文明のターンテーブルThe Turntable of Civilization

日本の時間、世界の時間。
The time of Japan, the time of the world

Hさんへ、10月2日。

2011年10月02日 21時05分51秒 | 日記


gooにおける昨日のアクセス数は、以下の数字でした。




101日のアクセス数


閲覧数:10,217PV    訪問者数:643IP


順位: 636 / 1,638,659ブログ中 (前日比  )




gooの、ページごとの閲覧数ベスト20は以下の通りです。


 


1トップページ52 PV


2メガソーラーの建設・保守 シャープ、国内... 44 PV


3昨夜の夕刊だったろうか、二人の詩人が、異... 41 PV


4サンリオ 商習慣のリスク軽減 「キティ」... 39 PV


5円高でも日本への投資継続 米サンディスク... 39 PV


6大型リチウムイオン電池 川崎に新工場、能... 35 PV


790後」は中国を変えるか…日経新聞101... 31 PV


8一昨日、ウッドストックを、キチンと観て、... 30 PV


9続くウォン安、日本なぜ為替介入しない?…... 30 PV


10トヨタ,新型ハイブリッド車 1リットル40... 29 PV


11今朝の日経はリー・シェンロンからの書面で... 28 PV


12インド企業株 取得完了に遅れ コクヨ、今... 28 PV


13世界株安 企業を圧迫 住金、評価損800... 25 PV


14資本流出→外貨不足 信用収縮の恐れ…日経新... 23 PV


15格安航空、大手抜くライアンエアーやエアア... 22 PV


16ブラジルの農薬メーカー 三井化学など3社... 21 PV


17液晶TV、画素数4倍 シャープ来年発売…... 21 PV


18福島は流出止まらず 6~8月人口移動 岩... 21 PV


19日米野球摩擦 一歩も引かない。すごいね ... 20 PV


20大型蓄電池 普及のカギはコスト…日経新聞9...20 PV




昨日の結果も、芥川の本望、本懐でした。



新たな章2.

2011年10月02日 18時17分37秒 | 日記
*おいおい、それは並の作家の場合の話だろう。芥川は違うぞ。

 

そんな自虐的な事を言うことが、「表現」だと思い続けて来た、貴方がたの怠慢…自分たちが、やっと表現者として世間に認知されたという奢り、その特殊な世界で生きていることに対する無批判、無反省が、痴呆テレビの20年を続け、「政治とカネ」という虚構を35年超、続けて来た事、日本の大停滞、その結果としての、世界の不安定化をもたらして来たのだと、芥川は断じても良い。(以下本文に戻る)

 

*この書評には、腹がよじれるほど、笑わされた。笑いとは、本来、そういうものだろう。


新たな章。

2011年10月02日 17時02分32秒 | 日記
Amartya Sen 33年生まれ。ハーバード大教授。

「単一帰属」の幻想を打ち砕く  評・姜 尚中 東京大学教授・政治思想史

文中黒字化と*は芥川。

グローバル経済の格差と貧困を温床とするテロと暴力の連鎖。この、それこそグローバルなテーマにどう向き合ったらいいのか。本書は、ノーベル経済学賞受賞のセンによる渾身の処方箋である。そのキーワードは、アイデンティティーだが、本書が心打つのは、センが自らのアイデンティティーをめぐる「生体解剖」的な分析を通じて、アイデンティティーの複数性と「選択」の必要を説いていることにある。

この揺るぎない信念から、センは、暴力への誘因となる「単一帰属」のアイデンティティーの幻想を打ち砕こうとする。その一つが、狭隘な利己的功利主義に基づく「合理的愚か者」の幻想だ。

これは、一切の個別的なアイデンティティーを消し去り、人間をただ欲望機械のような利己心だけで動く「普遍的な」アイデンティティーに還元しようとする。このような還元主義を代表するのが、新自由主義的な市場原 主義の幻想だ。
   
これに抗うようにテロや暴力に走る宗教的原理主義があり、そしてより知的な意匠をこらした還元主義的な単一アイデンティティーの幻想がメディアや学術の世界を闊歩している。

マイケル・サンデルに代表されるような共同体主義と、ハンチントンの「文明の衝突」論だ。両者とも、人間と社会を、「共同体」と「文明」という単一のアイデンティティーに還元し、アイデンティティーの複数性と選択の自由を否定する点で共通している。


*これらの点に於いては、芥川とセン教授は全く同等の思索をしていると言っても過言ではない。(以下戻る)

これらもまた「運命」としてのアイデンティティーという幻想を分かち持ち、目に見えない暴力に荷担していることになる。

センの共同体主義の解釈などには異論もあるかもしれない。しかし、本書は、アロー以降の社会選択論・厚生経済学とともに、ロールズ流の公正としての正義や自由論を受け継ぐセンの信仰告白にも近いマニフェストとして読み応えがある。


