Sofia and Freya @goo

イギリス映画&ドラマ、英語と異文化(国際結婚の家族の話)、昔いたファッション業界のことなど雑多なほぼ日記

ツーリズム EXPO

2015-09-27 10:17:00 | 異文化
旅に関する博覧会「ツーリズムEXPO」(東京ビッグサイト)へ行って来ました。人ごみが苦手なので迷ったのですが、今年は熊のパディントンが旅行会社HISのブースに来ると知って決意しました(笑)



パディントンとツーショットも撮ってもらえました。嬉しい♡ただ、私はパディントンとハグしてるショットが欲しかったのですが、中の人が握手を求めても聞こえないようでしたし、用意されていた「#パディントン」の吹き出しを持ってしまい(パディントンに緊張して断る余裕がなかった)悔やんでおります。ああ、ハグして欲しかった・・・(涙)

「映画のパディントンの容姿」だった理由は、HIS企画のロンドンの旅。



映画パディントンとのコラボですnikukiuパンフにはロケ地の案内が。



さらに、今回行って良かった点は、各国観光庁ブースの展示で、本物の衣装や工芸品が見られたことです。雑貨や靴など販売しているものもありました。写真やレプリカではない民族衣装はなかなか見るチャンスがないです。現地へ飛べばもっともっと見られるのだろうなあ~と夢が広がります。



下はルーマニアの男性の衣装。身に付けて接客していた方もいました。イベントコンパニオンと言えば、日本に限らず女性がコスチュームをつけて撮影対象になりますが、なぜもっと美しい男性にもやらせないのだろう?女性がこんなに写真を撮る時代なのに。例えば、デンマークブースには人魚のコスチュームをつけたデンマーク人と思われる女性がニコニコと撮影スタンバイOKだったんですね、それならば王子の衣装をつけたハムレットがいてもいいではないですか。



本物のありがたみ。機長の帽子編。←私のブログ的にはココ重要
@アリタリア航空



そのアリタリア航空はイタリア観光庁の大きなブロックの一部なんですが、その中には地方都市の観光局ブースもあって、私が思わず惹かれたのはコルトーナの赤いリスでした。



↑リスの右上にちらりと顔をのぞかせている女性が、私がリスを愛でていたら接客テーブルを立ってリスと私の写真を撮りに出て来てくれました。フレンドリーで親切な典型的なイタリア人。



上はオーストラリアのブースで撮ったインスタグラムのフレーム写真。
この写真をNSNにUPしたら、ショートブレッドをいただきました。

パディントンとの写真でも、#パディントンと書かれた吹き出しや、マーマレードの写真の見にパネルが用意されていました。そのような撮影小道具が、主催者側から奨励されたのか、過去の事例から各ブースが学んだのか非情に増えていました。

そしてその写真をSNSにアップすることでキャンペーンに応募できるとか、その場でメルマガに登録したり端末からアンケートに応えてキャンペーンに応募できるとか、こちら側も何か出演ブースに貢献することによってプレゼントがもらえるかも、というような企画も増えていました。

もちろん、その場でキャンペーングッズのメモ帳、クリアファイルや国の特産品の食品なども配られていましたが、時間限定、人数限定、列に並ぶなど、大規模イベントで入場者も多いと特典に与るにも忍耐が必要だったりしました。

全員に配れないのは現実当然ですが、入場料金を払った人には、プレゼントを受け取れるクーポンをつけて、各自自分のお気に入りのプレゼントだけを数は少なくていいから受け取れるようにすれば嬉しいのになあ。スタンプラリーで人を動かす仕掛けもしてるけれど、多人数をまんべんなく会場回らせるよりも、今や旅行もニッチな企画ツアーがある時代ですから、個人の好みのブースをいかに見つけやすくしてもらえると有り難いと思います。公式EXPOサイトからコルトーナのブース見つけられなかったからイタリア観光庁のサイトを調べなくてはならなかったですもん。

一方、参加ブース側も出場料を支払っているはずです。旅行会社やWIFIなど全方位ターゲットなら全参加者がお客さんでしょうけれど、世界の国々の観光庁にしてみれば、興味を持ってくれるお客さんにアピールして心を掴みたいはずなので、今後は全部に興味のあるお客様はもちろんですが、より潜在力のあるお客に向かってメッセージを届けられるような、つまりピンポイントで集客できる博覧会になって欲しいのではないかなあ・・・と思うのです。




