Sofia and Freya @goo

イギリス映画&ドラマ、英語と異文化(国際結婚の家族の話)、昔いたファッション業界のことなど雑多なほぼ日記

メアリー・シェリーの創造物

2014-02-26 00:00:00 | その他の映画・ドラマ・舞台
「フランケンシュタイン」原作と劇のネタばれありますのでご注意。

原作小説とダニー・ボイル監督の劇「フランケンシュタイン」について、人間と神、科学と愛など哲学的なテーマの影で、原作者メアリーについて、執筆と彼女の妊娠、出産がほとんど同時だったことでちょっと妄想したことがありました。


やけにかっこいいと思ったら2012年のMary Shelleyという演劇のイメージ

ナショナル・シアターのパンフレットによると、メアリー・シェリーは18歳という若さで妊娠中にフランケンシュタインを執筆して出版社に入稿した5週間後に出産したとのことです。作品のテーマ「生命を造る」という発想は彼女自信の妊娠と無関係とは思えません。

メアリーの母親はフェミニスト、父親がアナーキスト哲学者という環境で、劇中でヴィクターのフィアンセであるエリザベスが言ったように当時女性は大学進学は禁止でしたが、メアリーは自宅で父親に教育を受け、夫や友人は詩人。つまり教養があり、女性の低い地位に疑問を持ち、インテリ男達(ただしアート系)に囲まれ、すごく進歩的で頭でっかちな知性では男と互角な女性だったはずです。が、哲学や文学を語り合っている男との子供を妊娠して、教養とは関係ない次元の自分の胎内に生き物が存在する体験をして、自分が動物であることも実感し、妊娠はしないで現実離れした夢を語る男達が現実の世界の主人公=神とすると、自分自身を神になろうとしてなれなかった「失楽園」の堕ちた天使のように感じたんじゃないか。あのクリーチャーはメアリー自身が「失楽園の天使」と示唆しているので、クリーチャーは実は彼女の分身でもあるんじゃないか。

研究に没頭し自分の世界に生きるヴィクターは詩人達にも重なりますが、実は、教養のある人間としてのメアリー自身がこちらにも投影されているようにも感じます。詩人の男を好きというあたりで、もう彼女が現実的な良妻賢母なんて夢見てなかったはず。雌のカンがするどいなら種の保存に適した実業家などの経済的に安全な男を選ぶと思う。彼女は内助の功より自分が世に認められたい人だったはず。

だからメアリーは頭はヴィクターで、心や身体はクリーチャー。

原作小説のラストは、死んだヴィクターを見届け自分の身体も滅ぼすことだけが幸せになれる道だと旅立って行くクリーチャーの後ろ姿で終わる。それはそれで美しいんですが、まさか彼女も発表200年後に、ヴィクターとクリーチャーがお互いに必須の存在となり半身ずつ一体化したかのように光の中に漕ぎ出して行く脚色が施されるとは期待していなかったでしょうね。(「失楽園」の堕ちた天使の長「ルシファー」は光をもたらす者という意味だそうで、劇のラストシーンはそれを意識しているかな。)


私も彼女の伝記を読んだわけではないので、経歴から妄想してこんなこと考えたのですが、両親がエキセントリックだっただけでなく、彼女の実の妹もバイロンの子供を産むなど、小説のようなティーネイジャー生活を送っていたのでメアリー・シェリーという演劇になったり、映画になったりしていたのですね。はて、どういう女性だったのか見てみないとな。「幻の城/バイロンとシェリー」はヒュー・グラント出てるけど見たような気もするけどまったく記憶にない。ケン・ラッセルの「ゴシック」も同じ。






Boston感想とトリビア

2014-02-25 00:00:00 | Cabin Pressure
Simon says/サイモン・セッズのルール 

多くの人がご存知だと思います、このゲーム。
ルールは簡単で、支持者が命令の前に「Simon says」をつけた時だけその命令に従い、逆に「Simon says」をつけてない命令文に従ったら負けなのです!マーティンは、ダグラスの巧みな誘導で後者にひっかかって負け続けていましたね。

2/26追記どこかで読んだのですが、「Simon」という名前は、日本で言ったら「太郎」みたいな男子の名の代名詞なんだそうです。じゃあ「花子」にあたる英語の名前はというと、「Molly」なんですって!ここで思い出したのは、そうです、シャーロックのモリーちゃんですよね!モファティスがドイル聖典にないのに唯一レギュラーで出してる女の子は、匿名の女子代表だったのか・・・・追記ここまで

Fisher Price

喫煙者リーマンさんがマーティンの目に煙を入れてしみさせた文句に出て来たこの固有名詞は、子供のオモチャの大手アメリカ企業です。日本にもあるのですね!私もロンドンで育児中によく見たのでイギリスの企業かと思ってましたが、そうか、リーマンさんはアメリカ人だった。

Fisher Priceのパイロット

Doctor=医者?