*この評者である姜氏は、芥川とほぼ同年代の人間で在る訳だが、芥川が、彼を初めて観たのは「朝まで生テレビ」に於いてだったが。

芥川は、彼については、「日本の失われた20年」、特に、この15年だ…を作って来た、たった3万人の側の範疇の人物であると考えているのである。

日本が、どれだけの経済超大国で在る事か、なかんずく、「文明のターンテーブル」、が廻った国で在る事に、全く気付かせなかった、マスメディア。

その張本人の一人だと芥川は考えているのである。その事については、いずれメルマガにでも書く事にする。

電力測定技術を提供 ソニー米で次世代送電網実験…日経新聞10月2日5面より

2011年10月02日 16時51分09秒 | 日記
ソニーは米テキサス州オースティンで開催されるスマートグリッド(次世代送電網)の実証実験に参加する。家庭内の電力需要を効率的に測定し、利用者がテレビ画面で確認できるシステムを提供する。ソーニーが同様の実証実験に参加するのは今回が初めて。ノウハウを蓄積し、将来の事業化につなげたい考え。

テキサス大学などが参画する研究団体が主導する「ピーカンストリート・スマートグリッド実証プロジェクト」に参加する。住宅の分電盤に取り付けるだけで家庭内の主要な機器の消費電力を測定できる機器などを提供。

同機器から送られてくる情報を「セットトップボックス」と呼ばれる機器経由でテレビ画面に映し出して閲覧できるシステムを検証する。

実証実験は来年3月に開始予定。半導体最大手の米インテル、東芝傘下でスマートメーター(次世代電力計)最大手のスイスのランディス・ギア社なども参加する。

科学と技術 江戸の知恵 ニシキゴイ 越後の物好き恋い焦がれ…日経新聞10月2日15面より

2011年10月02日 16時50分21秒 | 日記
日本人は昔からコイを飼ってきた。越後の二十村郷(長岡市山古志地域や小千谷市など)もその一つ。雪で閉ざされる冬の貴重なたんぱく源として、棚田に水を送るため池などで大切に育てた。

たまに黒くないコイが生まれると、食べずに捨てた。それを「百数十年前の江戸時代、この地域の物好きな人たちが観賞用として育て始めた」と、東京大学東洋文化研究所の菅豊教授はニシキゴイの始まりを説明する。

当時の繁殖は、スギやヒノキの枝葉を産卵床とし、メスー匹にオス数匹を池に放したようだ。色のついた個体同士を掛け合わせ、様々な模様の個体を作った。牛ふんでミジンコを増やし、蚕のサナギとともに餌とした。

多くの品種は明治時代以降に開発された。ニシキゴイと呼ぶようになったのも大正時代になってからだ。
コイを日本人は芸術品にまで昇華させた。

「越後の奇特な人々の小さな文化は今や輸出品となり、クールジャパンとして人気を呼んでいる」(菅教授)

知日派の都 復興支援 日本学盛ん オランダ・ライデン…日経新聞10月2日30面より

2011年10月02日 16時34分13秒 | 日記
公開講座・コスプレ・足湯… 震災への関心つなぎ留め

世界最古の日本学科を持つオランダ・ライデン大学のお膝元で、東日本大震災後の日本を応援する多様な行事が開かれている。コスプレ、カレーライス、足湯……。風変わりなチャリティーの一方で、大学は「日本のいま」をテーマに公開講座を集中的に開催する。

知日派の拠点ならではの知恵と工夫。日蘭交流の開始から400年を経て、両国の絆を再び強めようとしている。
鎖国時代の日本を訪ね、西洋医学を伝えたシーボルト(1796~1866年)。その弟子が19世紀半ばに日本学という学問をつくり、最初の教授職に就いて以来、ライデン大学は欧州での日本研究の中心的な役割を担ってきた。

震災後の日本支援の中心を担ったのは、博物館シーボルトハウス。シーボルトが実際に1830年代に住んだ場所にあり、日本から持ち帰った収集品を公開している。

「我々は蘭日両国をつなぐ特別の役割がある。すべてはここから始まった」と館長のクリス・スヒールマイヤーさんは話す。震災直後の3月19日、「千羽鶴に祈りを込め」と題するイベントを開催。約千人が5千羽の折り鶴をつくり、在オランダ日本大使館に寄贈した。

「コスプレ衣装の女性と写真を撮りませんか?」。5月29日、シーボルトハウスの周辺で開いた日本関連の青空市「ジャパン・マーケット」では、コスプレの衣装をまとったオランダ人が集結、写真1枚ごとに1ユーロを寄付してもらい、総額1680ユーロを集めた。