コツウォルズの馬

2015-09-25 14:21:00 | イギリス
この夏の旅で、イングランド西部のコツウォルズ地方へ行きました。数年ぶりのイギリスでしたので、ロンドン時代の友人を訪ねたのです。

このブログを読んでくださっている方は、イギリス国内地方への旅なんて私には容易いことだろうと思ってらっしゃる方が多いかもしれません。がしかし、ストラウドという名前も初めて聞く町への電車の旅はちょっとヒヤヒヤものでした。考えてみたら、今までの私の地方の旅は

①車に乗せてもらった
②目的地が行き先のコーチ=長距離バス(バース、ライ、ブリストルetc)
③電車の場合、有名な都市ばかり(ケンブリッジ、オックスフォード、エジンバラ、カーディフ、ブライトンetc)
④夫やその家族と一緒だった(ベルファースト、アイルランドの北の方)

加えて、ロンドンの始発駅パディントンでStroud/ストラウド行きの発車時刻を聞いたら、直行は1時間ほど後で、乗り換えありだとすぐ電車があったのでそれに乗ったのでした。

しかし、乗り換え駅を含む目的地までの路線図などを見ていなかったので、車掌に乗換駅までの時間を訪ね、スマホで停車駅を確認し、いざ乗換駅に着いた!スーツケースをゴロゴロしながらホームの階段をアップダウンして、駅員に言われた3番線を目指したのにサインの先には2番線が・・・ここで思い出した、時折プラットホームのその先(つまり平行ではなく延長上に)に別のプラットホームがあることがある、それだ、あった3番線、やや2両しかないぞ、どうりで直行便が少ないはずだ、とにかく間に合いそうだ~!とやっと目的地まで行く電車に乗ったのでした。やれやれあとは座っているだけ・・・とは思っても降り逃さないようアナウンスに耳を澄ませる緊張は続く・・・と思ったら車内にすべての駅名が書いてある路線図があったので助かりました。さっきの電車にはそれがなかったので自分の現在地シュミレーションができなかったからな。

駅に着いて私のために有給休暇をとってくれたやさしいRさんと再会でき、彼女の家にスーツケースを卸して、さっそくふたりでパブランチへ出かけました。

車、または馬じゃないと行かれない村のパブBlackhorse↓



お天気もよかったので建物を通り抜け広い裏庭・・・と言うか丘の一部が客席となったようなテーブルで、馬を含む景色を見ながらのランチです。幸せ。


このお馬さんはゴロンゴロンと背中でも痒かったのかな

パブを出て車に戻る途中、父娘の乗馬ペアが。かわゆくってお写真撮らせてとたのんだら、わざわざ止まってくれました。



牛さんも大勢いる中、おじゃましますよ~~はい失礼~~



お、今度はどうやらポニーが木陰に。牛には悪いがやはり馬の方が嬉しい。ごめんよ、ハンバーガーはおいしくいただいてるんだけど。



左のポニー↓は足首に長いたてがみのような毛が生えててかわいい。シルエットは昔女子高生に流行ったルーズソックスっぽいけど。



道路にこういう、細かい梯子状の部分が3mくらい埋め込まれているのは、ヒズメの動物はこの上を渡れないので牛馬が逃げない方策なんだそうです。↓



広い牧場で無心に草を食むポニー達、彼らも足首に長い毛が。右の白いのは、たてがみが長過ぎて三つ編みにしてもらっている。ところで彼らに警戒心はない。悪い人間に出会ったことがないという証拠か。



これ拡大してません。こんなに接近しても私は牧場の一部らしい。



↓ これ、パノラマ写真です。よろしければクリック拡大でご覧ください。



↑ 実はこの牧場の一画に、有名なGiffordsサーカスが来ていました。写真左の方にテントが写っています。ロンドンの友人も行きたがるようなこの辺を移動するヴィクトリアンレトロなサーカス団です。私も勧められたのだけど、2泊3日の旅だったのでパスしました。が、今サイトのショップを見たらレトロおしゃれなグッズを販売してるし、レストランのキャロットケーキも美味しそうでした。ああ、あの時パブランチで満腹でなかったら・・・!

