なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

意識障害とけいれん遷延

2013年05月20日 | Weblog

 先週木曜日の当直帯に意識障害で入院した50歳台の男性は、入院してからけいれんが続いていた。アルコール性肝障害が目立ったが、画像上肝硬変ではなかった。呼名に反応して発語もあった。当直は外科医で、頭部MRIで異常がなかったことから、消化器科で入院した。入院後は意識が改善して会話ができるようになっていた。そのまま回復すると思ったが、短時間のけいれんが続いた。神経内科医のオーダーで脳波検査が行われたが、異常はなかった。アルコール性と思われるので、点滴で経過をみることになった。2-3日で回復すると予想された。セルシン静注が1回行われたが、ホストインは入れないでいいだろうという判断だった。

 ところが、翌々日もけいれんがあり、たまたま神経内科医が当直だったので、ホストインを投与してけいれんはいったん治まった。それでも昨夜もけいれんが起こり、家族から転院の希望が出た。確かにこちらとしても自信がない。患者さんの兄弟で脳血管障害になった人がいて、家族も心配しだした。診る方としては、単純な脳血管障害ではない脳神経障害が疑われる。結局神経内科医が複数いる医療センターに搬送して診てもらうことになった。

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今日は鈴木富雄先生の講演

2013年05月19日 | Weblog

 プライマリケア学会の2日目。名古屋大学の鈴木富雄先生の不明熱の講演がメイン。高齢者の看取りや誤嚥性肺炎の講演も軽く聞いて、最後のセッションが鈴木先生の講演だった。不明熱の症例が名古屋大学病院総合診療科に集まってきているそうだ。最近不明熱の医学書が続けて出ているが、鈴木先生もレジデントノートに連載していた。ぜひ単行本で出してほしい。不明熱は外来は診て(検査お含めて)見当がつかなければ、入院しても診断はつかないと思っている。

 プライマリケア学会は初めて行ったが、案外クローズドな学会だという印象を持った。総合診療の学会としては一応プレイマリケア学会なのだろうが、内科学会が専門医に総合とつけたのは内科学会が総合診療を取り込もうとしているのだろう。

 ケアネットから岩田健太郎先生の不明熱のDVDが出ていて、鈴木先生が出演している。その中で鈴木先生が例のチンチンチン(フェリチン・血沈・尿沈査)を披露している。岩田先生が、お下品ですねえとコメントしているが、鈴木先生はそれを聞いてムッとしたと言っていた。岩田先生ならいかにも言いそうな軽口で、悪気はないと思うが。

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プライマリケア学会に行ってきた

2013年05月18日 | Weblog

 プライマリケア学会が今日から始まった。今回初めて行ったのは、ドクターGである千葉大学の生坂先生と名古屋大学の鈴木富雄先生の講演が目的だった。今日は生坂先生の痛みとしびれの講演。生で生坂先生を見れてよかった。著書をまた読み直すことと、痛みの神経経路の勉強をすることにした。

 ランチョンセミナーは東京女子大精神科の坂元薫先生の講演には感動した。パニック障害とうつ病の話をわかりやすくお話された。テレビにもよく出られていて、そのビデオも流していたが、戦争中の特攻隊の若者のことも出しておられた。バックに谷村新司の曲がながれていて、坂元先生自身が容貌と声は谷村新司によく似ている。この講演が最大の収穫かもしれない。

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アルコール性けいれん?

2013年05月17日 | Weblog

 昨夜の当直帯で50歳台前半の男性が意識混濁で救急搬入された。当直医は外科医だった。血液検査で中等度の肝機能障害があり、血中アンモニアは正常域だった。C型肝炎があるが、インターフェロン治療を受けてウイルスが消えたということだった(他院なので詳細不明)。腎機能障害も軽度にあってもともとなのか脱水症のためかわからない。アルコール性ケトアシドーシスではなかった。血清ナトリウムが120と低値だった。飲酒はビールだけで量的にはそれほどではないようだが、朝から飲むこともあるという。ただし父親の介護があって夜間も手がかかるらしい。当番の消化器科医が主治医で入院になった。

 入院後、呼びけると返事はするが、ぼんやりしていた。いつもより飲酒が多かったのではないか。短時間の強直性けいれんを数回起こした。神経内科医に相談すると、低ナトリウムのためというよりは、アルコール性ではないかという。電解質(低カリウムもある)を補正しながら、ビタミン混合の点滴で経過をみることになった。脳波検査も予定した。

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肘関節炎?

