ダイニング・ウィズ・ワイン そむりえ亭

料理にワインを
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 樋口誠

私のワインへのアプローチ

2012年07月20日 04時06分54秒 | ワインの事

以前、子供の頃からの私のワイン歴を2度に分けて書いたことがあります。

小学生の頃のサッカースクール帰りにカルピスに入れた赤玉ポートワインから、ホテル学校時代、最初に勤めたホテル時代、前職のホテルでの関わり・・・・・

今日はその続きです。

さて何故、今私がソムリエでいるか?を決定づけたのは前職ホテル日航大阪のフレンチでソムリエをする前のコーヒーショップで、です。

当時のマネージャーのⅠさんは「そろそろワインの時代だからグラスワインを沢山やらないか?」と言われました。私はそのサポート役でしたから「はい!!やりましょう!!」と二つ返事で引き受けたのです。

その理由の一つはお客様を見ての事、とは裏腹にお客様の前でボトルを開けるのが緊張した、つまりお客様の前で開けるより先に開いているボトルを注ぐだけのグラスワインの方が楽だ、と言うような部分があったのではないか、と今では感じています。

いずれにせよ、コーヒーショップであるのに、毎週違うワインに触れる訳ですから、多少なりともワインを覚えますね。

当時はPCなんてものは無い時代ですから、手書きのレジュメをバックスペースに貼って従業員様にワイン解説や料理との相性を拙いながら用意した記憶もあります。

でも「ソムリエになりたい」なんて気持ちはこれっぽっちもありません。

ただ新しくできるホテルにフレンチのソムリエが出て行くことになった時に、その補充要員として「誰かワインの勉強をしている奴はいないか?」となり、「多少」勉強していた私に白羽の矢が向いたのですね。

サラリーマンですから「やれ、と言われればやるしかない」時代。

当時の他のソムリエはずいぶん年下でしたから、負けないように勉強を始めて、それも「ホテルのフレンチなのに、グラスワイン」を貫きました。

この時は「日本で殆ど飲まれていない飲み物=ワイン」を如何に身近にするか?がテーマですから、グラスワインと言うのは譲れない一線だったのです。

お蔭でボトル中心にワインを販売しているホテル、レストランの方より自分の方が「丁度良い価格のワインのテースティングは沢山出来る」という自信がついてきます。

また、マリアージュのアジャスト経験も増えますね。(稚拙でしたが・・・・)

28歳からソムリエを始めた私は遅咲きです。

しかし、グラスでお飲み頂くことで消費量は飛躍的に伸びました。お陰様で抜栓も早くなり、「次のテーブルへのウォッチング意識も高まります。

なあんて、ちょっと良く書きすぎましたね。

でも、時代は「ワインなんて」と言う時代だったのです。

そんな時代に勉強を始められたことは幸せでした。

その後の消費が伸びたのも「時代」です。

が、「ワインが当たり前」なら、あんなに闘志は湧かなかったのではないかな、と思います。

そういいながら98年を頂点に日本人の年間ワイン消費量は2リットルを僅かに超える所から脱却できていませんでした。

ところが、ここ2,3年で風向きが上向いているようです。

「不景気」がある意味でのワイン消費を増やしているのではないか、とすら思います。

店売りで2,3000円の安いワインバー、ビストロが流行はじめていますし、家飲みも増えています。

消費が増えればピラミッドは大きくなりますから、私は中級クラスをお買得に、しかも料理と共に美味しく召し上がって頂く、というスタンスを崩さずに行きたい、と思っています。

で、頑張る若い人を応援する役割も引き受けたいですね。