つれづれおもふ

思えば遠くに来たもんだ~ぼつぼつ語る日々の出来事

誕生日

2010年12月26日 | 日記
昨日は、キリストさんの誕生日。
高校生の娘に言わせれば「相葉君の誕生日だよ」
母親が留守にしている家で、弁当を作ったり弟の面倒をみたり奮闘してくれているであろう
彼女から写メールが送られてきた。彼女が作った、クッキーとホットケーキを巧みに組み合わせ、生クリームとチョコレート、苺で飾り付けられたクリスマスケーキだった。クッキーには「メリークリスマス」と書かれているが、じつは裏を返せば「相葉君お誕生日おめでとう」書かれていた。相葉君は幸せものだ。きっと全国にこういう思いを胸に秘めた少女たちがいるに違いない。
でも、今の私は「相葉君ありがとう」だ。あなたのおかげで、この娘は今の状況を苦にしないでいるところがある。

じつは、とうに過ぎてしまったが、12月14日はパートナーの誕生日だった。
赤穂浪士の討ち入りの日。
前日に戻るはずだったが、戻れなくなり、あけがた一番におめでとうメールを絵文字いっぱいいりで送った。キリストさんや相葉君のようにはいかないから、悪いことをしたと思っている。

来年、いつもどおりに誕生日を祝える。それが今の一番の願い…かな。
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病床  4

2010年12月17日 | 日記
10日ほどの予定で手伝いにきた。今月半ばには札幌に戻れるつもりでいた。
年の瀬を迎える札幌の家はどうなっているのだろうか…。
そんな不満が渦巻いたのだろう。
病人の悪口を書き連ねてしまっている。
きょうだいにとりついた『病魔』が私にもとりついてしまったようだ。
少しでいいから家に戻りたい。

昨日、病院で話をした。帰ってパートナーにも1時間ほど愚痴をこぼした。
彼も大変だろうに「こっちは大丈夫だから」「段取りがつくなら戻ってくればいいでしょう」

病人は、これまでどれだけ世話になった人かわからないのに…。
疲れた…しんどい…休みたい…逃げ出そうとしている自分がいる。

長い戦いが始まっているというのに、私はそれに向かい合う心構えもなくここに来てしまった。
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病床  3

2010年12月16日 | 日記
隣を羨むわが病人に比べ、
隣の病み人は、心穏やかに時を刻んでいる。
それは2年ほど前に大病をした私の経験からも言えること。
わが身もさぞかし大変だろうに「がんばれるわよ」と声をかけてくれる。
同じことが、心をせまくしてしまっているわがきょうだいの周りにも起こっている。
どれだけ大変を抱えているのか、それでもともに頑張ろうと声をかけてくれる。

元気であれば見えないことが、ここにはいっぱいあるようだ。
少し気持ちが折れてきている私にも、心やさしい隣人が笑顔を向けてくれる。

病気とは、なんだろう…。
見えないものが見えることなのかもしれない。
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病床  2

2010年12月15日 | 日記
目が覚めたときに、家族がそばにいなかった。
こういうときは心配そうに顔をのぞくものではないか…。
せめて妹くらいはいてくれてもおかしくはないだろう…。
「妹に来るように電話を入れてください」

手術を受けたのは3日前。
呼吸器をつけたまま出てきたため、その間集中治療室に入った。
見た目は朦朧としていたが「とろとろしているの?」と尋ねると目を怒らせて首を振っていた。
管やコードを引き抜かないように袋に入れられた手で、
忙しく働く看護師さんに「いじわる」と書いて見せた。
行けばそばにいてほしがったので、毎日、その日あった出来事を話し続けた。
そんなこんなの上での、電話の要請だった。
たまたま早目に病院に来た私は、機嫌の悪い顔にわけがわからなかった。
その上、隣のベッドの人は体を拭いてもらえているのに、ずっと自分はやってもらえないという。
ところが、私の知る限り、毎日丁寧に体を拭いてもらい浴衣を着替えさせてもらっている。

ベッドの上にいるだけで、根性がひねくれるようだ。
王侯貴族のように扱われ、それでもなお、足りないとベッドの主がいう。
心やさしく、穏やかに、感謝の気持ちで過ごす。カーテンで仕切られたかの地では難しいことなのだろうか。

それでも、ひねくれた顔に「生きてる」とうれしくなる。
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病床

2010年12月14日 | 日記
きょうだいが病んでしまった。
子どものような若い、髪をきりと結いあげた看護師が病んだきょうだいの体を丁寧に
優しく洗ってくれる。
カーテン越しに聞こえる、優しい声を聞きながら、
雨が止んだ外を窓越しに眺める。
青いスクール帽をかぶった小学生が走っていく…。
スカート丈を短くした高校生が、マフラーに顎をうずめながら駅の方角に行く。
空気はまだ湿気を含んでいる。傘はもう必要ない。
札幌と違い、人と車と道を共有している。
人が歩くのと同じように車が行く。

「お待たせしました」きょうだいにと同じように、若い看護師は私にも明るい笑顔を向けてくれる。

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