ベネディクト・カンバーバッチさんが絵本
「The Tiger Who Came to Tea/おちゃのじかんにきたとら」のアニメ作品に声の出演をするというニュースが!
チャンネル4というイギリスの民放が絵本をアニメ化し、今年のクリスマス番組として放送されます。
ベネディクトさんといえば、かれこれ7年前にも「スノウマンとスノウドッグ」の朗読をしてCDブックとして発売されており、チャンネル4TV放送のアニメも作られましたがそちらは無声作品でしたが、とても心に残る良いアニメに出会えて幸福です。
が、今度は声の出演者が複数発表されており、ふつうにキャラクターたちが喋るアニメです。ベネさんは主人公ソフィーのお父さん役で、物語の後半に出てきます。
私はこの絵本が大好きなので、そりゃあもう興奮してしまいました。やったー!やったー!
この絵本とは、ロンドン育児時代にチャリティーショップで絵本を見つけて買ったことが出会いでした。
まずイラストがかわいいので購入したら、その時一緒にいた義理の弟のガールフレンドが「ああ、それね」と知っていたので、英語圏では定番の絵本らしいと知ったのでした。
初版は1968年。
大好きな60年代イギリスのファッションと物たちが丁寧なイラストで表現されていて見るだけでもキュン。
トラはつり目に描かれていて、ベネさんに似ているみたい。
今回、日本語版のイラストを探していて日本でのレビューを初めて目にしたのですが、最も参考になったレビューが「心が広い人にはいいでしょうけど私にはちょっと・・・」というもので意外でした。
改めてストーリーを確認すると、
トラが突然家にやってきたので、ソフィーとお母さんはお茶をすすめた。
トラはペロリとお菓子を食べてもまだお腹が空いてたみたいで、家中の食べ物と飲み物を平らげて満足したようでどこかに帰って行った。
夜、お父さんが仕事から帰ってきても家には食べるものが何もない。
そこでお父さんは「いい考えがあるよ。レストランに食べに行こう。」
一家はレストランの帰り道に食べ物をどっさり買い、念のためにトラ用フードも買いました。
でもトラはそれきり現れることはありませんでした。
というのがあらすじ。
言われてみれば家中の食べ物飲み物をトラにとられたら、怒るのが普通なのかな?
日本で日本人とだけと暮らしてると理不尽な目にはあまり合わないから、そこに焦点が行くのかな。
私は夫の両親(主に母親)に、私にはビックリな「良い/悪い」の基準を改めて考えさせられるような謎の体験をいっぱいさせられているので、
トラが来て家中のものを食べて行った(悪い出来事かも/でも裏を返すと滅多にできないドキドキの体験じゃない?)から家には何もないことよりも、
お父さんが「外に食べに行こう」と発想の転換をして、結果家族みんながレストランで楽しい思いをした、
トラ用フードを買ったということは、一家みんなが密かにトラにまた会えたらいいなと期待しているのだな、と思って
トラが来ること(=災難)もとり方次第で楽しい体験でもあるんだ、というふうに絵本を読んだのでした。
年末アニメが楽しみ。
そして今年95歳で亡くなった著者のジュディス・カーのためにも、
テレビアニメで、また新しい世代の子供達にこの物語が受け継がれていくのだな、と嬉しく思います。