Sofia and Freya @goo

イギリス映画&ドラマ、英語と異文化(国際結婚の家族の話)、昔いたファッション業界のことなど雑多なほぼ日記

WOMEN TALKING

2023-06-05 17:32:53 | ベン・ウィショー

キリスト教の一派の閉ざされたコミュニティで実際に起きた事件に基づくベストセラー小説が原作の映画です。

女性は教育されず読み書きもできず、考える権利も決定権もなく、男に暴力を受けても天国に行けなくなるのでその現実から出ることができない村。三つ編みの髪を結って花柄のドレスを着ているので「大草原の小さな家」のような時代かと思ったらなんと21世紀でした。

性暴力を「作り話」とか「妄想」と思わされていたところ一件が犯罪と認められたことから物語が始まります。女達全員が被害に遭ってるので「許して何もしない/戦う/村を去る」の3択をめぐり話し合う話。

特殊なカルト集団での話と思って女性達の話を聞いていると、だんだん現在の日本も大差ないのでは?と思えてくるのがすごいところです。

ウィショーさんは、一度村を追放になっているので、またその村において特殊な存在の男性オーガストでとてもキャラクターにぴったりです。

追放された後に外の世界で大学を卒業したので村の若者の教師として戻ることができました。村の男が全員固まって外出した時も彼は残って女性会議の書記をします。実際、映画には彼以外の男は全く出てこないのですが、オーガストの謙虚で礼儀正しい語り方を『なんであんただけ他の男と話し方違うの?!」と反抗的な女性にも気づかれますので、他の村の男は女性を尊重しない話し方なんでしょうね。そういう男しか知らない世界にずっと住んでるからそれが普通と思ってるのです。

このオーガストを出すことで、男尊女卑の村では実は男も辛い目に遭っているのだと、フェミニズムは女だけの問題ではないことを語っていると思います。

私も3年ぶりにイギリス行って来て、見ず知らずの人に親切なイギリスで心地よい思いをして日本に戻って来たので、日本の人はこれが普通だと思ってるんだろうけど、もっと生きやすい社会もあるんだよとどこかに向かって言いたい気分でしたので、もうカルト集団と日本が被って仕方なかった・・・日本人男女全員が見たらいいと思いました。程度の差こそあれ、欧米でもまだ男女の自由や尊厳には差があるからこそ、原作者や映画スタッフはこの物語を世間に広めたいと思ったのではないかな。

 

ところで、見に行った映画館でこれを発見!

いよいよな!夏の終わりに!忘れた頃やってくる日本公開・・・

この公開日だけはマーベル含むディズニーなどの大企業を見習ってほしい日本映画会です。

 


WOMEN TALKING

2022-07-30 10:16:12 | ベン・ウィショー

ベン・ウィショー出演映画の「Wemen Talking」がTTIFことトロント国際映画祭(9月8~18日)にてプレミア上映されます。北米公開は12月、ヨーロッパは来年早々とのことですが、日本での公開はいつでしょうか。

原作は2018年の同名小説で、内容はなんと今話題のカルト宗教集団での女性達の被害を描くというもの。さらに、この小説は実際に起きた事件「カルト宗教集団の乳児から高齢者まで女性全員が薬によって意識を失われレイプされた」に対する回答とのことです。

ウィショーさんの役は、元信者の男性で字を書けない当の女性達の代筆で議事録係をしたオーガスト・エップ。鯨の映画でもメルヴィルを演じたのを思い出しました。当事者たちを食わないのに絶対の存在感のある語り部、ウィショー。

キャストはジェシー・バックリーもいて、他にフランシス・マクドーマンド、ルーニー・マーラ、クレア・フォイと続いたら楽しみ以外の何物でもないでしょう!