ライデン大に留学中の日本人らは「若武者」という組織を結成。青空市では日本風カレーライスを1杯4ユーロで販売した。メンバーの一人、有田千枝さんは「炊飯器を5台用意して走り回った」と振り返る。

10月29日には博物館の前に、足をお湯につけて温まる「足湯」が特設される。「日本の文化はお風呂。楽しみながら見えない日本文化を紹介したい」と主催者の一人、ロッテルダム在住の田嶋正行さん(40)は語る。

震災直後はオランダ国内でも義援金を集めるためのコンサートやサッカーの試合が相次いで開かれたが、最近は下火気味。ライデンの行事はオランダ人の関心をつなぎ留めようとあの手この手で工夫したのが特徴だ。

大学の日本学者も動いた。震災後、オランダ国内では「悲劇を前に感情を出さない日本人」「西欧の『罪の文化』とは違う『恥の文化』」といった日本人に対する紋切り型の報道が相次いだ。

義憤にかられたイフォ・スミッツ教授(日本学科長)はオランダ紙に「すべての日本人はストイックな神風なのか?一と題した記事を寄稿。一日本人だって感情的に反応している。ただ、それはオランダのメディアの期待している方法でないだけだ」と反論した。

「日本の社会、文化の事実をきちんと伝えたい」と話すのは、カタジーナ・チフィエルトカ教授(近代日本研究)。10月にはノルウェーの政治学者を招き、震災時の自衛隊の活動について講演。11月にはデンマークの漁業を専門とする人類学者が東北で調査活動をした結果を報告するという。

ライデン大日本学科には毎年100人超の学生が入学し、20~30人は日本に1年間留学する。若者が日本に関心を持つきっかけはアニメ、漫画、Jホップなど。

それでも「最近は地震をテーマに日本を研究したいという学生が現れてきた」とチフィエルトカ教授は目を細めている。(ライデンで、瀬能繁)

トップ先導で新事業を 成長担う革新の方法とは②…日経新聞10月2日7面より

2011年10月02日 16時31分12秒 | 日記
ハーバード経営大学院教授 クレイトン・クリステンセン氏

…前章からの続き。文中黒字化は芥川。

――成功企業がジレンマを回避するカギは。
「トップの役割が非常に重要だ。既存の成功事業とは違うビジネスモデルの新事業のために新組織をつくり経営資源を配分する判断はトップにしかできない。その後、既存部門の反発を抑えて新部門を後押しするのもトップの仕事だ。

利益率と成長のどちらが大事かという判断もトップ次第だ。つまり企業レベルの革新はトップが革新的な発想を持てるかどうかにかかる」  

「トップは往々にして収益の大部分を稼ぐ中核事業に注力しがちだが、実は中核事業は既に稼ぐ仕組みができあかっており放っておいても回るものだ。トップはむしろ将来の収入をどう稼ぐか考えることに集中すべきだ。

--利益率の追求は当たり前では。
「デルは台湾メーカーにまずパソコンの回路基板を、次にマザーボードを、最後に完成品の組み立て全体をアウトソースしていった。コストと資産が減り、純資産利益率が上がるからだ。

台湾メーカーはデルに『組み立てはデルのコア競争力ではない』と提案し、デルもそう思った。だが気づくと全米の量販店に価格の安い台湾製の同等品が並んだ。デルは利益率を追求することで国内雇用を減らし、自らの競争力まで弱めた」

――自らのコア競争力を見誤っていたのが問題では。
「実は経営判断においてコア競争力は重要ではない。眼前に見えているコア競争力とは過去に成功をもたらした能力のことだからだ。経営者が注目すべきは変化する世界のなかで今後どんな能力が必要なのかという問題なのだ」 

--日本は国全体が過去の成功モデルを脱却できていないようです。
「革新は決まって異なる分野や文化の交差点で起こる。シリコンバレーで成功した起業家の多くは外国人だ。シンガポールは外国の優秀な人材を積極的に流入させて革新力を増している。

日本で革新が生まれにくい一因は、民族的純血主義にあると思う。もっとも同時テロ以降、米国も海外からの人材流人を難しくし、革新を生み出す能力を自ら損なっている。ハーバード大でもどこでも起こっていることで、非常に憂慮している」  

「企業経営で危険なのが将来キャッシュフロー(現金収支)という物差しだ。ある事業が今後生み出す現金黒字を予想し、事業に必要な投資額を銀行預金や国債での利息収入と比べて、投資すべきか判断する。

しかし何も新規投資しなければ企業は衰退する。つまり新規事業への投資と比較すべき対象は預金利息ではなく、衰退というマイナスの価値だ。経営大学院や株式市場で常識になっているこの投資家視点の物差しが企業にまん延すると革新が実行されにくくなり、国全体の成長力、雇用創出力を弱める。米国ではそれが起きていると思う」


