単店舗としては日本一ではないか、と称されて、個人としては、もう二度と、誰も出来ない、その様な件数の仕事を為していた、真っ最中の時、近所に在った、家賃としては、それなりに高額な2LDK(実際は2DK)の賃貸マンションに住んでいた、ごく普通の4人か5人家族(普通でなかったのは、御主人が刑事だったこと) の奥さんから、切実な依頼…或る面で、人生相談の様な依頼だったからだ。
芥川が大阪市内一円から北摂に、毎週土曜日に、ほぼ全紙に折込チラシ広告として、10年間に15億円の宣伝広告費を掛けて打ち続けた…当時、大阪で不動産売買仲介業に携わっていた者なら、誰でも知っていた広告。
その時、これに掲載した、この奥さんの近所のAランク物件、広めの3LDKを、どうしても買いたい。旦那は、何度言っても、ウンと言ってくれない。このままなら、私は、離婚しようと思っている。もう本当に限界なんです。
どうか、今夜、夫が帰宅し、食事を終えた時間(確か20時だったと思う)に、来て下さい。
貴方から、夫を説得して下さい。
賃貸の2DKに、どんどん大人に成って行く子供たちを含めた4人か5人で暮らし続けることは、簡単に言えば、夫婦生活は有り得ない、そういう訴えだった訳である。
「オイオイ、それは、芥川の役割ではないのだがな」、と、気の重さを感じながら、訪問したのだった。
御主人は、奥さんの気持ちも分かっていたはずだが、この仕事をしていると、色な事件を扱う訳で…この頃、芥川がフランチャイズとしていた地域に、ロクデナシの業者が、何故か、京阪方面から進出して来て「頭金0円で不動産が買える」等と言う呆れた広告をばら撒き出して、色んなトラブルを巻き起こしていた時期だった。
「住宅ローンがらみの犯罪もあるから、住宅ローンは組みたくないんや」
つまり、彼は、当時(25年超前の話である)人口の半分はいた、一生、不動産は買わずに賃貸で暮らす人たちの、範疇に入っていたのである。
これは、いかに芥川の 営業能力を持ってしても、どうなるものでもなかった。
今朝、25年超前の、近所の刑事一家の事を思い出したのは、この時、一つだけ、芥川が、とても驚いた事があったからだ。
ごく普通の地域警察署に勤める、この刑事さんの年収は、間もなく、1,000万円に成ろうかというレベルだったからである。
芥川が大阪市内一円から北摂に、毎週土曜日に、ほぼ全紙に折込チラシ広告として、10年間に15億円の宣伝広告費を掛けて打ち続けた…当時、大阪で不動産売買仲介業に携わっていた者なら、誰でも知っていた広告。
その時、これに掲載した、この奥さんの近所のAランク物件、広めの3LDKを、どうしても買いたい。旦那は、何度言っても、ウンと言ってくれない。このままなら、私は、離婚しようと思っている。もう本当に限界なんです。
どうか、今夜、夫が帰宅し、食事を終えた時間(確か20時だったと思う)に、来て下さい。
貴方から、夫を説得して下さい。
賃貸の2DKに、どんどん大人に成って行く子供たちを含めた4人か5人で暮らし続けることは、簡単に言えば、夫婦生活は有り得ない、そういう訴えだった訳である。
「オイオイ、それは、芥川の役割ではないのだがな」、と、気の重さを感じながら、訪問したのだった。
御主人は、奥さんの気持ちも分かっていたはずだが、この仕事をしていると、色な事件を扱う訳で…この頃、芥川がフランチャイズとしていた地域に、ロクデナシの業者が、何故か、京阪方面から進出して来て「頭金0円で不動産が買える」等と言う呆れた広告をばら撒き出して、色んなトラブルを巻き起こしていた時期だった。
「住宅ローンがらみの犯罪もあるから、住宅ローンは組みたくないんや」
つまり、彼は、当時(25年超前の話である)人口の半分はいた、一生、不動産は買わずに賃貸で暮らす人たちの、範疇に入っていたのである。
これは、いかに芥川の 営業能力を持ってしても、どうなるものでもなかった。
今朝、25年超前の、近所の刑事一家の事を思い出したのは、この時、一つだけ、芥川が、とても驚いた事があったからだ。
ごく普通の地域警察署に勤める、この刑事さんの年収は、間もなく、1,000万円に成ろうかというレベルだったからである。