ダイニング・ウィズ・ワイン そむりえ亭

料理にワインを
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 樋口誠

齟齬(そご)

2019年06月25日 02時26分52秒 | ちょっと休憩
私達の生活の中で色々な食い違いというものが生じます。

私は飲食業ですので「オーダー」や「予約」で起こりがちです。

言葉の「齟齬」(そご)というやつです。

例えば・・・

「貝(かい)の料理ある?」と聞かれて「はいあります。鯛(たい)の蒸し煮で如何でしょうか?」「じゃあ、それで」

しかし出てきた料理を見て「え、頼んだもんと違うで」


「来週の〇曜日に客人が大阪にくるので、ここに来ようと思っている」

「来週の〇曜日ですね?時間は何時くらいですか?」

「来るとしたら20時くらいかなあ」

「あれ、あのお客さん来ないなあ・・・」


よくあること、とは言いませんが「あり得る話」


それを防止するために「復唱」という方法があるのですが、実はそういう時は復唱をしていても効き目がないことも多いものです。

簡単に言えば「タモリ倶楽部の空耳アワー」に耳がなっていて「もう、それにしか聞こえない」状態なのですね。

そむりえ亭は殆どのお客様がお馴染みですから「うわ、ごめんなさい」とお客様が謝ったり、店側も「あのお客様がそんな間違いをするはずはないから、きっとコッチの聞き間違えや」と流してしまうことも多かったりします。

皆さんにもそういう事はあるはずでして・・・

そんな時に「相手のせい」なのか「こちらのミス」なのかをどう捉えるか?というのが、その後を分けるのだろうと思います。

最近の報道で使われる「録音」でもない限り、私は自分のミスと認定します。

何しろ「阿保」ですから、自分の言ったことに自信が持てなくなるのです。

しかし私の様に「阿保」でなくても、そうすることが出来れば無駄な摩擦は無くなります。

勿論、違うものは違う、と闘う必要があれば闘わなければならないのでしょう。

また自身ではなく従業員や部下のケースの場合、気をつけないといけない信頼を失うケースもあるかもしれません。


あ、こういう事が頻繁に起こるようなら、それは別に何か大きな問題があるのですから、それを「店として」原因を解決しなければいけないのは当然のこと。

で、努力して改善して、それでも出てくる「ミス」や「齟齬」はあるものなんです。


ちなみに母の介護時代後半は会話自体が「ほぼ成立しない」状態ですので、ある意味「齟齬」だらけでした。

「え、そういう意味とちゃうかったんか・・・」

「うわ~、もっと深く聞けばよかった~~」



相手がお客様や第三者でない場合=親しい知人=私の母の例を挙げるまでもなく「もう少し丁寧に話してみよう」ということも大事。

難しいことですが、その使い分けが大事だなと改めて思います。


              樋口誠