なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

若い女性の大腸憩室炎

2022年03月18日 | Weblog

 水曜日に、前夜から腹痛が続く32歳女性が受診した。1回嘔吐もしていた。

 発熱があったので、症状は呼吸器症状はなく消化器症症状だが、発熱外来の扱いになった。(念のための)新型コロナの検査後に(抗原定性検査陰性)、内科新患に回り、内科の若い先生が診察した。

 腹痛は患者さんは全体が痛いと訴えたが、圧痛は右心窩部から右側腹部にあった。先週末から月経があり、ほぼ終わっている。

 白血球18900・CRP5.2と炎症反応の上昇があった。肝機能異常はなく、血清アミラーゼも正常だった。

 腹部単純CTで診断はついた。上行結腸に憩室が散在していて、肝弯曲近傍の憩室周囲に炎症像を認めた。大腸憩室炎だった。32歳大腸憩室炎は年齢的にかなり若い。

 まずは保存的な治療で経過をみることになる。当院では外科手術ができないので、若い先生は穿孔した場合には、外科対応ができる病院に転院になることを本人と家族(母親)に説明していた。

 

 もっとも大腸憩室炎とは、わずかな憩室穿孔により炎症を来すもので、小さな穿孔性腹膜炎が実体らしい。炎症をきたしている憩室周囲の脂肪組織に、ごく少量の遊離ガス像を認めることもある。

 以前外科医に訊いたところでは、大腸憩室炎が悪化して(本格的な)腹膜炎になった場合、手術がおおがかりにあるかもしれないそうだ。下行結腸~S状結腸の場合だと、二期的手術になるかもしれないという(まず炎症をきたした腸管切除+人工肛門造設⇒炎症終息後に吻合術)。

 

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 透析患者の肺炎 | トップ | CPFE »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事