 

TTIFは去年「ベルファスト」で盛り上がりました。今年はなんとコリン・モーガン出演の「Corsage」も参加します。TTIFはコンペではないながらガラ・プレゼンテーションとスペシャル・プレゼンテーションの2枠があり、違いはガラの方はレッドカーペットがあり、残念ながら「Wemen Talking」も「Corsage」もスペシャルの方に入ってます。くっ。

 

 


パディントン宮殿パーティーに呼ばれる

2022-06-05 17:59:07 | ベン・ウィショー

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上に動画が現れない場合はリンクでご覧ください。

女王エリザベス二世の戴冠70年を祝う4日間のlong weekend真っ最中の英国です。

そして、ペルーのクマ、パディントンも女王様のお茶に呼ばれました!!!イギリスの人は親切だと言ったおじさんとおばさんの言葉を信じて密航してよかったね!それはそうと、2012年のオリンピックの時は007と共演した女王様ですが、演技が上手ですね?!ベン・ウィショーとの息もぴったり合っていて、向き合ってスプーンでWe Will Rock Youのリズムをとる姿には涙です〜〜〜〜〜

BBCiPlayer見れる方は3時間の特別番組「Platinum Party At The Palace」でクイーン+アダムで幕を開けるコンサート全編が見られます。私は冒頭のクイーン+アダムのインタビュー、パディントンのお茶、クイーン本編 〜 ずっと端折って 〜エルトン・ジョン、そしてスティーヴン・フライの祝辞とプリンス・オブ・ウェールズの紹介を見ました。チャールズ皇太子を見るとジョシュ・オコナーが頭に浮かんでしまう「ザ・クラウン」の副作用も出ました。

時々映るロイヤル席の女王のひ孫さんたち見ると、きっとつまらないだろうに公務に勤しんでました。唯一演技ではなくノリノリに見えたのはキャサリン妃で、さすが庶民の出だ・・・と思ってしまったのはドラマ「ザ・ウィンザーズ」の副作用・・・

折りしもイギリスに出稼ぎ中の夫は4連休を使って(実は仕事のオファーはあったのに断ったらしい。働かんかい!)弟と友人に会いにロンドン行って写真を送ってくれました。

ボンド・ストリート

セント・ジェイムズ・パーク

昔、住んでたモルトレイクという町の鉄道駅。こういう地味な駅に掲げられたユニオンジャックが好き。


Limonov, the Ballad of Eddieウィショさんインタ付き

2022-05-17 00:00:00 | ベン・ウィショー

ずっと見逃していたのか、ウィショーさん主演映画の次作が!しかもカンヌ映画祭で一部映像が披露されることがわかり、度々カンヌではウィショーさん作品披露されてることを思い出し、もうカンヌに足を向けて寝られません!(でもシマッタ実際足は「西」向きで寝てた・・・)

VARIETY  セレブレニコフ監督インタビュー 2022年5月11日

VARIETY    ウィショーさんインタビュー 2022年5月11日

EddieというのはEduard Limonov/エドワルド・リモノフの英語の通称でしょうか。なんと、ロシアの政治家です!

彼は作家、運動か、また西側への亡命もしており、Wikiの記事だけでも盛りだくさんすぎて激動の人生を送った人とだけはわかりますけど、謎も多く、近年2020年に亡くなっています。しかし今、特筆すべきは「反プーチン」の思想の人だということです。

記事結構ボリュームあるのですけど、「最初ロシアで撮影を開始していたところ、戦争が勃発しウィショーさんは国外脱出し現在はロシア国外のロケに変更されて継続中」とのことで、心臓に悪いです。

ご本人

ウィショさんインタの記事抄訳

プロモーション動画は本日カンヌ映画祭でバイヤー向けに公開とのこと。(!)

映画はフランスの小説家、脚本家、映画監督であるエマニュエル・カレールのベストセラー伝記小説(2011)に触発されている。本は35ヶ国語に翻訳されている。(日本語訳はなし、クソ〜)「Limonov」はエドワルドのソ連の匿名執筆家、亡命先のアメリカではパンク詩人やマンハッタンの富豪の執事など多岐に渡る人生を掘り下げている。

その後、パリでの作家活動、ロシアに戻ってカリスマ反体制党首などになってプーチンに投獄された。

この物語は20世紀後半のロシア、アメリカ、ヨーロッパを舞台に現在の歴史の展開に関係してくる。

監督キリル・セレブレニコフは元々プーチン体制にて法的問題を抱えていたため、戦争勃発後には即ロシアでの撮影を中止、ウィショーさんの国外脱出に尽力した。

監督は3年間の国外渡航禁止が解け、カンヌに最新作「チャイコフスキーの妻」を出品する。

ウィショーさんインタビュー

Variety:エドワルド・リモノフのような複雑でクレイジーなキャラクターを演じることの何に惹かれましたか?

