Sofia and Freya @goo

イギリス映画&ドラマ、英語と異文化(国際結婚の家族の話)、昔いたファッション業界のことなど雑多なほぼ日記

萩尾望都「一度きりの大泉の話」

2021-07-30 08:47:00 | いろいろ


少し前に話題になり気になっていた本を、コメントをよく書いてくださっているhedghogさんにお借りして読むことができました。

実は私は中高校時代にはマンガ家になりたいと思ってたほどマンガが好きだったので、あっという間に読んでしまいました。

テーマである人間関係の話はもちろん人の「才能」について、考えるところがありました。

初めて気づいたことは、私は高校の時にマンガを2本商業誌に掲載してもらいながら、その後編集さんにネームを出しても良い評価もなく大学受験もあり編集部に「進学するまで休みます」と言ったっきり消滅した体験がトラウマになっていた事です。

要するに自分に才能がなかった結果であるとはわかっていたのですが、萩尾望都の子供時代からのマンガを読んだ量と描いた量がハンパないほど大量だとこの本で知りました。

私は中学生の時にクラスの子に「なんでうまく描けるの?」とベタにきかれた時に考えて「小学校低学年の頃はみんなお絵描きってするじゃない?でも大抵の子はそのうちやらなくなったんだけど、私は描くのが好きでずっと描いてるから何回も描いてるうちに描けるようになった」と答えました。

萩尾望都が学生時代から絵や構想を書き留めたクロッキーブックを10~20冊親に隠れて常備していたということを知り、私が中学の時に考えた説は真実だった!と思いました。

才能とは、描き続ける愛や情熱(エネルギー?)を注いだり出す魂の力なんだな、と。そういうものが私にはないな、と納得したらトラウマを客観的に見られるようになり溶け始めました。



それと親の問題。実はマンガから遠ざかっていた私をまた萩尾望都に引きつけた要因の一つに「親との関係」があります。

萩尾望都が成功してからもまだ「マンガは恥ずかしいもの、いつ辞めるのか」と母親にいい続けられ、お父さんからも認めてもらった記憶はないのに、実は実家の玄関に娘の著作をずらりと飾りお客さんに自慢していた心理が不明すぎる、と書いていました。

私も実家でマンガを描いて「食べていける人なんて本当に才能のある人だけ」と否定されたことしかないのに、私のまんがスクール投稿作が入賞して掲載されたら私の知らないところでそれを親戚の人に見せたり話していたと知った時のショックたるや・・・あれが親への不信感の第1歩でした。

私はその親のネガティブ刷り込みのせいで漫画家になれなかったのだとも少し思っていましたけど、萩尾望都はもっとひどい仕打ちを受けても描き続けて巨匠になっているので、やっぱり100%私の才能がなかったせいだったか、とスッキリしたわけです。

ところで今や大英博物館でも講演をされ、マンガ大使のような活躍をされてる方が、実はコミュ障の部分もある(感情が爆発するのを防ぐため黙ってしまうので自己弁護ができない)と知り、それも親から否定され抑圧をかけられた結果じゃないかなあと思うのです。聞いてもらえないと話す訓練がされませんから。

でも萩尾望都はマンガという表現手段を自分の力で手に入れたので、書き手と読者にとってはありがたい体験のみですが、描いてる人も生身の人間ならば生身の関係もあり、同業者という他人は同じ思考回路ではないので、生身は傷つく・・・

本書が個人的なことながら執筆された理由が後ろの方に書いてあります。つまり、本人が触れたくないことや人との企画を出版社など第3者から盛んなアプローチがあり断り続けるのが難しいほどの状態になり断る理由を提示したのです。

きっと賛否両論あるのでしょうけれど、ちょっと違うけど、人気→プレスの餌→犠牲者になってしまったダイアナ元英国皇太子妃のようにならず、自分を的確に表現出来る手段を持つ人は強いなあと思いました。ネットで誰でも自己表現できる時代に書籍という形でこんな強力な表現ができるとは。

傷ついた自己を癒すノウハウ、セラピー、カウンセリングなどには「許すことで自分の苦しみを手放す」というセオリーが出てくるんですけど、「許さない選択」があるお墨付きをもらったようなセラピー効果が私にはありました。


fukidashi
まったくの余談ですが、本書に出てくる映画「寄宿舎」「if もしも...」が70年代の少女マンガ家に影響を与えていたのは、よく考えればわかるけどあまり考えてませんでした。私にとっては順序が逆で、マンガを読んだ後にそのあたりの映画に出会ったので、「ああ、これが本物だ、萩尾望都みたいだ」という感想を持ちましたけど、本当にあの映画が作家たちをインスパイアしていたとは思いつかなかった。

BOYS GET SAD TOO

2021-07-27 09:40:00 | コリン・モーガン
ファッションブランド「フィオルッチ」が「BOYS GET SAD TOO」というブランドをメルマガで教えてくれました。


「BOYS GET SAD TOO」とはメンタルヘルスで苦しむ人について語るきっかけをつくるためロゴを入れた服飾品などを製造、販売しているブランドです。ユニセックスで、シンプルで淡い色合いもあります。


この標語は、「BOYS DON'T CRY/男子は泣かない=男が泣くな」へのアンチテーゼに聞こえます。

「BOYS GET SAD TOO/男子も悲しくなる=男だって泣く」な感じ?


