なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

院内でコロナ

2021年03月28日 | Weblog

 3月25日に新型コロナウイルス感染症で入院した94歳女性は、3月4日から14日まで地域の基幹病院の脳神経内科に脳梗塞で入院していた。

 家族5人がコロナに感染していて、この方は症状が咳だけで発熱はないが、超高齢なので入院となった。(まあ確かに、自立していない94歳をホテル療養というわけにはいかない)

 保健所の調査では、3月15日から咳が出始めた、となっていた。その日を発症日とするといわれて、違うのではないかと思った。県庁所在地から患者さんの居住している町に、孫とその子供(ひ孫)がやってきたりしているので、そこから家族内にうつったものだろうと考えていた。

 白血球4100・CRP0.2と炎症反応にほとんど問題はないが、胸部CTでは両側肺野特に左肺にごく淡いすりガラス陰影が散在している。いかにもコロナらしい。治療というより、介護しながら10日間預かって退院にする予定とした。

 3月15日が発症日ならば、入院した時点で発熱がなく咳も軽度なので、すぐに退院にしていいことになってしまう。実際は家族内で症状が出始めた3月20日前後が発症なのだろうから、そのあたりからの日数で退院を決めることにしていた。

 

 3月15日が発症日となり、保健所ではこの患者さんが入院していた先方の病院の同室者を濃厚接触者としてPCR検査を行った。すると予想に反して陽性と出た。

 そうなると、この2名の患者さんは入院中に感染したことになる。入院していた病棟の入退院を一時止めることになった。同室者だけでなく、病院のスタッフのPCR検査も行うのだろう。当院にいるコロナの患者さんは先方の病院で罹患した後に自宅に戻って、家族内にコロナが広まったことになる(?)。

 

 同じ3月15日に、基幹病院の脳神経内科に入院していた89歳女性が、当院にリハビリ目的で転院していた(他の内科に先生が担当)。

 この患者さんも同室だったので、当院で個室管理としてPCR検査を行ったが、結果は陰性だった。14日間その状態で経過をみることになった。(最初大部屋に入ったので、同室者も移動なしで経過観察になった)

 

 入院していたのは呼吸器内科・脳神経内科病棟だった。その病棟はいったん入退院停止となった。来週から再来週にかけて、(リハビリあるいは療養目的で)当院に転院予定の患者さんが数名いたが、いったんキャンセルになるそうだ。

 地域の救急医療の要(かなめ)となる病院なので、影響は大きい。最小限の休止で済むことを願うばかりだ。

 

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