ウィショー:2020年、パンデミック中に送られてきた脚本を読んで衝撃を受け、エドワルド・リモノフというキャラクターに釘付けになってしまいました。彼の全てが激しい。彼に対してあらゆる異論を感じました。それはまるであらゆる状況で彼が不協和音を弾いたようだった。まるで目の前にあるものに対立することでしか存在できないかのようだ。何にでも対立するんです。怖く、心を奪われ、離れたくなり、スリルです。多くのことです。

V:キリルとの仕事はどうでしたか?

W:僕の仕事人生における素晴らしい体験のひとつです。また会うのが待ち遠しいです。彼は激しくて、美しい熱狂的夢見人で、とても可笑しくてとても賢く優しい人。ほんとに素晴らしい芸術家ですよ。

V:ロシアでの撮影は如何でした?

W:多くの方のように僕は長い間ロシアに夢中でした。多くの方のように18歳の時に友達から「罪と罰を読んだ方が良い」と言われて以来ロシア文学が大好きです。というわけでいま現在のあの国を、現実に、体験することは自分の想像していた国よりも驚きです。

V:この役を演じるにあたり見た目の役作りの変化は?

W:リモノフの人生のそれぞれの段階で外見が変わるのは楽しかったです。本人が常に変化していたし、まるで7つの別の人生を送ったかの様でした。できる限り研究はしましたけど、彼を擬態しようとはしませんでした。メイクのマーシャと人工補充物デザイナーのアレクセイ、衣装デザイナーのターニャにはとてもお世話になりました。僕達は皆、彼に命を吹き込むために頑張りました。

V:エドワルド・リモノフは今日、どのようにタイムリーだと思いますか?

W:それを今話すのは不可能かと。まだ映画は半分しか撮影されてませんから。でも多分、この映画は現代史のかなり多くの部分を描くので、今現在の世界にどう到達したのかを理解する助けになるのかも・・・

 


「産婦人科医アダムの赤裸々日記」エピ1

2022-04-07 17:27:51 | ベン・ウィショー

昨夜ついに日本でもWOWOWで「THIS IS GOING TO HURT」が「産婦人科医アダムの赤裸々日記」の邦題で放送が始まりました。

せっかくの日本語版なのでウィショーさんのドラマを始めて吹替で観ました。

すっごい違和感が新鮮・・・ウィショーさんはパディントンのモフモフ声でさえ、かなり低めでディープでウェットな声質、と私の中ではカテゴライズされておりますが、日本語喋るとカサッとドライな声質で話し方は棒読み系に聞こえました。

オリジナルの声に似た吹替がベストではないのは承知ですが、このアダム・ケイはブラック・ジョークを連発する生意気なキャラクターだと思っていたけど、日本語版の印象は弱気なオタク気質で、ウィショーさんのナヨッチイ見た目と長時間労働でやつれた表情をヒントに役作りされたのかなあと勝手な想像しました。もうちょっと図々しい本音を声から感じたかった。とは言え、日本語版だと医療用語などもスンナリ耳から入ってきて本当にありがたいことです。

そして一夜明けた今日の22:00からも再放送が!

このエピ1は無料放送なのでBS見れる人は誰でも見れて、先日「ロンドン 追う者たち追われる者たち」のためにアンテナを買った甲斐がありました!

ところで、このドラマで「レジストラー」という医者のランク名が出てきます。原作本にわかりやすい医者のランク票が出ていたのでシェアします。

アダムは「後2年でコンサルタント」と言っていたので医学部卒業後6年ジュニアドクターをやっているということですね。最もこちらの組織は2006年当時のもので今は変更があるとのことです。

後、このドラマは音楽もとても良くて、ジャービス・コッカーの同名曲がテーマ。ジャービス大好き!