マーティンがload(積み荷) sheetで医者を見た、つまり乗客リストにDoctorという肩書きが付いている人を見たと言って、しきりに呼び出しましたが、オチはDoctorはDoctorでもアメリカ人だったので、土木業の博士号(Doctor)を持った専門家でした。博士号をイギリスではPhD又はDPhilと言うのでマーティンはとんだ間違いをしてしまったのですね。

Hippocratic Oath/ヒポクラテスの誓い 

マーティンがその「ドクター」を呼ぶのに言ったこの誓いとは、医者がギリシャの神に対して誓った宣誓文のことで、医療関係者が持つべき倫理や思想が書かれているそうです。患者を自分の能力により報酬なしに治療しろとか、患者に利する治療法を選択せよとか、まあ、そのへんのお医者さん全員に思い出して欲しいことみたいです。

ma'amのイギリスとアメリカの用法

さっきのDoctorでも出て来た米英の英語の違いがここにも。今度はマーティンは何も恥ずかしい間違いはおかしてませんが、ボストンに着いて、救急隊員がキャサリンにやたらとMa'amをつけるのが気になって調べました。そしたら、Madamの省略形のMa'amを、階級のないアメリカでは、お店やサービスの人が知らない人であるお客さんに呼びかける時に親しみをこめて使うそうです。イギリスでも使うのですが、女王様がMa'amだし、どちらかと言うと略してない原型Madamをきちんとした場所で知らない女性への丁寧な呼びかけとして使うので、この救急隊員の頻繁な呼びかけに戸惑ったのだと思います。税関で鼻毛切りを発見されたマーティンもやたらとSirと言われてましたね。この、カジュアルなんだけど、やたらと出て来るMa'amとSirの感じを出したくて、和訳には「お客さん」と入れてみました。


まだ通算2作目のこのエピ、マーティンとアーサーが、憎い乗客に心臓発作を起こさせて、その死まで笑いにするあたり、SitCom全開ですね!まあ、あそこまでマーティンのコンプレックスをつく悪態がつければ敵もお見事でした。


キャビン・プレッシャー最終録音

2014-02-24 08:36:00 | Cabin Pressure
キャビン・プレッシャー最後の45分スペシャル・エピソード録音が無事に行われたとニュースが伝わって来ましたね。

Mirror 写真が多め

Radio Times こちらは共演者の名前が出ているので、出演キャラを知りたくない人は読まない方がいいです。私は知って嬉しくなりましたけれども。

後者の記事ではまた放送はクリスマスだと伝えてますが、直接BBCから発表されたと私はまだ見ても聞いてもいません。もしどなたかそのソースをご存知でしたら教えてください。


追記
夕方、帰宅してPC開けたら有名なカップケーキ職人さんのキャラケーキがモデル=俳優さん達本人に渡される動画があって、ケーキもさることながら、声でしか知らなかった俳優さん達の最新のお姿が見られて感激したのではっておきます。ただし、これも最終エピに登場する人物がわかってしまいますので、それを知りたくない方はスルーしてね。















フランケンシュタイン感想2

2014-02-21 16:50:00 | ベネディクト・カンバーバッチ
2/22追記昨日、3月に再上映が決まりましたね!
3月28日(金)~30日(日)がジョニリーチャー、
4月4日(金)~6日(日)がベネリーチャー
です。
また週末の3日間限定なんですね。
しかし今週末の上映が先行上映とはこちらの記事を読むまで知りませんでした。なんだー、知っていたら、昨日無理に2往復しなかった・・・かも知れない。けど、ファンが見たいとチケット買ったからこその再上映ですよね!みなさん!やった~~!!
追記ここまでーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

フランケンシュタイン博士=ジョニー 被創造物=ベネディクト のバージョンです。
ネタばれなし


photo by Pete Jones

と言うのも、今これを自宅で書いてて、またUターンして映画館に2回目行くので、本当にただの印象しか書けないのです。

被創造物=クリーチャー=怪物=モンスターが愛おしい・・・・もう、真性コレクティブとでもなんとでも言われても仕方がない、ベネディクト演じるクリーチャーに感情移入してしまって、悲しくて仕方ありません!