2013年05月16日 | Weblog

 急性腎盂腎炎と心不全で入院していた80歳台半ばの女性は軽快して一昨日退院した。もともと入所していた施設に再入所したが、昨日から発熱があり、食欲も低下して今日家族が外来に連れてきた。その前は肺炎で入院したこともあり、肺炎か腎盂腎炎再発かと思われた。車いすに乗って診察室に入ってきた(自力歩行はできる)。診察のため何枚も着ていた服を脱がせようとしから、左肘関節をかなり痛がった。見ると、腫脹して熱感がある。膝関節も以前に腫脹したことがあるそうだ。手関節は問題なかった。いきなり化膿性関節炎も考えにくい。偽痛風の関節炎が疑われたが、X線で石灰化ははっきりしなかった。検査で肺炎も腎盂腎炎も否定的で、意識もはっきりして全身状態はそう悪くない。昼前に来たので、検査しているうちに整形外科外来は終わってしまった。NSAID内服で経過をみて、数日で改善しない時は入院治療にすることにした。

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頸部痛で紹介

2013年05月15日 | Weblog

 1週間前から左頸部痛で60歳台男性が内科クリニックから紹介された。部位は下顎直下だが、耳下腺ではない。痛み自体は瞬間的な電撃痛で、神経痛のようだ。帯状疱疹は出ていない。炎症反応としては、白血球数は正常域で、CRPが10で血沈が90mm/時だった。発熱はあっても微熱らしい。内科の若い先生が主治医となって入院した。

 今のところは何だかわからない。内科クリニックでの検査でCRPが14だったが、単純に軽快しているともいえない。肺炎、尿路感染症、胆道感染症などの細菌感染症らしさはない。重症感もなく、食欲は良好だった。前医でNSAIDが断続的に出されていて、経過を修飾している。糖尿病性腎症もあるので、NSAIDは使用しないで、経過をみることになった。インスリンを使用しているが、最近血糖が高くなっていたので、まず血糖コントロールを行う。

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高校看護科講義

2013年05月14日 | Weblog

 今日は高校の看護科で講義だった。内科は血液疾患を担当している。以前は血液専門医がしていたが、その後腫瘍内科医になり、今は全くの一般内科である私が担当している。専門ではないので、教科書的な話になってしまう。十分な準備をしてと思いつつ、毎年たぶん生徒にとっては興味のない話になってしまう。試験に出るところを重点的にやるのだけが取り柄かもしれない。絵をふんだんに入れて面白いプレゼンテーションができる日は来るのだろうか。

 80歳台j後半の男性が肺炎で入院して1週間が過ぎたが、大きく悪化はしてないが、改善していない。起炎菌は不明で、抗菌薬の選択に困っている。

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やすみ中の腹膜炎手術

2013年05月13日 | Weblog

 土曜日の当直は紹介器科の若い先生だった。60歳台男性が下腹部痛で翌朝、つまり日曜日の早朝に受診した。腹部X線で遊離ガスを横隔膜下に認めた。消化管穿孔だった。腹部CTで遊離ガスが確認されたが、消化管のどこに穿孔が起きているかは指摘できなかった。S状結腸に多発性に憩室があり、腹痛の部位からはその憩室のどれかが穿孔したと推定された。外科の当直医は初めて当院に来た大学病院の大学院生だったが、消化器科で経過をみるようにという意見だったそうだ。赴任したばかりの消化器科医は外科常勤に直接連絡するのもためらわれて、消化器科に入院となった。入院させた後、当直疲れで、いったん寝てしまった。

 その間に、たまたま別の患者さんを見に病棟にきた外科のトップの先生に看護師さん(以前外科病棟にいた若い男性看護師)から、こんな患者さんが入院しましたと報告された。さっそく診察して、S状結大腸穿孔の腹膜炎として緊急手術になった。よかったよかったというか、危なかった。

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医学書の古書

2013年05月11日 | Weblog

 文科系の本と違って、理科系の本は古くなれば価値がなくなる。医学書も10年たてば役に立たないので、価値はない。でも、最近年をとったせいか、研修医のころに読んだ医学書が懐かしく思い出される。アマゾンで検索すると個人書店(あるいは個人)が売りに出していた。

 1984年に第2版が出た阿部正和先生(慈恵会医科大学)と平田幸正先生(東京女子医大)による糖尿病の対話本を購入した。紙は変色している。当時のインスリンはレギュラー、NPHインスリン、さらにラピタードだった。ただただ懐かしい。出版されてすぐに購入したが、いつの間にはかなくしてしまった本だ。

 ついでに消化管用薬の本とウイルス性肝炎の本も購入することにした。もちろん内容は古く、診療の役には立たない。あと定年まで10年を切ったしまった今だからこそほしくなる。年齢の割には、研修医向けの本や多方面の臨床の本をよく買っているほうだと思うが、臨床医として先が短くなって、これまでのことを振り返る時期なのだろう。

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脳梗塞

2013年05月11日 | Weblog

 今日土曜日は内科の日直で出ている。76歳男性が昨夕からの右不全片麻痺と構語障害で救急外来を受診した。意識は清明で何とか歩行はできる。頭部CTで脳出血はなかった。梗塞巣ははっきりしていなかった。続いて頭部MRIを行うと、拡散強調画像で左被殻に1cmほどの脳梗塞を認めた。当院は神経内科医が1名で、土日夜間はオンコールになっていない。当番の内科系医師がたんとうすることになっている。もっとも脳幹梗塞などは、電話で神経内科医に連絡して、当面の指示を受けて神経内科で入院させている。患者さんと家族に聞いてみると、脳卒中の専門病院を希望された。電話してみると、診てもらえることになり、さっそく搬送した。急性期の治療後は、おそらくリハビリ目的で当院の神経内科へ戻らされると思うが、症状が安定するまで診てもらう方がいい。

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