先々週、脳梗塞の87歳女性が地域の基幹病院脳神経内科から転院してきた。内科の若い先生に担当をお願いしていた。
先方の病院では、末梢静脈からの点滴と数口程度のゼリー摂食で経過をみることになっていた。転院後に家族と相談して、同じ対応で経過をみることになり、病状悪化時はDNARの方針となった。
聴覚言語療法士が嚥下訓練を行ったが、経口摂取は無理と言う判断になった。500mlの点滴2本で治療継続としていた。
病棟編成の問題で外科病棟に内科の患者さんも入院している。病棟の看護師さんが黄疸に気づき、外科の若い先生に報告したそうだ。その先生が腹部エコー・血液検査の指示を出して、若い先生に報告がきた。(これまでも何かと指導してもらっている)
腹部エコーでは胆嚢腫大・壁肥厚があり、胆嚢内にdebris貯留を認めたが、結石はなかった。胆道系の拡張はない。腹部CTも追加したが、やはり胆道系に異常はない。
血液検査では白血球3900・CRP0.5とまだ炎症反応の上昇はほどんどなかった(病初期像だろう)。肝機能はAST 53・ALT 42・ALP 406・γ-GTP 103・血清ビリルビン3.0とまだ軽度だが、これまでなかった異常を認めた。
どうしましょうかと相談された。寝たきり状態にあり、無石胆嚢炎を来してもおかしくはない。胆嚢炎として抗菌薬を投与して経過をみてもらうことにした。
この患者さんは心房細動があり、先方での頭部MRIで右前頭葉と後頭葉に梗塞巣を認めていた。血栓が飛んで脳塞栓症を来したと判断される。
頑張るとすれば高カロリー輸液や経管栄養だが、家族も希望しないので、現在の方針でいいのだろう。肺炎、尿路感染症、胆道感染症などを併発すればできる範囲で治療は行う。
市内の小学6年生が新型コロナウイルス感染症と判明した(父親からうつったもの)。その子の学級にいる児童全員のPCR検査を一昨日、昨日を分けて行ったが、幸い全員陰性だった。
これで市内で起こったスターの分は、いったん終了となる。院内の職員もPCR検査陽性者(親戚)に接触したので、一家でPCR検査となったが、これも陰性でよかった(2週間は自宅で経過観察になっている)。
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