トップ先導で新事業を 成長担う革新の方法とは①…日経新聞10月2日7面より

2011年10月02日 16時28分06秒 | 日記
ハーバード経営大学院教授 クレイトン・クリステンセン氏
1952年、米ユタ州生まれ。 77年英オックスフォード大経済学修士、79年米ハーバード大経営学修士。ホワイトハウス研究員などを経て84年に新合金精密部材のC PSテクノロジーズを共同創業し社長を務める。 92年にハーバード大経営学博士、同大経営大学院教授に転身。現在シンガポール政府顧問を務めるほか、投資会社、非営利団体などを経営。学生時代キリスト教布教活動で韓国に2年間在住し韓国語を話す。 59歳。

成功モデルが障害に 必要な能力見極め

文中黒字化は芥川。

日米欧が成長力不足に悩んでいる。日本は過去20年、成長を担う新しい企業・事業の不足という構造問題を抱えてきた。同期間にグーグルなどの新企業が次々大企業に育ち、アップルが新事業で時価総額世界一に上りつめた米国でも最近では雇用創出力に陰りが見える。

成長のカギは既存の構造を打ち破る革新(イノベーション)だ。革新を促すヒントを米ハーバード経営大学院教授、クレイトン・クリステンセン氏に聞いた。

--近著「革新者のDNA」(邦訳未刊)で凡人でも革新を起こせると論じました。
「調査の結果、革新的企業のリーダーに共通するスキルが見つかった。最も大事なのは一見関係なさそうな事柄を結びつける思考だ。

たとえばセールスフォース・ドットコムの創業者マーク・ペニオフはハワイの海で泳ぎながらアマゾン・ドット・コムの買い物サイトと勤務先だったオラクルの業務ソフトを同時に思い浮かべ、ネット上で業務ソフトを提供するというアイデアを思いついた」

「また、彼らは4つの習慣で『結びつけ』の材料を得ていることも判明した。まず何に対してもなぜ、どうやって、といった疑問を持つこと。周囲・外界を注意深く観察すること。

分野や文化の異なる人々と交流すること。そして発見やアイデアを実際に試してみることだ。
これらを実践すれば、スティーブ・ジョブズ (アップル会長)のような天才でなくても革新的なアイデアを得られる」

--現場に革新的なアイデアがあっても事業に生かせない企業が多くみられます。
「現場の革新と企業全体の革新には違いがある。成功している事業を担う組織の内部では、現場の革新的なアイデアは絶対に事業化されない。

その組織の任務は既存の仕組みで収益を拡大することで、当面費用増加になる新規事業に投資するのは任務に反するからだ。そもそも革新的な新事業には既存事業と異なるコスト構造やビジネスモデルが必要だ。つまり新事業には既存事業とは別の組織が必要。それをつくって実行するのが企業レベルの革新だ」

「あるとき、典型的な成功企業である米スリーエムの研究部門が年商80億ドル規模の事業になりそうな画期的な新素材を開発した。ところが、予想粗利益率が55%以上でないと事業化しないという企業レベルのルールに従って事業化を見送った。

従来の成功モデルとは異なるやり方を取り入れ企業レベルで大きく成長する革新の機を逃した。成功の方程式がかえって革新を妨げる『イノベーションのジレンマ』の典型例だ」

――大企業の多くが確立した成功モデルを持っています。大企業はジレンマを避けられないのでしょうか。
「例はある。IBMは高収益の大型汎用機で成功しながら、利益率の低いミニコンピューターやパソコンをそれぞれ別個の組織をつくって手掛けさせた。

インテルはコモディティー化したメモリーを捨てプロセッサーに専念し高い利益率を実現した後、わざわざ廉価のプロセッサーに進出して他社による『破壊的革新』の芽をつぶした」

―-破壊的革新にはどんな手段があるでしょうか。
「たとえば高利益率を目指すのが当たり前の業界で、あえて低利益率で勝負する。かつて米自動車産業は日本の自動車産業に高収益追求モデルを破壊された。

品質が重要だったはずの米鉄鋼産業では、最低限の品質で低価格を実現した電炉が高炉をワキに追いやった。既存プレーヤーが利益の追求という当たり前の選択をすると、新参者による破壊的革新の余地を生みだす」

…次章に続く。

サイバー攻撃 官民で防衛IT・製造業・政府機関…情報共有の枠組み…日経新聞10月2日1面より

2011年10月02日 15時36分37秒 | 日記
捜査連携の条約年内にも締結

サイバー攻撃に関する。情報を官民で共有し、防衛する態勢が2012年度から本格的に動き出す。政府はこれまで法的に報告義務のない企業の情報を集約することには慎重だったが、三菱重工業やIHIへのサイバー攻撃により、日本の情報安全の脆弱さが浮き彫りになっているため、新たな枠組みを作る。

