「イエロー・カー!」と叫びたくなる映画でした。
*キャビン・プレッシャー(ラジオドラマ)をご存じない方は、これをチャンスにぜひ。「イエロー・カー」の遊び方。

見てよかった!
「ホームレスの映画?え?いくらマギー・スミス主演でもそんなみすぼらしい映画をわざわざ見に行くなんて・・・」
「ミス・シェパードのイギリス的幸福のセオリーをお手本に物欲まみれの人生を改めよと?」
と、これは見に行くと決意する前の私の独り言。
しかし、見初めてすぐ、そのお家のないご婦人の匂いについての記述を長々と聞かされて、劇作家による言葉でうまい具合に表現されている映画なのだと知ったのでした。
実際(ほぼ)実話の、ホームレスの老女の映画というたいていの人は見たがらないテーマでも、セリフと見せ方なんだなあと思い知ったのでした。
目のおっきなマギー・スミスは貴族のドレスじゃなくても存在感あったし、場所はロンドンはカムデンのそこそこの住宅街、時代は1970年~、語り部アラン・ベネットはインテリの劇作家なので、カムデンの街やアランの暮らしぶりを見るのも興味深かったです。
大体、北ロンドンのカムデン・タウンというのはマーケットで若者に人気で、有名なライブ会場なんかもありロンドン・キッズに人気の街というのが私の最初の印象でした。私自身が求めていたのがそれだったから。
しかしちょっと広い目で見るとすぐ西にはプリムローズ・ヒルというセレブが住む街があり、アラン・ベネットが住んでいたグロースター・クレッセンドはちょうどその中間に当たります。グーグルマップで様子を見ると、タウンハウスという都会の横に長く繋がった3~4階建ての家が三日月型に並びますが、よく見ると入り口の庭も広めで(だからヴァンも停められたのね)憧れのロンドン暮らしはこんな家に住みたい!と思わせるビクトリアンな建物です。
主人公マーガレットが黄色のヴァンにユニオンジャックと女王様の写真を飾ったのは、多分1977年のシルバー・ジュビリーでしょう。家はなくても世間を捨てたのではないことがわかったエピでビジュアルも可愛くて鮮やかでした。
マーガレットには過去の秘密があって物語の中でだんだんとわかってくる楽しみもありますが、私にはアランのドッペルゲンガーとの会話が良かったな。
アランは決してマーガレットが好きだったわけでも大変親切な人だったわけでもないのに、15年も家の入り口にヴァンを駐車させておいた・・・そのはっきりしない、YES/NO、GOOD/BAD、RIGHT/WRONGと分けられない選択のまま時が過ぎてもいいのか・・・と思いました。ミスター・ベネットをお手本にしたい。
作家だからネタにするために放置しているんじゃないか、とはドッペルゲンガーの自分も非難してたけれど、たいていの人だったら気が狂いそうになって追い出すような事態だというのに。
ちょい役で出てくる主役級の俳優さん達も楽しくて、スタッフの功績なんだろうなあ・・・
、とアランを含め公式やWikiを眺めました。
イギリスの演劇界映画界の歴史が糸を引くくじ引きのようにシュッと私の指の間で繋がった感じがしました。
そして、アラン・ベネットは、Beyond The Fringeというコメディ・チームの一員でもあったかと、名前を忘れてたことに、自分にがっかり・・・
「Good Evening: Beyond The Fringe」というラジオドラマは、ベネディクト・カンバーバッチ、ローリー・キニア、ジョナサン・アリス、Matt Addisというキャストで、オリジナルのBeyond The Fringeメンバーを演じたドラマ。聞いたのに忘れてた・・・
*キャビン・プレッシャー(ラジオドラマ)をご存じない方は、これをチャンスにぜひ。「イエロー・カー」の遊び方。

見てよかった!
「ホームレスの映画?え?いくらマギー・スミス主演でもそんなみすぼらしい映画をわざわざ見に行くなんて・・・」
「ミス・シェパードのイギリス的幸福のセオリーをお手本に物欲まみれの人生を改めよと?」
と、これは見に行くと決意する前の私の独り言。
しかし、見初めてすぐ、そのお家のないご婦人の匂いについての記述を長々と聞かされて、劇作家による言葉でうまい具合に表現されている映画なのだと知ったのでした。
実際(ほぼ)実話の、ホームレスの老女の映画というたいていの人は見たがらないテーマでも、セリフと見せ方なんだなあと思い知ったのでした。
目のおっきなマギー・スミスは貴族のドレスじゃなくても存在感あったし、場所はロンドンはカムデンのそこそこの住宅街、時代は1970年~、語り部アラン・ベネットはインテリの劇作家なので、カムデンの街やアランの暮らしぶりを見るのも興味深かったです。
大体、北ロンドンのカムデン・タウンというのはマーケットで若者に人気で、有名なライブ会場なんかもありロンドン・キッズに人気の街というのが私の最初の印象でした。私自身が求めていたのがそれだったから。
しかしちょっと広い目で見るとすぐ西にはプリムローズ・ヒルというセレブが住む街があり、アラン・ベネットが住んでいたグロースター・クレッセンドはちょうどその中間に当たります。グーグルマップで様子を見ると、タウンハウスという都会の横に長く繋がった3~4階建ての家が三日月型に並びますが、よく見ると入り口の庭も広めで(だからヴァンも停められたのね)憧れのロンドン暮らしはこんな家に住みたい!と思わせるビクトリアンな建物です。
主人公マーガレットが黄色のヴァンにユニオンジャックと女王様の写真を飾ったのは、多分1977年のシルバー・ジュビリーでしょう。家はなくても世間を捨てたのではないことがわかったエピでビジュアルも可愛くて鮮やかでした。
マーガレットには過去の秘密があって物語の中でだんだんとわかってくる楽しみもありますが、私にはアランのドッペルゲンガーとの会話が良かったな。
アランは決してマーガレットが好きだったわけでも大変親切な人だったわけでもないのに、15年も家の入り口にヴァンを駐車させておいた・・・そのはっきりしない、YES/NO、GOOD/BAD、RIGHT/WRONGと分けられない選択のまま時が過ぎてもいいのか・・・と思いました。ミスター・ベネットをお手本にしたい。
作家だからネタにするために放置しているんじゃないか、とはドッペルゲンガーの自分も非難してたけれど、たいていの人だったら気が狂いそうになって追い出すような事態だというのに。
ちょい役で出てくる主役級の俳優さん達も楽しくて、スタッフの功績なんだろうなあ・・・
、とアランを含め公式やWikiを眺めました。
イギリスの演劇界映画界の歴史が糸を引くくじ引きのようにシュッと私の指の間で繋がった感じがしました。
そして、アラン・ベネットは、Beyond The Fringeというコメディ・チームの一員でもあったかと、名前を忘れてたことに、自分にがっかり・・・
「Good Evening: Beyond The Fringe」というラジオドラマは、ベネディクト・カンバーバッチ、ローリー・キニア、ジョナサン・アリス、Matt Addisというキャストで、オリジナルのBeyond The Fringeメンバーを演じたドラマ。聞いたのに忘れてた・・・