が嘔吐後の発熱で、10日前に当院に救急搬入されていた。
胸部X線・CTで粒状影が散布していた。もともと白血球数が1万くらいの方で、搬入時の白血球23300・CRP16.8と高値だったが、抗菌薬投与で白血球11500・CRP1.0と順調に改善していた。
搬入時から呼びかけで開眼するくらいだったが、施設職員の話では「いつもくらいです」ということだった。肺炎改善後も意識レベル変わらず、食事摂取もできない。左右差・麻痺はない、というか判別しがたい。
頭部CT検査を行ったところ、右頭頂葉に皮質下出血を認めた。これは救急搬入時からあった、さらには嘔吐した時からあったのではないか。
脳委縮が目立ち、脳圧亢進・脳ヘルニアの心配はまずない。神経内科医に画像を見てもらったが、処置はなく経過をみるしかないという。(10年前に当院を受診した記録はあるが、その後は内科医院に通院していた。10年前の脳画像と比較して脳委縮が進行していて、水頭症かどうか気になるとも言われたが)
施設職員の「いつもと違う」は有意な指摘として対応するが、「いつもと同じ」をそのまま受け取ってはいけないということになった。