この道沿いでも、今度は母子の乗馬に出会いました。ママ、ポニーにはオーバーサイズ・・・



私もお馬さんと記念撮影させてもらったら、テレパシーかカメラ目線もらえました。



別の村でも普通に馬が道路を走っていますコツウォルズ・・・・



牧場の中に村があったら馬は生活の一部にも見えなくもないけど、今や車の時代だし、牛や羊のような食用もないし、これだけ馬の数が多いのは皆さん乗馬を趣味で楽しんでいるのでしょうね。カメラを向けるとみんな誇らしげな笑顔で撮らせてくれました。



最後にコツウォルズの丘から夕日の沈むウェールズを臨んだ1枚を。黒い陸の地平線のまんなかあたりに、横に一筋光るものが見えますが、これはイングランドとウェールズを分つセバーン川で、その上の黒い陸はウェールズです。



蛇足  地図でカーディフ、ブリストル、チェルトナムの位置を確認すると、シャーロック03でなぜロケ地になったのかがわかりますね。けっこう近い。

ハムレット(2004/ Ben Whishaw)@V&A

2015-09-24 11:12:00 | ベン・ウィショー
ロンドンでは市販DVD化されていない過去の舞台作品を個人的に見ることができる、というのは、日本でまだNTライブが上映されていなかった時にダニー・ボイルの「フランケンシュタイン」をナショナル・シアター・アーカイヴにて見られると聞いた時に知りました。なんて素晴らしい制度なんだろう!ぜひ機会があれば利用したいものだ!と思ったものです。

時は過ぎ、「フランケンシュタイン」は日本でも大きいスクリーンで見られたので、この夏の英国への旅では、ベン・ウィショー主演の「ハムレット(2004)」をV&Aアーカイヴから閲覧させてもらいました。

驚いたことには、日本から閲覧希望のメールを出したら即答で「閲覧室予約には最短2営業日が、それ以外のご希望には最長で20営業日がかかることをご了承ください」との自動レスが来たのでまあ数日かかるかな、イギリスのことだし気長にやるかと思ったら、その数分後にもう私の予約が第一希望でとれた旨の返事が来たのでした!こんなスムーズな対応、日本でも珍しくありませんか?



ば~~ん!V&Aとは言えオリンピアにある分室なので普通の建物かと思っていたら、な、な、なんだかカッコいい威厳に満ちた私ごときが入館していいの?的なビルだったので思わず写真を撮りました。それもそのはず「Tinker Tailor Soldier Spy/裏切りのサーカス」のサーカスだったんです。道理で!改めてDVDでサーカスの屋上シーンも見直したら隣のオリンピア展示場の屋根も映っていました。70年代にはすでにありましたから、いいんですね。

写真の「V&A」の看板の左側にインターフォンがあり、名前と用事を告げると、ハキハキしつつもフレンドリーな男声で返答があり鍵を開けてもらい中に入りました。中ももちろん荘厳で受付までも廊下と階段が長い。受付スペースも天井は高く20畳はあるコーナーの奥の立派な机に先ほど声を出したと思われる紳士が座っていて「Hello シマシマ!」とキリッと声をかけてきました。さすがはサーカスの係員。こちらも思わず背筋を伸ばしてハキハキと話さなくては、とまるで軍隊かスパイの面接のような気持ちに。彼の仕事ぶりから察するに、私の閲覧リクエストに即答返信したのはこの男に違いない。と結構楽しんで予約者の名前がプリントされた入館証テープを手首につけてもらい、携帯スマホカメラ禁止、筆記用具も鉛筆以外禁止なのでバッグや上着をロッカーに入れ、ペンしかなかった私は鉛筆を貸してもらいました。

私は時間ぴったりに入室したためか、コンピューターが4、5台あるDVD視聴室の中で一番新しい、唯一のiMacで視聴させてもらいました。他のスクリーンは奥行きのある旧タイプ、新しい方が画質が優れていると単純な私は喜びました(真実のほどは不明)。



ハムレットと言えば、まず母と叔父の結婚で憂鬱をまき散らすシーンで登場です。
ウィショーハムレットは、首を傾けて足首の角度が不安定な、イスに座った不自然な姿勢が複雑な怒りをそれだけで語っていました。よく、叱られた子供がとるようなひねくれて反抗を全身で表すような感じです。口を開く前にその姿勢で数秒の間静止しているのでインパクト大でした。


