ダイニング・ウィズ・ワイン そむりえ亭

料理にワインを
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 樋口誠

ワインセラーの役割

2010年01月29日 04時42分07秒 | ワインの事

ワインセラーと一言で言っても、本場の生産者の様に地下深くのカーヴもあれば、部屋を改造しクーラーで冷やすものもあり、機械式の冷蔵庫様のものもあります。

地下セラーは長期保存に向いています。年中温度も湿度もあまり変化が無いのです。通常10度から12度でほぼ均一です。しかし、そのままの温度では赤ワインには低すぎます。

部屋を改造した場合は地下セラーに近い使い方が出来ますし、少し高めの温度に設定すれば赤ワインもすぐに使えます。ドアを開け閉めしても大きな影響は無いでしょう。しかし、部屋ごと同じタイプのワインで埋め尽くさなくてはいけません。

では冷蔵庫型のものはどうでしょう?ドアの開け閉めも含めて温度の上下はありますね。長期保存は考えないほうがいいかも知れません。と、いっても私は自宅ではセラーなしで高級なワインを何年も置いていて悪くなったことがありません。発砲スチロールの箱に入れ、日の当たらない部屋の隅に横にして置いていただけなのですが・・・・・ いいワインは結構丈夫なものです。、ま、日常用は「日常用」ですから寝かす必要もないですね。どんどん飲んじゃってください。

しかし、一つ重要な要素があります。つまり飲頃温度に近づけるのに、セラーのない場合どうやっていいのか難しいという点です。夏は35度から丁度よい温度に白ワインをコントロールするのは時間がかかりますよね。また、赤ワインを真冬の零度近くから18度にするのに困りますよね。

セラーはこんな時に役に立ちます。赤を沢山お持ちの家庭なら15度位にしているとブルゴーニュは出してすぐに楽しめ、ボルドーはデキャンタすると飲み頃の18度に直ぐ近づきます。

白中心なら11度前後にしていると良いブルゴーニュの白ならそのまま、しっかり冷やす白でもほんの少し冷蔵庫、或いは氷につけておけば大丈夫。

つまりセラーは保存目的ではなくデイセラーとして適温に近づける目安を決めやすい器なのです。小さいセラーを2台持ち、白、赤で使い分けるのもいいでしょう。最近は安くなっていますので、そんな大きな負担でもないのでは、と思います。

どんなに良いワインを買っても、温度が間違っていれば、本来の旨みや香りが楽しめません。栓を開ける前に失敗するのは悔しいですね。

ちなみに一番良いのは、ほんの1度2度低目から飲んでいる間に適温を通過するくらいの設定がいいと思います。

そむりえ亭のやり方を御覧いただいてもいいと思います。お試しくださいませ!!