年内にも「サイバー犯罪条約」を締結し、各国との連携にも乗り出す。 藤村修官房長官が主宰する情報セキュリティ政策会議を7日に開き、安全強化策を議論する。

サイバー攻撃が発生した場合、新たな被害を未然に防ぐためには、攻撃の手法や使用されたメールなどの情報を共有する必要がある。個人情報が漏洩した場合などは別だが、国が民間企業に一般的なウイルス汚染などの報告を義務付けると企業居動に支障が出るおそれがあり、実現は困難との見方が政府内には強い。

このため、新法を制定するのではなく、独立行政法人、情報処理推進機構(IPA)など公的機関と参加企業との間で、情報提供や秘密保持の契約を結ぶ方式を検討する。ウイルスに汚染された企業名などが特定されないようにしながら、公的機関が間に入って対策の構築につながる情報を共有する枠組みとする。

海外からサイバー攻撃を受けた場合、IPAを通じて外国の公的機関などに不正サイトの閉鎖を要請する仕組みも使う。

このほど、NTTデータ、NEC、富士通や大手情報セキュリティー企業が参加して、モデルになる枠組みを作った。事務局運営は情報セキュリティー会社のラックに委託。来年3月までに、参加企業を広げた場合の運用ルールなどを整える。

来年度からは電気、ガス、鉄道などの重要インフラに関係する企業、防衛産業、政府機関だけでなく、自動車や電機などの製造業、サービス業など含めた幅広い業界から参加を募る。重要インフラ関連企業や政府機関への攻撃についての情報は

所管官庁を通じて内閣官房で集約する体制ができているが、一般企業向けの対策が不十分なことに対応する。欧米など32力国が参加するサイバー犯罪条約の締結も急ぐ。不正アクセスやウイルス作成などの犯罪捜査で連携でき、犯罪者の引き渡しを求めることもできる。

同条約はすでに国会で承認しており、7月にウイルス作成罪を含む改正刑法などが施行されたことによって、締結が可能になった。国内の大手IT(情報技術)企業は「国や企業の情報セキュリティー対策は米国などに比べまだ遅れている。国レベルで議論を盛り上げる必要があり、政府の動きは歓迎できる」と話す。

大手セキュリティー会社は「被害企業の傷口を広げないように注意する必要がある」と話す。具体的には「情報共有する関係者間の信頼関係を担保する仕組みが必要だろう」と提案する。

ジョブズの経営に学ぶ アップル復活の秘訣…日経新聞10月2日19面より

2011年10月02日 14時42分42秒 | 日記

編集委員 関口和一  文中黒字化は私。

スマートフォン(高機能携帯電話)の新製品発表や、株式時価総額で世界一になるなど、米アップルを巡る話題が絶えない。その中心人物が、身売り話まで出た会社を見事に立て直した創業経営者スティーブ・ジョブズ氏だ。
病気療養を理由に退任を表明したのを機に、一段と関心が高まっている。彼の何が人をひきつけるのか。

情熱とビジョン

『The history of Jobs &Apple 1976~20χχ【スティーブ・ジョブズとアップル 奇蹟の軌跡】』 (晋遊舎)という長い題名の本が8月に発刊され、アップル愛好家の間で話題となっている。

初代のパソコンから最新の「iPad2」まで写真で紹介しながら、ジョブズ氏の功績をたたえた本だ。
編集したのは10年前に休刊したパソコン誌「マックライフ」。懐かしい資料写真をもとにジョブズ氏の変遷を時代ごとに追った。6年前に米スタンフォード大学の学位授与式で行った有名なスピーチも翻訳付きで収めている。

スピーチの締めくくりに言った「stay hungry。stay foolish(貪欲であれ、愚かであれ)」というフレーズは、ジョブズ氏の生きざまを表す言葉として知られる。パソコンの「iMac」、携帯音楽プレーヤーの「iPod」、携帯電話の「iPhone(アイフォーン)」と、世界を変える商品を次々と出せたのは彼の情熱とビジョンによる。

ジョブズ氏はパソコンの黎明期から今日まで35年にもわたり情報分野をリードした。彼に関する著作も数限りない。米経済誌「フォーチュン」は2年前に主要な21冊を取り上げ、内容を3つのジャンルに分類した。

ひとつがマッキントッシュの開発に象徴される天才ベンチャー起業家を描いたもの。2つめは自ら興した会社を追われ、アニメーション事業を手掛けたりする混迷期に関する著作。3つめがiPodやiPhoneでアップルを蘇らせた実力経営者ぶりを評価した本だという。

だが、それ以降もジョブズ氏に関する出版は増えている。日本語に翻訳されたり日本で書かれたりした本を見ると、大きく2つのジャンルがある。ひとつはアップルが再生した要因を創業期にさかのぼって探ろうという作品。

