なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

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2021年12月02日 | Weblog

 昨日、市医師会長をしている先生から、相談なんだけど、と電話が入った。

 患者さんは70歳代男性で酒ばかり飲んでいて、あまり食べられないと言う。点滴と消化管の精査をしたいということだった。

 両下肢の浮腫があって、利尿薬を処方してそれは改善しているそうだ。貧血はさほどではなく、血清蛋白はむしろ高めという。おそらく血清総蛋白が高めで、血清アルブミンは低値・血清グロブリン高値というパターンだろう。

 アルコール性肝硬変による浮腫なのだろう。利尿薬を処方して水を引くと、食欲不振になったりすることはある。肝性脳症があると、利尿薬投与で血清アンモニアが上昇するのもある。

 患者さんは入院はしたくないと言うので、外来での点滴と、胸腹部CTで検討をつけて、内視鏡検査をするかどうかになある。患者さんがよければ、どうぞ受診させて下さいと伝えた。電話の向こうで患者さんの声が聞こえたが、案外張りのある声だった。

 結局昨日は診療情報提供書がFAXされることもなく、患者さんは受診しなかった。

 

 午後に市内の内科小児科クリニックの先生から電話が入った。もともとは外科医院だったが、その息子さんが内科、息子さんの奥さんが小児科で、開業医を継承していた。

 電話は内科医の息子さんではなく、小児科医の奥さんからだった。そばに息子さんもいるらしい。内容は87歳になる外科医の父親が食欲が低下しているというものだった。

 食欲不振というよりは嚥下障害があるのかもしれない。少し熱があって抗菌薬を投与しているという。誤嚥性肺炎なのだろうか。

 貧血が進行してHb10g/dlだったのが7.5g/dlくらいに低下しているそうだ。小球性ですかと訊くと、正球性だという。明らかな消化管出血はなさそうだった。

 むしろ骨髄の問題で、骨髄異形成症候群(MDS)などかもしれません、と伝えた。外来に来てもらえば診察・検査をするし、入院でもいいですと返答した。

 まだ紹介のことは父親本人には相談していないので、後でまた連絡しますという。その後、病棟で血液培養を採取していると、また電話が入った。

 本人と相談して少し様子をみることになりました、という。貧血の原因が骨髄疾患かもしれないので、専門の病院を受診させようとなったのかもしれない。

 

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2 コメント

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独学ですが (シロート)
2021-12-02 10:39:00
低アルブミン血症に伴う間質液の治療では、ナトリウム利尿薬では血管内の水分ばかり排出して血管内脱水になり、腎機能を悪くするばかりなので、SGLT2阻害薬やサムスカなどの水分のみ排出させる利尿薬の方が浸透圧により間質液を引きやすいと思います。実際に肝硬変に伴う難治性腹水がSGLT2阻害薬で消失しました。
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Unknown (Unknown)
2021-12-02 13:12:50
ビタミンB1欠乏による浮腫の可能性もありそうですね。
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