2月17日(土)の当直の時に、午前中に救急搬入された尿管結石の患者さん(45歳女性)が嘔気が続いて再受診したい、と連絡が入った。疼痛はないそうだ。来てもらって点滴・制吐剤の投与を行うことにした。
その日朝食後にトイレにいった後に出てこないので、母親が見にいくと、うつぶせに倒れていて、左腰部を抑えて苦しんでいた。救急要請して当院に搬入された。
当院の呼吸器外来(大学病院からの応援医師担当)に気管支喘息で通院している。別の病院の精神科にも統合失調症で通院している。(雰囲気はBPD様)
日直は別の内科の先生だったが、患者さんがベット上で転げまわるように痛がった、と記載していた。点滴を入れて、鎮痛薬を使用した。ソセゴン(ペンタゾシン)15mg筋注、アセリオ注(アセトアミノフェン)1000mg点滴静注、そしてソセゴン15mg静注と使用して疼痛が軽減した。
胸腹部CTで左尿管の腎盂から出てすぐのところに結石を認めた。大きさ的には自然排石を期待できるものだった。他には異常所見はない。症状とも合致する。
尿管結石を判明してからジクロフェナク座薬50mgも使用していた。気管支喘息はあるが、NSAIDsは大丈夫な方だった。疼痛軽快して帰宅した。
帰宅してから、午後3時にまた同様の疼痛があり、ジクロフェナク座薬を使用して軽快していた。ただその後から嘔気が続いて食事がとれないという。朝からずっと食べていないといっていた。
腹部所見は特に異常なかった。点滴とプリンペラン(メトクロプラミド)静注をした。他の患者さんたちを診て忙しかったので、次に診にいったときには点滴が終わりかけていた。嘔気は治まっていて、あっさり帰宅となった。
日直の先生が市内の泌尿器科宛に診療情報提供書(画像のCD付き)を持たせていたので、2月19日に受診していた。結石はやはり自然排石を期待できるので、経過をみて1か月後となったそうだ。
2月20日(火)は午前5時にまた左腰部痛が発症して、ジクロフェナク座薬でいったん治まった。午前7時にまた痛んで当院救急外来を受診していた。当直だった整形外科医がアセリオ注を行って、腹部CT・血液検査・尿検査をオーダーした。
午前中の救急当番だったので、申し送られた。尿検査は当然だが血尿を認めた。CTで見ると、尿管結石は初診時より数cmだけ下がっていた。
尿管結石がちょっとだけ動いたの画像で確認することは珍しい。検査結果が出て診に行った時には症状は軽快していて、そのまま帰宅とした。
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