もう一つは社員の上手な使い方やプレゼンテーションの技術などジョブズ氏の経営スタイルに焦点を当てたハウツー(実用)的な著作だ。

創業期を描いた本では、マックの開発などでジョブズ氏の右腕を務めたジェイ・エリオット氏らの『ジョブズ・ウェイ』(中山宥訳、ソフトバンククリエイティブ・2011年)や、米有力ベンチャーキャピタリストのマイケル・モーリッツ氏が書いた『スティーブ・ジョブズの王国』(青木栄一訳、プレジデント社・10年)がある。

聴衆と感動共有

一方、ハウツー本で売れたのが、カーマイン・ガロ著『スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン』(井口耕二訳、日経BP社・10年)だ。2作目の『スティーブ・ジョブズ驚異のイノベーション』(同・11年)もある。

ジョブズ氏のプレゼンは評判が高い。商品の仕様を説明するのでなく、感動や体験を語り、聴衆の共感を得たところで最後に新技術や製品を紹介する。日本も社長自らが壇上で商品発表をするようになったのは、ジョブズ氏の影響が少なくない。

ジョブズ氏にあやかった経営書は以前から多かった。リーアンダー・ケイニー著『スティーブ・ジョブズの流儀』(三木俊哉訳、ランダムハウス講談社・08年)、ジェフリー・L・クルークシャンク著『ジョブズはなぜ天才集団を作れたか』(徳川家広訳、講談社・08年)はジョブズ経営の極意を説く。

ジョブズ氏が世界中で読まれる理由は、経営の座を追われながらも返り咲き、企業価値トップの会社に再生したことにつきるだろう。そうした不屈の精神や情熱などは日本の経営者にもぜひ学んでほしい。

11月には正式な自伝『スティーブ・ジョブズ』が邦訳と同時刊行されるという。人気のジョブズ本にまた新たなページが加わる。


「悲しみにある者」 ジョーン・ディディオン著…日経新聞10月2日21面より

2011年10月02日 13時40分22秒 | 日記
夫の死の瞬間を「今ここに」構築  評・詩人 小池昌代

どんな人にも遅かれ早かれ、愛する者を失う瞬間はやってくる。この本の著者も、そんな「人間の運命」を免れられなかった一人だった。

40年近く連れ添った夫が、夕食のさなか、目の前で急死する。折しも、ICU(集中治療室)にいる瀕死の一人娘を見舞ったその夜のこと。作者は作家。夫もまた、妻と同様、著名な作家。同業の夫婦が支え合って生きた、愛の回想記かと思いきや、少し違った手応えが残される。

ここで力が注がれているのは、夫の死の瞬間、一体、何か起きたのかという、現実の究明と直視のほうである。
夫の死から数力月後、最初、出てきたのは、メモのような言葉。そしてほぼ1年後、著者は「あのとき」の意味を探りに、時間を遡り、本書の1行目を書き始める。

医療関係者から話を聞き、資料を取り寄せ、自ら死を洞察し、先人つまり死者たちの残した言葉を引用しながら、自分の為した経験のなかへ、そして悲しみという感情のなかへ、まっすぐに降りていく。あの瞬間を、言葉でもって、全力で「今ここに」に構築する。

例えば夫の遺体を病院に残し、自宅に一人帰ってきたとき、自分は何をしたか。夫の携帯を、あたかもまだ生きているかのように充電器に置いた。夫のポケットに入っていた現金を、自分の現金とさりげなく混ぜあわせた。

日常的な動作のなかに満ちている生、そのなかに死がすうっとしのびこむ瞬間を、作者は生々しく冷ややかなタッチで拾っていく。

その手つきは、プロの作家の「習い」であるが、客観的な筆致の内に、極めて個人的な眼差しも通っている。配偶者の死は多くの者に訪れる普遍的なものだ。しかし、それぞれの夫婦において一つのかたち、特別な経験なのだと思わされる。

読みながら私は所々で、作者の思いの深さに、取り残されてしまうようなこともあった。死のその時、拡大する瞳孔が、医学者の言葉で「大きな光を通さない黒い固定した円」と記されている。

すると逆に生きているということは、光を全身に浴びるということ。今、生きている自分に気づく。そんな促しを持った本だ。

「スペンド・シフト」 ジョン・ガーズマ、マイケル・ダントニオ著…日経新聞10月2日21面より

2011年10月02日 13時32分54秒 | 日記
「交流」がもたらす消費の変容  評・流通科学大学学長 石井 淳蔵

米国において、2007年末に始まる大不況によって、この2年間に13兆ドル(千兆円強)相当の富が奪われた。米国の純資産の15%、年間GDP(国内総生産)にも匹敵する。

