前回(先々月)入院時に腹膜偽粘液腫と診断された91歳女性は、できるだけ自宅で過ごすことを目標にいったん退院になっていた。先週木曜日に受診した時には、ほとんど食事摂取ができなくなっていた。入院を勧められたが、患者さんは入院したくないと言って帰宅した。今週の火曜日にいよいよ食べられなくなって予約外で再受診した。家族の話では、患者さん本人も入院を納得したということだった。
今度入院する時は退院のない入院になることを説明されていた。家族はとにかく自宅でみているのがつらいので、何をしてほしいということではなく、とにかく病院で預かってほしいという。
通常は虫垂や卵巣の粘液嚢胞腺腫(腺癌)の破裂・腹膜播種から生じるが、この方は馬蹄腎にできた嚢胞性腫瘍が破裂していた。尿膜管腫瘍由来なのかもしれない。CEAとCA125が上昇していて、腺癌を示唆している。
病状悪化時はDNRの方針で、点滴と対症療法で経過をみることにした。家族から腹膜偽粘液腫の偽は何ですかと訊かれた。播種した粘液腺癌細胞が産生する粘液が貯留していくが、粘液の中に腫瘍細胞は浮いているものの、粘液自体は腫瘍ではないからという意味?。
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