The Telegraphより 映像はより正面からの角度だったので首や足の角度が違う見え方でした

また、シェイクスピア劇と言えば、当時の照明ではほとんど役者や舞台美術は今の舞台上のようには見えなかったため、その分を説明で補う台詞が長いと何かで読みました。独白はマンガで言ったら吹き出しに入らない部分の文章、つまり思ったり考えていること。ハムレットもやたらと独白が長い。

ウィショーハムレットは、当時23歳という若さのせいか、つい最近のパディントンにも負けない高めの声でした。感情的に演じると声がひっくり返ることも。上ずった声での長い独白は、私には他のハムレットよりも自然に聞こえました。

と言うのも芝居の独白とは言え、私は現代の目で見てしまうため、長く文句や恨みや非難を言い続ける大の大人の男の話を聞くのは辛いのです。それが、ティーンエイジャーのように若そうな男だとまだ許される・・・と思う私は「男は寡黙に実行せよ」というジェンダー偏見があるのか・・・けど正直な気持ちなんです、すみません。後に「紳士たるもの感情は出さない」お国になったイギリスの作品だと思うと例えデンマーク人という建前でも悪役でない男性が感情的に叫び続けるなんて。(心の叫びだとはわかっていても現実には人が叫んでいるわけですから)

ティーンエイジャーみたいな若いハムレットで、もうひとつ良かった点があります。それは、ハムレットがかなりマザコンなのではないか?と思えたこと、そうだと仮定すると、あの物語が私に説得力をもったのです。

父以外の男と再婚する母を許せないハムレット。母の寝室で、そのことを責め、「叔父と寝るな」とまで言い出す太々しさは、母親に甘えているからできることではないでしょうか。そしてこのシーン、母のベッドの上でふたりが熱く絡み合いながら涙ながらに話すのです。エロチックなのです。ここでハムレットの母への近親相姦的な執着を感じました。



続けて見ていると、母にだけでなくこの王子、ホレーシオやローゼンクランツとギルデンスターンにもすがるように接近します。母が父以外の男のものになり寂しくて仕方がないと友人達との抱擁でなんとか心の平静を保っているようでした。もっともこの見え方は、単純にウィショーさんが細身なので、友人達の腕の中にスッポリ入ってしまうのでそう見えるだけなのかも知れませんが、とにかく見る者の心を捕らえる絵になっていました。

一方、オフィーリアはギャルでした。登場シーンでは制服を崩して着る高校生で、家ではヘソ出しチビT着て1人ロックで踊るあたり、国王宰相の娘が品のない方に走っちゃった感じでした。パリへ留学する立派な兄に比べ、そして有名なミレーの清らかな乙女オフィーリアに比べると斬新です。

しかし年齢で考えると、むしろ設定が自然です。父や兄レアティースに「ハムレット王子には気をつけろ。身分の高いお方だから妃選びには国と国民の安寧がかかっている。恋の歌に負けて処女を捧げては傷つくのはおまえの名誉だ」と諭される娘なのだからやはり10代と考えて自然。しかも「この子は心配だ」と父兄に思わせる要素が本人にあるからこそ窘められるのですものね。それなら若くて母親にグズグズと甘えて拗ねる王子とも一見ピッタリではありませんか。逆に30歳すぎて母の恋愛に口をはさみ自分の恋人は10代って男はかなりの自己中でもって自信のない共感しにくいキャラであります。

でも彼女は熟女の母に比べたら全然セクシーじゃないんですね。若いのなら純真さとかで勝負すれば、年齢のいった女性にない魅力で対抗できるけど、はじけちゃってる蓮っ葉な娘じゃ母の官能には勝てません。たぶん母に執着してたハムレットはあまり世間の女性は見ていなくて、近くにいて年の近かったオフィーリアに恋をしていると思い込んでいたのではないでしょうか。だから自分に余裕がなくなったら簡単に「尼寺へ行け」と言えたのでは。しかも当時「尼寺」は「売春宿」の隠語だった(河合祥一郎)とのこと、舞台でそういうそぶりはありませんでしたけど、ハムレットとオフィーリアにはすでに肉体関係があってもおかしくない。

でも彼女の兄、レアティーズはなかなかの若者、それもそのはずローリー・キニアだったのです!これはよかった。だってハムレットとクライマックスで一騎打ちする重要な役ですもの。