しかも、ガソリンを始め資源価格は乱高下しており、自分の生活を守りきれない米国民は激増した。本書は、この暗い時代の米国の消費・生活変容の姿を、「スペンド・シフト(消費支出変容)」という現象を通して描く。

ただ、案に相違して、この本の副題(〈希望〉をもたらす消費)が示唆するように、どこを開いても笑顔が溢れ、心弾ませるエピソードが詰まっている。たとえば、デトロイト。1950年に180万人いた人口が今では、90万人を割り込み、しかも4人に1人が失業するという衰退都市。

それでも、その地に留まり、新たにレストランを開業する人がいて、それに親身になって協力する同業者たちがいる。米国の10の州・都市を訪ね、それぞれにおいてこれまでとは違った生活スタイルやビジネスモデルが育つ姿が紹介される。

紹介される地域も多様ならビジネスも多様だ。大学文化センター、都市農業、再生可能エネルギー、図書館、書店、リサイクル、住宅メーカー、地域通貨、カーシェア、そしてまだ名もないビジネスも……。

主人公は、私たちと同じ普通の人々。彼らが、ふと思い立ち、何かを始める。それも、お金を儲けようというよりも、何か周囲の人の役に立ちたいという思いから。そうした小さい実践が、彼らの新しい生活スタイルを生みだすだけでなく、ビジネスの渦と地域の活気を創り出す。

いま米国において、あらためて見直される「人と人との交流」。そこに呼び込まれる「ソーシャル・メディア」。その結果生まれる「消費支出変容」 (その中には、時間、熱意、お金、そして感情が含まれる)。これが、本書の骨格となる主張だ。

話は小企業に留まらないのが面白い。ウォルマート・ストアーズやマイクロソフトといった大企業においても、顧客との関係において同種の動きが生まれていることが報告される。企業の顧客フロントも、スペンド・シフトの中、変容しているのだ。


「ほくは上陸している」(上・下)進化をめぐる旅の始まりの終わり…朝日新聞10月2日12面より

2011年10月02日 13時24分03秒 | 日記
スティーヴン・ジェイ・グールド〈著〉
Stephen Jay Gould 41年、米・ニューヨーク生まれ、02年死去。ハーバード大教授として進化生物学の研究に従事する一方、ポピュラーサイエンス・ライターとしても世界的に知られる。著書多数。

華麗な語り問う 科学は万能かと  〈評〉福岡 伸一 青山学院大学教授・生物学

文中黒字化は芥川。

グールドとドーキンス、どっちが好き? 同じ1941年生まれ。科学作家としてライバルであり、実際、激しい論争を交わした。生物は利己的な遺伝子の乗り物にすぎないと、切れ味鮮やかに登場したドーキンスよりも、私はグールドの方が圧倒的に好きだ (ドーキンスの著作を翻訳したこともあるにもかかわらず)。

進化の単位は遺伝子ではなく、個体である。なぜなら生物は個体として生き、淘汰は個体のレベルにこそ働くから。そういって対ドーキンス論陣を張ったグールド。彼の視線は生き物それ自体に、いつも優しく柔らかい。

グールドの巧みさは話題の発見にある。それを呼び水に読者はいつしか華麗な世界に誘われる。例えばマルクスとダーウィン。

「資本論」が献本され、礼状が書かれた。マルクスの質素な葬儀に、なぜか場違いな人物ランケスターが参列していた。彼は、ダーウィンの弟子ではあるものの、マルクス思想とは正反対の保守的学者だった。

しかし、ある事象を、現在から遡行して見て、場違いだなどと判断してはいけない。これは進化の見方についての戒めでもある。グールドは、願明ながら頑固な老人と才気溢れる若人の、最初の出会いをみずみずしく再現してみせる。

例えば「ロリータ」と著者ナボコフ。彼が昆虫オタクだったことは有名な話で、作品との関係があまた取り沙汰されている。グールドはそのほとんどを神話か偏見として一刀両断する。

ナボコフは蝶に関するプロの研究者だった。彼にとって真理は美であり、美は真理だった。そうグールドは鮮やかに語る。そこには単なる記述のレベルを超えた感情の移入がある。

私がドーキンスよりも、グールドが好きな理由もここにある。二人は、科学に対するスタンスが決定的に異なる。グールドには屈折があり、隠された本心がある。科学は万能ではないと。凝った文体や大掛かりなレトリックはその裏返しにすぎない。おそらくグールドはマルクスを心から敬愛していたのだ。

そして美しいものを愛し、同時に言葉を愛した。ほんとうはナボコフのようになりたかったはずなのだ。若くしてガンを患ったグールドは自分の時間が有限であることをはっきりと悟っていた。

