内科の若い先生に、皮下注で経過をみている90歳歳女性の抗菌薬投与で相談された。ゼリーを少しだけ経口摂取して、あとは皮下注で投与している末梢用の点滴で経過をみている。心肺停止時はDNARの方針となっている。
尿路感染症で発熱があり、治療したいという。大津秀一先生の本に、セフトリアキソンが皮下注(皮下点滴)で投与できることが記載されている。米国では淋病の治療にセフトリアキソン1回筋注で治療しているので、皮下注も可能だろう。
とりあえず、院内感染ではあるが、尿培養を提出してセフトリアキソン皮下注で治療することにした。
本邦初の皮下投与の本が出ていた。緩和医療科の先生が書いている。当院では緩和ケアで皮下投与もあるが、経口摂取できなくなった超高齢者で行うことが多い。
皮下輸液の投与量は1500ml/日までだが、同一部位への投与量は200~500ml/日が無理なく吸収できるとある。投与速度は20~100ml/時で調整することが多い。
当院は500ml/日を20ml/時で入れることが多い。要するに1日500ml1本だ。場合によっては(小学生にような小柄な老女)、200ml日のこともある。使用するのはもっぱらソリタT3・500mlだった。
「吸収不良がある場合は、投与部位を2か所として、1日毎に交互に使用する」という方法もあるのだった。
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