つれづれおもふ

思えば遠くに来たもんだ~ぼつぼつ語る日々の出来事

“挑戦”から学び、そしてまた次へ

2011年06月26日 | 子育て

教育実習を終えた長男が電話をよこした。今回の実習は“お試し”で、8月に今度はじっくりと3週間行くようだ。

教育実習を終えると二つのタイプに分かれると、以前、子どもの担任の先生から聞いたことがある。1つはより一層「先生になりたい!」という気持ちが大きくなっていく人。もう1つは「先生、やーめた」と進路変更する人だそうだ。わが子はどちらだったのか……まだまだ序の口だがきいてみた。

「やーめた!とは思わなかったけれど、僕が小学校の教員になるとしたら、いろいろやって20年くらい先だったらありかな……くらい」

それでも、付属小学校という恵まれた条件での教育実習はかなり息子にとってカルチャーショックだったようだ。いわく、

「だってね、先生が話をそんなにしないのに、子どもがどんどん進めていくんだよ?不思議だよ」「先生がね、はいってきて“昨日はどこまでやったけ?”て聞くと、そこから生徒が授業を進め出すんだよ。それで、最後に先生が“今日は何のこと勉強した?”って聞くとそれで終わり。すごいよ」「○○(出身小学校)じゃ、考えられない」「それはこのクラスだからなのか、入学してしつけたのか……担当教官に聞いたんだよね。とっても不思議でさ」「いろいろ理由はあるだろうけれど、一番大きいのは家庭だってさ!」

これにはぐっと来てしまった。ついつい、ここ数日頭を悩ませている末っ子の状況を話した。どうも“向上心”というか“なりふり構わずがんばる”というような気持ちや心構えを末っ子から感じられないのだ。クラスメイトに遠慮しているというか、測っているような、これぐらいの程度でいいか・・・みたいな空気を、反対に彼から感じるのだ。要するに“井の中の蛙”なのだが、その“井戸”も“水たまり”程度のもので、その中で力を加減している末っ子に“大海”を教えるにはどうしたらよいか。あちこちから届く「夏期講習」の案内を真剣に検討しているというようなことを話した。

「それなんだよ! 付属小の子どもたちは学ぶことに躊躇がないんだよね恥ずかしがらない。それは本当に感じる」「平気なんだよね。結構立ち歩きもあるんだけれど、見ていると辞書をとりに席を立ったり、絵を描いて説明しようと紙をとりにいったり、理由があってそうやってきちんと考えている」「頭はいいけれど、勉強ができるかというとそうでもない。でも、いつでも考えて発言してる」

うらやましい……同じ年ごろの子どもの親としての本音。確かに試験を受けて選抜された子どもたちと、地域で区切られて集められた子どもたちを比較してはいけないというのは分かっているが、学ぶ環境ということを考えたときに他のことに労力を使う必要のある後者で、なかなかのびやかな強い心が育ってこないわが子は本当に歯がゆい。
いやいや、分かっています! 延びる力のある子どもは「どんな環境にいてもきちんと延びる」ということも身にしみて分かっている。それぞれの器があるのも頭ではしっかり理解しています。でもでもでも、やっぱりわが子には曲がらずのびやかに笑って光っていてほしいと望んでしまう。

はてさて長男の話し……長男は理科専攻だが、同じクラスについた他の実習生は国語専攻と体育専攻だったようだ。同じテーマの指導案でも彼らの発想は、長男にしてみると目から鱗のものだったようだ。学びの中で“驚き”は一番必要なことだと思う。長男はこの1週間でたくさん驚いたようだ。教員になってもならなくても、彼の人生の大事な大事な経験……みなさん、本当にどうもありがとうございます。心からお礼を申し上げます。そしてこれからも何卒よろしくお願いいたします。

 

コメント (4)
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