それで思い出すのは、2017年のコリン・モーガン主演キャンペーン映像「The Laughing king」です。この記事を書いた当時は賛同のため映像は販売されていましたが、今は無料で公開され公式の他にyoutubeやvimeoで配信されています。



こちらもBOYSが追い詰められて自殺する問題をシェアしサポートしたい趣旨は同じですね。キャンペーンならBOYS GET SAD TOOくらいベタな方がわかりやすいですけど、フィクション映像という手法には象徴的なタイトルがあってますけどそれにしてももうちょっと・・・ゴニョゴニョ

イギリスも男性が弱みを見せる/感情を表現するのは伝統的に許されない文化で、ウィリアム王子も母を失った時に感情を出せずに苦しんだことからこの問題に取り組みHEADS TOGETHERを発足しています。




ANGEL CHENのキモノ

2021-07-26 09:07:00 | ファッション
Netflixの「ネクスト・イン・ファッション」のホスト、アレクサ・チャンと同じ苗字の出場デザイナー、エンジェル・チャンがあの番組を見て以来気になってどんな服を売ってるのか調べました。

アディダスのような巨大ブランドとコラボしたり、2019年にはアジア限定でファストファッションブランド「H&M」とコラボをして活躍していました。

そのアジアに日本は残念ながら含まれてなく、中国や東南アジアで販売されたようです。



しかしこれは・・・盆栽とか鶴とか・・・とっても日本?!

同じアジア内ならば文化の盗用とは言わないのかな・・・と心の中でつぶやいてしまったほど。いやしかし日本でもチャイナ服風のデザインとか、東南アジアの民族衣装風のデザインは普通にさらっと売っているし、それと同じでは・・・と思い返すも、やはりグローバルブランドで、中国&アジアのアイデンティティをアピールしてグローバル活動する中国出身デザイナーがしれっと日本の民族衣装を出すというのは、中国でチャイナ服売っても売れないから?

けどだからダメ!!とは思ってなくて、それどころか、キモノワンピースのつもりがまんま「着物」を買ってしまいました。断捨離してるはずのメルカリで。日本未発売の強い味方。



もちろんこんなの日本では着れません。(喪服?黒って礼服?)・・・つまり海外で着ようという下心です。つまりまた晴れてイギリスに行けるようになったら持って行くつもりで。これなら本物じゃないので適当にコーディネイトしていいでしょ、という海外で着物は着てみたいけど自分では着れないので、もどきで代用しようって魂胆です。コミコンに着物で行った方に憧れていたんですよう〜



「ネクスト・イン・ファッション」からはダニエル・フレッチャーのフィオルッチも買ったし、あとはミンジュキム・・・






見れない「手をとりあって」

2021-07-25 08:46:00 | いろいろ
1年遅れで開催されているTOKYO2020オリンピックの開会式にクイーンの曲「手をとりあって」が使われていることを、作者のブライアン・メイ博士のインスタで教えてくれました。

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折しも先日、日本武道館前の夜道でこの曲を改めてイアフォンで聞いてて、その日本語の歌詞が「きれいな日本語をつけたなー70年代らしいなー」と感動していたので、自分の中で超タイムリー、ぜひ見たい!!!となったのですが、

インスタにそのシーンをUPした博士自身も「あらゆる方面でブロックされた」と書いてあるように、ネットで探してもまったく見れないのですね。

これが独占放送権というものか・・・独占禁止法に反するぞ!と怒です=3
博士はこの曲が式に使用されることを上のコメントでも光栄だとしNHKの取材に応じてまでいるけど、NHK公式ですら動画を公開してないのです。

そもそも開催自体の問題、反対の大きいイベントの、闇の中の光(競技者、アーティスト)にさえつきまとう利権がこういう形でも。

競技や式に自分を掛けて頑張っている方たちやその作品、世界をつなごうというメッセージを見れば見るほど、向上心とか連帯とかポジティブな感情を利用し盾に悪事を隠す主催者を感じるようになってしまった。



続iHerb ケーキ編

2021-07-24 10:55:00 | たべもの


先日バスグッズと一緒にiHerbから購入したのがこちらのケーキmix
小麦粉は不使用のグルテンフリーが、この粉に卵、油、水、バニラを追加するだけで焼けます。



ケーキ作りで汗をかくところはバターをこねるところかと私は思うんですが、このmixならばそれもなし、なおかつシリコンの型を使ったので、型にバターを塗ったり紙を敷くという作業もなく直接材料を流し入れ、



ストレスフリーに美味しいものができました!



小麦粉とバターなしのケーキは軽いので濃厚なさくらんぼのジャムをのせていただきました。



実はiHerbで今回ドライチェリー入りのチョコレートを買おうとしたところ、発送しないシーズンであると出てきてチョコ全般が買えなかった(確かにアメリカから日本の家に着くまでに熱で大変なことになってるでありましょう)のでこの粉物に行ってみたのですが、軽いのに満足感はある絶妙な領域に入る食品に出会えてhappyです^^