水曜日に、前夜から腹痛が続く32歳女性が受診した。1回嘔吐もしていた。
発熱があったので、症状は呼吸器症状はなく消化器症症状だが、発熱外来の扱いになった。(念のための)新型コロナの検査後に(抗原定性検査陰性)、内科新患に回り、内科の若い先生が診察した。
腹痛は患者さんは全体が痛いと訴えたが、圧痛は右心窩部から右側腹部にあった。先週末から月経があり、ほぼ終わっている。
白血球18900・CRP5.2と炎症反応の上昇があった。肝機能異常はなく、血清アミラーゼも正常だった。
腹部単純CTで診断はついた。上行結腸に憩室が散在していて、肝弯曲近傍の憩室周囲に炎症像を認めた。大腸憩室炎だった。32歳大腸憩室炎は年齢的にかなり若い。
まずは保存的な治療で経過をみることになる。当院では外科手術ができないので、若い先生は穿孔した場合には、外科対応ができる病院に転院になることを本人と家族(母親)に説明していた。
もっとも大腸憩室炎とは、わずかな憩室穿孔により炎症を来すもので、小さな穿孔性腹膜炎が実体らしい。炎症をきたしている憩室周囲の脂肪組織に、ごく少量の遊離ガス像を認めることもある。
以前外科医に訊いたところでは、大腸憩室炎が悪化して(本格的な)腹膜炎になった場合、手術がおおがかりにあるかもしれないそうだ。下行結腸~S状結腸の場合だと、二期的手術になるかもしれないという(まず炎症をきたした腸管切除+人工肛門造設⇒炎症終息後に吻合術)。
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