なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

ウイルス性筋炎?

2019年02月21日 | Weblog

 一昨日両下肢の疼痛・脱力で86歳男性が救急搬入された。循環器科医から連絡がきて、救急室に診に行った。前日の夜間にベットからトイレに行こうとして、両下肢の脱力のために転倒したそうだ。倒れたのば覚えているが、打撲したところは覚えていない。

 救急当番は整形外科の若い先生で、筋原性酵素が上昇していたことから循環器科医に連絡がいった。38,8℃の発熱がある。心筋原性酵素の有意な上昇はなく、循環器疾患ではないが、そのまま循環器科入院で経過をみるつもりだった。ところが、その後に高齢の重症心不全が救急搬入されることになり、こちらは内科入院で診てほしいという依頼だった。(少人数の循環器科は平日日中のみ救急対応している)

 意識は清明で気持ちは元気な方だった。前日から急に両側下肢の疼痛・脱力が始まっている。発熱もあり、これはウイルス性筋炎なのだろうか。多発性筋炎にしては発症が急すぎる。上肢は普段とさほど変わらないそうだ。両下肢は何とか拳上はできるが、体重をささえることはできない。

 白血球数7900・CRP 4.6で、CK 3120・AST 75・LDH 363と著しくはないが筋原性酵素は上昇している。打撲だけでもある程度は上がるが、明らかに両下肢の症状があるので、それだけではない。

 何だか両上肢・頸部~胸上部に皮下出血が目立った、出血傾向はなく、ふだんからあるそうだ(増えている可能性はある)。皮膚科に乾癬で通院していていた。皮膚が薄く毛細血管ももろく、内出血しそうではある。

 感染症とは言えないが、血液培養2セットはとっておいた。さらに根拠はないが、セフトリアキソン1gを開始した。入院後は解熱傾向のようだが、両下肢の症状はまだ変わらない。念のため多発性筋炎のマーカーは出すことにした。経過観察で症状が軽快すればウイルス性筋炎になるのだろうか。

 

  

  

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