HAKATA PARIS NEWYORK

いまのファッションを斬りまくる辛口コラム

スタイリストと水引。

2009-07-02 18:29:55 | Weblog
 先日、近所の若者が結婚するというので、お祝いしようということになった。
贈り物は何か適当に選べば良いのだが、やはりメッセージはカッコ良く決めたい。
そこでオリジナルのカードを作って、贈り物に添えることにした。
文面のコピーは本人に合わせて書くとして、
デザインは「寿」をイメージする「水引」をモチーフにしようと考えた。
 東京時代なら情報が豊富だったので、知り合いのカメラマンやスタイリストと
簡単な打ち合わせして、素材を見つければ良かった。でも、こっちはカメラマンは
撮影するだけだし、スタイリストは服を借りるのが仕事だと勘違いしている。
 だから、全く当てにならず、思い通りの作品にするには、すべて自分で素材から
探さなければならない。で、はたと思った。水引そのものがどこに売っているのか。
文具店か、紙屋か、ご婚礼用品店か、それとも結納用品を売るお茶屋さんか。
インターネットで調べるとこれが意外や意外。水引はディスプレイツールの
カテゴリーに入るようで、「店研創意」という専門店にあることがわかった。
ここなら知っている。母校旧奈良屋小学校の近くにある。
 早速出かけて注文し、赤と白を取り寄せた。水引は紙の細い紐で表面が
オイルコーティングされ、非常に結びにくかったが、なんとか結び目を作って、
無事撮影は完了した。写真は出来上がったメッセージカードの表紙である。
 クリエイティブな仕事をする人間なら、このくらいのこだわりは当然だし、
気の利いたスタイリストなら、むこうから提案してくれるし、作るのも厭わない。
ディレクターの意図をくんでくれるから、CMや映画など仕事の幅も広がり、
高いギャラがもらえるのだ。
 九州のスタイリスト諸君よ、スタイリストとは決して服を借りて、
コーディネートすることにあらず。「どこに行けば、どんなものが揃う」という
きめ細かな情報をもとに、なければ素材から探して自分で創る。
それが真のスタイリストの仕事なのだ。

コメント
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