以前もそうだったが、10月の東京出張明けはなぜか、マイクラフトワークのコラムになってしまう。昨年はオリジナルで作ったスマホケースについて書いたが、今回はスマホのストラップホールである。
筆者は身体的特徴として、多汗症(脂手)だ。かつては紙上でデザインや文筆を行うには不適合だったが、PCの普及ととともにそれも解消された。また、資材や道具も進化し、脂手であっても汚れにくいものが開発されている。
ただ、手に持つものはどうしても影響する。スマートフォンがそうだ。スマホはフラットな形状だから汗をかいた手で持つと、どうしても滑りやすい。落下させて破損させる確率は、一般の人よりも高いと思う。そこで、使用し始めた時からアルミのバンパーを取り付け、さらにストラップでショルダーバッグに固定している。
スマホ自体は、メカの発達でより軽くなっているが、バンパーを付けることで逆に重さが増し、ズシリとした重厚感が伝わる。これも落下させにくくなる要因だ。さらに昨年はレザーを使ったオリジナルのスマホケースまで制作した。
これで落下は防げるのだが、電話やネットを使用すると、手のひらや指先で触れるから手の汗を拭いても、しばらくすると薄ら滲んで来る。一日の終わりには乾いた布で拭いているが、経年とともに汗の影響が出て来る。水没させるわけではないので、スマホの機能はどうもないが、バンパーのネジが手汗のせいで錆び付いている。また、ネジ穴の山(溝)が潰れて、締め付けが効かなくなってしまった。
格安スマホへの乗り換えや年一度のストラップ交換で何度かネジを外し、締め直したからだろう。バンパーはネットで大量に出回っているものを購入した。たぶん中国製と思うが、持っても2年くらいか。そろそろ限界のようだ。ネジの溝が潰れていることで、バンパーごと交換しなければならなくなった。
肝心なスマホのiPhoneは新機種が発売されても、多少のバージョンアップやデザイン面のマイナーチェンジくらいだから、買い替える気にはならない。次に機種変更をするのは完全に故障するか、5G導入後の様子を見てからと思う。ただ、バンパーはiPhoneの新型が発売される度に新しいものが製造され、旧型用はほとんど欠品している。
いま巷に出回っているバンパーは、iPhone 8用やiPhone XR用が主流だ。これからはiPhone 11やiPhone 11Pro用も発売されて来ると思う。iPhone 8以前の7や6でも、バンパーのサイズが合えば使えないことはないのだろうが、押しボタン高などのマイナーチェンジがあるので、その辺が合致するかは微妙だ。
まあ、iPhoneのアクセサリーは中国だけでも相当数のメーカーがあり、バンパー一つをとっても、それぞれ独自の「金型」で作られ統一したデザイン、仕様ではない。例えば、サイレントスイッチや音量ボタン、スリープ/スリープ解除ボタンの部分が「ボタン式」もあれば、「穴空き式」もある。そもそもスマホ自体でいろんな種類、サイズが出回っているため、アクセサリーも様々な仕様になるのだ。
今まで使っていたバンパーは持ちやすいソリッド型でボタン式、下部部分はそれぞれ穴が空いたものだった。6つ空いたマイク・スピーカーホールの2つをストラップ用にして糸を通し、リング、スプリングスナップを取り付け、それをレザーポシェットの紐に引っ掛けていた。リングに指を通せば、写真撮影も簡単で、落下させる心配もなかった。
ところが、同じタイプのものは、ほとんど売り切れ状態。入荷待ちになってはいるものの、おそらく廃番と思う。売れ残っているものもあるが、色やデザインが好みではないし、数千円をはたいて購入しても、1年もすればスマホ自体を機種変更することになる。スマホを使い始めて3機種目。それぞれにバンパーを付けて来たが、枠だけがそのまま残っている。
結局、何とか似た仕様のバンパーで格安のものを探し当てたが、枠にはマイク・スピーカーホールがなく、ヘッドフォン端子、ライティングコネクタの部分と一体で総空きになっている。このままではストラップが付けられないので、一般的なバンパーについているストラップホールと同じ箇所に自分で穴を空けることにした。
道具は、コードレスのドリル、鉄工用のドリル刃。そして、バンパーを固定するクランプ。ドリルは手持ちのものが使える。ドリル刃は100円ショップに5本セットが売られていたのを思い出し、在庫を見つけて購入した。木工用なら使う頻度も多いが、鉄工はほとんどないので、行きつけのHCハンズマンで購入するまでもない。