ジョニーがクリーチャーをやった時は「演技が巧いな」と思ったのですけど、ベネディクトがやる時はその理性を越えて「なんて悲しそうな瞳をしているの・・・?!うるうる・・・」状態になってしまって恥ずかしいんですけれども、思い返せば、私が好きなベネディクトの作品は、どれもこれもコンプレックスや悲しみをかかえた役に感情移入してしまうというパターン。その役が天才だったり地主の息子だったり優性人類だったりすると可哀想さかげんも緩和されるのですけど、この、クリーチャーに至っては、コンプレックスと悲しみ以外になにもない!

知性あふれる演劇ファンやコレクティブは、どっちのバージョンもおもしろい!好き!と語っていらっしゃるのでしょうが、だめだ・・・、先週末のベネディクト博士は、私には威厳が感じられずTo the Ends of the Earthの世間知らず坊ちゃんに見えたし、ジョニー博士は迫力あって男の身勝手さや偏見まで感じ取れた。やっぱり個人的にピタリとくるのは今週末のバージョンです。好みの問題とも言うでしょうけど、私にはリアリティがあるのがこっちです。

それでも!先週見た時は、作品としてすごく楽しめたんですね。だから、あれがあっての、比べられるからこれなんでしょう。(そしてコレクティブ・フィルターを自覚した)

あと、ちょっとおもしろいのは、実際には身長はジョニーよりもベネディクトの方が高いんですけど、ジョニーの方が大男に見えるのはなぜ?それに、メイクだって差はそれほどないでしょうに、ジョニーよりもベネディクトのクリーチャーの方がツギハギが大きくて醜く見えるのはなぜ?頭の変な髪の毛のせい?私がエレメンタリーを見てないからジョニーさんのカッコいい姿をよく知らないのでクリーチャーメイクに違和感を感じないの?・・・それともやっぱりコレクティブだから、メイクとわかってても痛々しくて切なくなるのかしら・・・・



リッチ・ティーとマリー

2014-02-17 23:39:00 | たべもの
実はここ2、3日ビスケットのことを考えています。バレンタイン・デーがあったので食べてるのはチョコレートだけれど。きっかけはいつもコメントをくださるhedgehogさんのつぶやき「リッチ・ティー・ビスケット」という単語を読んだこと。

リッチ・ティー・ビスケットとは、イギリスの定番お菓子のひとつですが、ミンスパイとかショートブレッドとかのように話題にならないし、世界中のものが何でも買える日本でなかなか買えないもののひとつなのです。

そんなレアなビスケットはどんなもの?!リッチってついてるんだからショートブレッドよりもすごそう!との期待に反して、日本にてほとんど知られていないのは、その地味さと値段の安さに一因があると思われます。



しかし、理由がそれだけじゃないのが、この本を参照してわかりました。



この私のお菓子のバイブル(何度もブログに書いてますね)のビスケットのページに1番に登場するくらい、定番中の定番なのですが、ページをめくって2番目に出て来るビスケットが「マリー」なんです。そう!日本では「森永マリー」です。だから私はマリー・ビスケットは日本オリジナルのお菓子で名前も森永さんがつけたとずっと思っていました。しかし、この本によれば、「イギリスにはリッチ・ティーがある。残りの世界にはマリーが。」日本がオリジナルではなかった・・・・他の国にはマリーがあるので、わざわざ似たような一箱100円くらいで買えるイギリスのビスケットなんて輸入しないんじゃないでしょうか。

その違いはというと、「マリーとはリッチ・ティーをふわふわにしてヴァニラ風味を加えたもの」と書いてあります。つまり、マリーを基準にすれば、リッチ・ティーはもっと固くて匂いもあまりない物ということですね。なぜか?ひとつには、リッチ・ティーはティーに浸して食べることが多いので、ふわふわだと食べにくいんじゃないでしょうか?

・・・・いや、そんなことはどうでもいいので、ここ数日頭から離れないリッチ・ティー・ビスケット、もしや通販はあるかな?と調べてみたけど、すぐ買えそうなのはebayの一箱1.99ポンドのでそれだけでも「高い!」と思ったんですが、送料が7.99ポンドと知りやめました・・・