私は今までホレーシオとレアティーズの役柄が地味で納得がいってなかったのです。ハムレットが信頼し続け、自分と宰相のふたつの家系が途絶えた顛末を後世に伝える重要な役割の親友がなぜ彼なのか。まだレアティーズの方はあまり存在感あっては本当の悪役=叔父がかすんでしまいバランスが悪いので、父親と妹の復讐のため王子に切り掛かることが正当と思える清々しい若者であれば説得力もあるがローリーさんはぴったりでした。気高い声の魅力が劇場ではまた映えます。



この作品でウィショーさんは史上最年少のハムレットとして高評価され、その後のキャリアに繋がったとのことです。私も一番衝撃を受けたのはその若いハムレットのストーリー説得力でしたが、それが英語ネイティブの人達には、弱々しい不良少年のようなハムレットが、美しい韻を踏んだシェイクスピアの台詞を朗々と唄い上げる絵巻物のように見えたのだろうなあと思うと、自分が詩心もなくシェイクスピアの英語にも不慣れで味わえないことが悔しいです。

でも欲を言うと、多くの俳優が30歳代で演じているハムレットなので、「若いのによく演じた」という絶賛はない現在のウィショーさんが演じたらどうなるのかも見たいです。




余談
このビルが「サーカス」だとは行った時には知らなかったとは言え、廊下を歩くだけでワクワクしました。トイレがまたよく英国の古いビルにはありがちですが6畳くらいの広さで、それはドアを開けると一室だけの誰でもトイレで、おそらく近年に小さめの部屋をひとつ改装したものだったんですね。しかし「トイレ」という文字と矢印の入ったサインがあって、それはその一室を差していなかったので、廊下の更に奥に別のトイレがあると察して、私はもっとそのビルの奥も歩きたくて進んで行ったのです。しかし廊下の途中には、これまた古いビルにはよくある防火扉のように廊下を中断するドアがあり施錠されていました。調度その時向こう側からスタッフが来て解錠してこちら側に現れたので、私がトイレに行きたいと話したら、ビジター用のは手前ので、奥のは順路も複雑だし入れないとのこと・・・ああ、入れたらサーカスの廊下を歩けたかもしれないのになあ、複雑な廊下の奥の奥まで行きたかった・・・でも不法侵入したらイギリス国家を敵に回すことになったかも知れないし、名残惜しく引き返しましたとも。




キングスマン 感想

2015-09-20 22:42:00 | その他の映画・ドラマ・舞台

キングスマンを見るとパグが好きになる・・・クッションまで作った

キングスマンのおもしろさはなんだろう?と改めて考えると、私にとってはメンズファッションの聖地=サヴィル・ロウとスパイがこんなにも直接くっついたこと以外に、「世界よ、これが映画だ!」と言いたくなるようなフィクションの面白さが気持ちよく描かれていることが第一かと思いました。それが冒頭の雪山の家に訪ねて来たスパイが、いきなりボンドのように見栄を切った瞬間にわかりました。

良識ある人が(いや、なくても)ビックリすることが起こりまくる痛快さ。戦闘アクションですから敵を殺して生き伸びなくてはならないのだけど、もう人が死ぬのはゲームと同じ感覚です。それはアクションやヒーロー映画ならこれに始まったことではないのですけど、特にキングスマンではファンタジーかコメディのレベルです。ゾンビのように人間がヤラレまくるのに、ゾンビのように生身っぽさはないです。それがこの映画の成功の秘訣でしょう。スパイや戦闘のリアリティは追求していないのです。見ている方も、こんな訳はないだろうと思いながらも、つい主人公側に感情移入して、そのウソっぽい戦闘を信じてしまいヒヤヒヤしながら息をのむのです。

それだけだと、いくらゲーム感覚でもやはり野蛮ですので、コリン・ファースやマーク・ストロングの洗練された伊達男ぶりにうっとりしながら、タロン君とパグのJBの可愛さに目を細めて、英国一のダンディー=ブライアン・フェリーや、英国一のクラシック=エルガーのカッコいい音楽で気分をあげ、飛び散ったであろう血肉のことは忘れることにするのです。

もちろんサヴィル・ロウが舞台になってるのもポイント高いです。だって、私も洋服好きのひとりとしてその名も場所も知ってて、そして場所はメジャーなリージェントストリートのすぐ裏、思い起こすと遥か昔バイトで通ってたボンドストリートからも近い。しかし、世界最高級のテイラー(注文服)には、どう見ても高級そうでない私は足を踏み入れることはありませんでした。ドアは物理的に誰でも開けられるけどそこには階級という見えないバリアがあるのが英国。唯一、b storeというブティックは靴が中心で男女の服も扱うので時々覗いてまして、そこは注文服店でもないのにそこへ行くだけでも「サヴィル・ロウ」に行った満足感があったものです。と庶民には縁のない憧れの地が映画の舞台ですからスクリーンに穴が開く程凝視もできて嬉しい。