作業は、事務所のブックシェルフを再利用した作業台に、キズがつかないようにウエスを敷いてバンパーを置き、その上に木片を重ねて2カ所をクランプで固定。バンパーには予めニードルで穴の当たり(窪み)を付け、ドリル刃が咬み易いようにした。ストラップホールの直径はドリル刃で最小の1.5mmを選択。これなら二重にしたストラップ糸も通せる口径だ。2カ所の穴の間隔は市販のものは、2.5mm〜3mmくらいになっている。
バンパーはソリッド型なので表面はフラットだが、幅は4mm程度しかなく、そこに1.5mm径の穴をあけなければならない。つまり、約2mmの中央部分に付けた当たりに真っすぐドリル刃を当てて突き通し、空けるしかないのだ。バンパーの表面は黒の塗料でコーティングされているので、当たりからドリルが滑ると一巻の終わりだ。しかも、穴は2.5mm〜3mの間隔で2カ所空けなくてはならない。失敗が許されない一発勝負になった。
実際にやってみると、意外にも穴は簡単に空いた。ドリルがだいぶ古いものなので、バッテリーのパワーも弱く、トルクが上がらずにドリル刃はゆっくり回った。これがよかったのか、大して力を入れることもなく、簡単に突き通せた。バンパーの内側には緩衝用の薄いウレタンラバーが貼ってあるが、ドリルの勢いが弱かったため、ここまで穴が空くことはなかった。
細いテグスでストラップの糸輪を引っ張り、2カ所のホールに通すとウレタンラバーが内側に膨れたが、バンパーの取り付けには何ら問題は無い。ソリッド型なので、手汗をかいてもしっかり手に馴染む。これで機種変更までは持ちそうだ。バンパー代は送料込みで、998円。鉄工ドリル刃5本セットは100円。材料費は締めて1098円で収まった。
穴空けは手間がかかり、道具や多少の技術も要る。それなら、買い替えるという手もあるが、ビジネスにIT機器が普及するに従って、デスク回りのアクセサリーがやたら増えている。PCやスマホ関連は新製品の発売頻度も高く、その度に小物の買い足しや買い替えが必要で、使わなくなったものはゴミになっていく。
バンパーくらいにそんなカネをかけても仕方ないので、できれば再利用したいが、こればかりは使い捨てのご時世だから如何ともしがたい。まあ、クラフトワークは楽しいし、やるだけの価値はあると思う。製品の使い勝手が良いか悪いかを判断するはお客だと、メーカー仕様に抗いたい気持ちもある。不要になったバンパー枠や錆びたネジは、金属だからリサイクルできるのがせめてもの救いだ。
筆者は身体的特徴として、多汗症(脂手)だ。かつては紙上でデザインや文筆を行うには不適合だったが、PCの普及ととともにそれも解消された。また、資材や道具も進化し、脂手であっても汚れにくいものが開発されている。
ただ、手に持つものはどうしても影響する。スマートフォンがそうだ。スマホはフラットな形状だから汗をかいた手で持つと、どうしても滑りやすい。落下させて破損させる確率は、一般の人よりも高いと思う。そこで、使用し始めた時からアルミのバンパーを取り付け、さらにストラップでショルダーバッグに固定している。
スマホ自体は、メカの発達でより軽くなっているが、バンパーを付けることで逆に重さが増し、ズシリとした重厚感が伝わる。これも落下させにくくなる要因だ。さらに昨年はレザーを使ったオリジナルのスマホケースまで制作した。
これで落下は防げるのだが、電話やネットを使用すると、手のひらや指先で触れるから手の汗を拭いても、しばらくすると薄ら滲んで来る。一日の終わりには乾いた布で拭いているが、経年とともに汗の影響が出て来る。水没させるわけではないので、スマホの機能はどうもないが、バンパーのネジが手汗のせいで錆び付いている。また、ネジ穴の山(溝)が潰れて、締め付けが効かなくなってしまった。
格安スマホへの乗り換えや年一度のストラップ交換で何度かネジを外し、締め直したからだろう。バンパーはネットで大量に出回っているものを購入した。たぶん中国製と思うが、持っても2年くらいか。そろそろ限界のようだ。ネジの溝が潰れていることで、バンパーごと交換しなければならなくなった。
肝心なスマホのiPhoneは新機種が発売されても、多少のバージョンアップやデザイン面のマイナーチェンジくらいだから、買い替える気にはならない。次に機種変更をするのは完全に故障するか、5G導入後の様子を見てからと思う。ただ、バンパーはiPhoneの新型が発売される度に新しいものが製造され、旧型用はほとんど欠品している。
いま巷に出回っているバンパーは、iPhone 8用やiPhone XR用が主流だ。これからはiPhone 11やiPhone 11Pro用も発売されて来ると思う。iPhone 8以前の7や6でも、バンパーのサイズが合えば使えないことはないのだろうが、押しボタン高などのマイナーチェンジがあるので、その辺が合致するかは微妙だ。