それゆえ終章の9・11についての省察は悲痛ですらある。
グールドが惜しまれつつこの世を去ってはや9年。新著が今頃読めるということは(あとがきによれば、ひとえに訳者のせいだということだが、そのぶん大変こなれた日本語になっており)読書界への全く素敵なプレゼントである。

それは同時にグールドからの最後の贈り物でもある。

「阿蘭陀が通る」人間交流の江戸美術史 タイモン・スクリーチ〈著〉…朝日新聞10月2日12面より

2011年10月02日 13時17分28秒 | 日記
異国人と日本人の交流鮮やかに 評・田中 貴子 甲南大学教授・日本文学
 
島田荘司が写楽の正体解明に小説のかたちで挑んだ『写楽 閉じた国の幻』(新潮社)を読んだとき、その「正体」には疑念を覚えたものの、別の話題にすこぶる興味をひかれたことがある。18世紀のオランダ人たちによる 「参府」がそれである。

「参府」とは、長崎・出島に駐在しているオランダ商館長(カピタン)と医師、そして書記の3人が、日本人通訳らとともに江戸へのぼり将軍にお目通りする儀式である。初期は毎年行われていたが、後には数年おきになったという。

3週間の江戸滞在のために、往復4ヵ月もかかった記録がある、大がかりな行事だった。当然、道中では異国人と日本人との間に何がしかの交流があっただろう。

そうした人的交流の記憶を、絵画資料をもとに再構成したのが、まさに本書なのである。「阿蘭陀人」と一括されたヨーロッパ人たちは、各地の旅館や料亭、出会った人々の様子を「オランダ商館日記」に書き残していたのだ。

著者は日本側の資料と「オランダ商館日記」をつきあわせることによって、日欧交流の現場とその温度差をあぶり出すことに成功している。

たとえば、各地の観光案内ともいえる「名所図会」の挿絵にはしばしば異国人が描かれるが、本書によると実際彼らは京大坂で名高い寺院に行き、人形芝居を見ていることがわかるのだ。現代人が思っているほど、江戸時代の異国人は「不自由」ではなかったということだろう。

ただし、死んだ異国人の土葬については、厳しく制限されていたようだ。中でも、参府の帰途で没したカピタン・ヘンメイの西欧式の墓が静岡県に造られた経緯は、死をめぐる文化交流の具体例である。

このヘンメイに随伴した書記・ラスこそが島田の小説の中心人物だ。両書を読み比べてみるのも面白いだろう。「閉じた国」日本という認識を改めさせる好著である。

▽Timon Screech 61年生まれ。ロンドン大教授。専門は日本近世文化。

「世界史を変えた異常気象」 エルニーニョから歴史を読み解く 田家康〈著〉…朝日新聞10月2日12面より

2011年10月02日 13時09分21秒 | 日記
自然が征服者の運命まで左右   評・荒俣 宏 作  家

世界各地で発生した人類史の大事件や大災害の多くには、エルニーニョ現象の影響があったと、近年取り沙汰されている。本書はそれを裏付けつつ、そんな大災害をより一層ひどいことにした張本人も、じつは人類自身だったと、語る。

まずエルニーニョの発生現場であるペルー沖で起きた事件が、ピサロ船団によるインカ帝国侵攻と金銀の奪取だ。エルニーニョが起きてフンボルト海流が弱まらなければ、そもそもピサロはペルーに辿り着けなかった。

遠いヨーロッパでナポレオンとヒトラーがともにロシア遠征に失敗したのも、エルニーニョが深く関係している。

話はアジアでも同様だ。たとえば19世紀後半に何度もインドを襲った大干ばつと飢饉は異常気象と植民地問題との「合作」だった。

当時でも、穀倉地帯に雨を降らすモンスーンが弱くなると大飢饉が発生することは経験的に知られていたが、ロシアのアジア南下を懸念する宗主国イギリスは、防備策も救済策も積極的に行わなかった。

インド総督のリットンら幹部はそろって、東インド会社経営の学校で経済学を教えたマルサスの人口論を信奉しており、飢饉はむしろ植民地の人口爆発と食糧危機を抑える有効手段と考えていたのだ。

また水事情の悪化により汚染水を通じてコレラまでがインドから世界に蔓延し、合計で数千万単位の死者を出した。中国でも西太后のもとで洋務運動を展開中に何度も大飢饉が発生し、結果、日本のような近代化が成らず清朝滅亡に至った。現地では食人すら行われ、人肉が売られたほどの酷さだったという。

こうして多くの犠牲を土台にしつつ飢饉と自然現象の関係を追究した人類が、ついにエルニーニョ現象に行き着くまでの経緯を、本書は科学と歴史両面から熱く語る。次は日本編が読みたくなるほどおもしろい。

▽たんげ・やすし59年生まれ。農林漁業信用基金漁業部長。気象予報士。『気候文明史』