確かにストーリーは欲望のめざめでもあるのですが、タイトルに持ってくるのが果たしてソフィア・コッポラ的なのか疑問が消えません。
ちなみに英単語「begile」の意味は「騙す、楽しませる、紛らす、魅了する」など。惑わされて、でもいい気分になるような、いい意味と悪い意味を併せ持つ感じですね。
ストーリーは、
南北戦争中、寄宿舎の女子校に取り残された先生と生徒の中に、敵軍の兵士が怪我して担ぎ込まれ、キリスト教の信仰厚く規律正しく協力して暮らす女子集団に男をめぐるひと騒ぎが繰り広げられるというもの。
ソフィア・コッポラはもともとそのガーリーな世界が私の大のお気に入りですが、彼女が昔のオーストラリア映画「ピクニック・アット・ハンギンロック」という私のもう一つのお気に入りにインスパイアされたと語っているのですから、私には好きの二乗です。自然の中の白っぽいドレスの世界です。
時代と舞台は違えど、女の集団というのはこの映画を見ていて例えば私が体験した日本での職場にもとても共通する空気がありました。
女子は規律が好き。言葉遣いもちゃんとして、「正しいこと」ならみんなの同意で推進される。けど時々、男という異質な存在が現れるとその規律にほころびができて、目撃した者はショックを受けるけれどそれを直には言わない。みんなで正しい軌道修正しようとしても思わぬ方向に進んでしまって、暴走者は止められないし、彼女を正面切って批難もしない。
よく言われる、「女同志の戦いは恐ろしい」などという単純なものではなく、物事を荒げないで解決策を練る女性の社会秩序とでも言いますのか。。。
途中、目を半分手で覆う恐ろしいシーンも出てくるのですが、それを美しく敢行した学長役のニコール・キッドマンはあっぱれでした。
私は若い頃の彼女には興味がなかったのですが、年齢を重ねてからの美しい、しかし重ねただけの奥の深い役割を演じる演技には最近目を惹かれます。
キルスティン・ダンストも可愛らしいマリー・アントワネットから気がついたら30代後半とは微妙な年齢で、純な女性を演じていてよかったし、
エル・ファニングはいつも天使のような美少女とか宇宙人とか心は少年とかのピュアな役柄だったのに、早熟な少女を演じるとは、やられたっ!こんな綺麗な子供に出し抜かれたら勝てっこない!という説得力がアリアリでした。
コリン・ファレルは女性の園に紛れ込むには男子の臭いプンプンしてる感じでこのストーリーにはあっていたと思います。個人的には特に好みというわけではないので、これが自分の推し俳優さんだったら、鑑賞する女性も女の園の一員になった気分を味わえるのでしょうね!でも私あまりオスの臭いプンプン的な人で推しがいないかも・・・クリス・プラットならできるかな?!あ、エイダン・ターナーがいた!彼なら見る人全員女学園の一員に!
スタチャンがソフィア・コッポラ特集をしているため映画館でもらえたトートバッグ入りのパンフレット。印刷もソフトフォーカスでステキです。
真ん中の白い小さいのは有料パンフレットです。