まあ、iPhoneのアクセサリーは中国だけでも相当数のメーカーがあり、バンパー一つをとっても、それぞれ独自の「金型」で作られ統一したデザイン、仕様ではない。例えば、サイレントスイッチや音量ボタン、スリープ/スリープ解除ボタンの部分が「ボタン式」もあれば、「穴空き式」もある。そもそもスマホ自体でいろんな種類、サイズが出回っているため、アクセサリーも様々な仕様になるのだ。
今まで使っていたバンパーは持ちやすいソリッド型でボタン式、下部部分はそれぞれ穴が空いたものだった。6つ空いたマイク・スピーカーホールの2つをストラップ用にして糸を通し、リング、スプリングスナップを取り付け、それをレザーポシェットの紐に引っ掛けていた。リングに指を通せば、写真撮影も簡単で、落下させる心配もなかった。
ところが、同じタイプのものは、ほとんど売り切れ状態。入荷待ちになってはいるものの、おそらく廃番と思う。売れ残っているものもあるが、色やデザインが好みではないし、数千円をはたいて購入しても、1年もすればスマホ自体を機種変更することになる。スマホを使い始めて3機種目。それぞれにバンパーを付けて来たが、枠だけがそのまま残っている。
結局、何とか似た仕様のバンパーで格安のものを探し当てたが、枠にはマイク・スピーカーホールがなく、ヘッドフォン端子、ライティングコネクタの部分と一体で総空きになっている。このままではストラップが付けられないので、一般的なバンパーについているストラップホールと同じ箇所に自分で穴を空けることにした。
道具は、コードレスのドリル、鉄工用のドリル刃。そして、バンパーを固定するクランプ。ドリルは手持ちのものが使える。ドリル刃は100円ショップに5本セットが売られていたのを思い出し、在庫を見つけて購入した。木工用なら使う頻度も多いが、鉄工はほとんどないので、行きつけのHCハンズマンで購入するまでもない。
作業は、事務所のブックシェルフを再利用した作業台に、キズがつかないようにウエスを敷いてバンパーを置き、その上に木片を重ねて2カ所をクランプで固定。バンパーには予めニードルで穴の当たり(窪み)を付け、ドリル刃が咬み易いようにした。ストラップホールの直径はドリル刃で最小の1.5mmを選択。これなら二重にしたストラップ糸も通せる口径だ。2カ所の穴の間隔は市販のものは、2.5mm〜3mmくらいになっている。
バンパーはソリッド型なので表面はフラットだが、幅は4mm程度しかなく、そこに1.5mm径の穴をあけなければならない。つまり、約2mmの中央部分に付けた当たりに真っすぐドリル刃を当てて突き通し、空けるしかないのだ。バンパーの表面は黒の塗料でコーティングされているので、当たりからドリルが滑ると一巻の終わりだ。しかも、穴は2.5mm〜3mの間隔で2カ所空けなくてはならない。失敗が許されない一発勝負になった。
実際にやってみると、意外にも穴は簡単に空いた。ドリルがだいぶ古いものなので、バッテリーのパワーも弱く、トルクが上がらずにドリル刃はゆっくり回った。これがよかったのか、大して力を入れることもなく、簡単に突き通せた。バンパーの内側には緩衝用の薄いウレタンラバーが貼ってあるが、ドリルの勢いが弱かったため、ここまで穴が空くことはなかった。
細いテグスでストラップの糸輪を引っ張り、2カ所のホールに通すとウレタンラバーが内側に膨れたが、バンパーの取り付けには何ら問題は無い。ソリッド型なので、手汗をかいてもしっかり手に馴染む。これで機種変更までは持ちそうだ。バンパー代は送料込みで、998円。鉄工ドリル刃5本セットは100円。材料費は締めて1098円で収まった。
穴空けは手間がかかり、道具や多少の技術も要る。それなら、買い替えるという手もあるが、ビジネスにIT機器が普及するに従って、デスク回りのアクセサリーがやたら増えている。PCやスマホ関連は新製品の発売頻度も高く、その度に小物の買い足しや買い替えが必要で、使わなくなったものはゴミになっていく。
バンパーくらいにそんなカネをかけても仕方ないので、できれば再利用したいが、こればかりは使い捨てのご時世だから如何ともしがたい。まあ、クラフトワークは楽しいし、やるだけの価値はあると思う。製品の使い勝手が良いか悪いかを判断するはお客だと、メーカー仕様に抗いたい気持ちもある。不要になったバンパー枠や錆びたネジは、金属だからリサイクルできるのがせめてもの救いだ。