それと、「マイ・フェア・レディみたいに?」と主人公が言ったように、だいたいが英国のおいしいところは中上流階級の持ち物なんだけれど、公団に住む労働者階級のヤンキー兄ちゃんが、先輩スパイに鍛えられて大人の階段昇る成功ストーリーも後味よかったです。紳士とかスパイとかの英国の専売特許を自慢しているのに、本来そういう役を担って来た、本来の憧れの英国らしいオックスブリッジ卒のイケメン達は情けなく描かれ、ポッシュな頭領アーサー(マイケル・ケイン)でさえもヤンキー兄ちゃんに「育ちが悪くてゴメンよ!」とやられちゃう・・・

監督さん、よっぽど上流階級に恨みでもある?と思ったんですけど、ちょっと調べてみたら、お母さんは女優でお父さんは英国貴族でした。お父さんに恨みがあるのかな?クラウディア・シファーのような絶世の美女と結婚しても癒えず、こんな映画を作っているとは、よほど深い恨みがあるのか・・・


あ、そうそう、アメリカ文化もコケにしていて、だけどコリンが悪者のヴァレンタインのディナーに呼ばれた時の、銀のフタつきトレイに乗って出て来たごちそうには受けました。すごく好きですあのシーン・・・!


パブ・シャーロック・ホームズの帰還

2015-09-19 21:29:00 | シャーロック

左のドリンクは強いめのアルコール「シャーロック」右はビールとジンジャーエールのカクテル「ジョン」


ミステリーやSF出版の老舗、早川書房にあるカフェ・クリスティが、9/30まで期間限定で「パブ・シャーロック・ホームズの帰還」を企画しているので行って来ました。「帰還」というのは、このホームズにちなんだ企画は今回で2度目なのでドイル小説のタイトルとかけているのですね。

パブですが、普段はカフェですので昼の部はティーとお菓子の注文ができます。夜の部は、上の写真の他に「モリアーティ」「アイリーン」「メアリー」「ハドソン夫人」などキャラの名前のついたアルコール、「エッグ・ベネディクト・カンバーバッチ」や「ドクター・ワトソン(丸いサラミ入りの揚げパン!)」などの特別フードメニューがあります。

私が行った日はちょっと特別な特典がありまして、早川書房から「ジョン、全裸連盟へ行く」を出版している作家でホームズ研究家の北原尚彦さんがいらして、私は著書を購入して北原さんのサインをいただきました。


ツイッターアイコンとそっくり同じお顔のイケメン先生でした


先生「どの話が好きですか?」私「これから読むんです」
先生「初めて読む楽しみがあるのですね」私「ハイ今夜から」



ありがとうございます!

限定企画として、ホームズクイズやロンドンのパディントン駅から出発してヴィクトリア駅まで向かうスタンプラリーの用紙がいただけました。さすがは出版社の企画は専門的で徹底していて好感度高いです。




ひとり1枚もらえるコースター

このパンケーキに映し出されたホームズのシルエットの型もオリジナルなんだそうです。実はこのメニューは昼の部のものなんですが、私達が追加で夜の部のオーダーをお願いした時に売り切れていた種類が多かったので、特別に作ってくださいました。カフェスタッフさん、ありがとうございました。


そしてホームズのトレードマーク、鹿討帽とインバネスコートが用意されていました。実は私その夜ツイードの帽子にジャケットというシャーロキアンな扮装をしていたのですが、やっぱりこれも着られるからにはありがたく拝借いたしました。そしてホームズ兄弟と一緒に記念撮影。



実はジョンとモリアーティーのパネルもありまして、上のシャーロックの肩あたりの後方の奥に写っているんです。(笑)

楽しい企画パブでした。カフェ・クリスティはこれまでに「名探偵ポアロ」の企画もやっていたことがあります。これからも期待できるかもしれませんね。昔、モースの小説を出していたのは早川書房なんですが、ルイスも人気あることですし、モースを復刻してモース・パブもやっていただけたらなあ!