「いじめ」はいじめられた方がいじめられたと感じたら、それでいじめがあったと考える、
と説明を受けている。
弱者を守るためには、正しい考え方だし、
それでいいと思うが、
そんなに割り切れるものではないというのが、この頃の私の感想だ。
A君がいる。A君はあたまがよい。
ただ、時代劇風にいう「蒲柳の質」というタイプで、弱い。
乱暴をするわけではないし、ひどい意地悪をするわけでもない。
だけど、A君、仲間に対して手厳しいし、結構辛辣なことを言う。
頭がいいから、知恵が回り、言い返す前に倍も言われるようだ。
トラブルからの逃げ足も速いようで、気がつくと置いてきぼりにされ、
身代りで別な子が怒られるような事も間々あったようだ。
子ども同士のやりとりではかなわないのが多いようで、
そうなると、やられたくないからA君と距離を取るようになる。
それは精神的にも、物理的にもだ。
そう・・・・「仲間外れにされた」と言われても仕方がない様子になる。
いじめているんじゃないかと言われた側には、そういう事情があるのだが、
「うちの子はいじめられるタイプだから、仕方がないけど・・・」とお母さんに言われると、窮してしまう。
状況としてはその通りだからだ。
子どもには「仲間外れにするんじゃないよ」と常に釘を刺してきたのだが・・・。
だが、私もわが子はかわいいから、気持ちは複雑だ。
彼の言葉に傷ついてへしゃげているのを何度も見ているからだ。
まあまあ、今は、どの子も、どの親も受験前でピリピリしているからだろうが、
あんまり問題が大きくならないといいと願っている。
ストレスたまっているんだろうけど、気がついてほしいな。
まわりを傷つけたって、自分の不安は消えないっていう事に。
どの子もみんないい受験をしてほしい。
笑って15の春を乗り越えてほしい。