文明のターンテーブルThe Turntable of Civilization

日本の時間、世界の時間。
The time of Japan, the time of the world

Hさんへ、10月17日。

2011年10月17日 19時52分49秒 | 日記


gooにおける昨日のアクセス数は、以下の数字でした。


 


1016日のアクセス数


閲覧数:3,651PV    訪問者数:660IP


順位: 662 / 1,644,155ブログ中 (前日比  )


 


一方昨日のアメーバは 閲覧数:751 訪問者数:479


昨日のFC2は 閲覧数:506 訪問者数:459



gooの、ページごとの閲覧数ベスト20は以下の通りです。


 


1トップページ90 PV


2欧州の問題が影を落とし出している最中にも...43 PV


3バブル崩壊への連鎖防げ朝日3面、編集委員...43 PV


4米国 「拝金社会変えたい」今朝の朝日2面から。39 PV


5日本の、たった3万人に所属して来た人たち...39 PV


6格差ノーデモ世界一周 80力国・地域の若者...38 PV


7オリンパス、社長解任 ウッドフォード氏就...37 PV


8怒りの声連帯  欧州  仕事も、恐れもない...34 PV


9「アニメとプロパガンダ 第二次大戦期の映...34 PV


10「江戸尾張文人交流録 芭蕉・宣長・馬琴・北...32 PV


11今朝、寝直した後に浮かんできた事。32 PV


12黄金のフルートをもつ男 ジェームズ・ゴー...32 PV


13メジャー級アメリカ 経済学に挑んで 佐藤...31 PV


14書評欄も毎週となれば当たり外れが有るのも...29 PV


15「父 高山辰雄」 高山由紀子〈著〉朝日...28 PV


16「死のテレビ実験 人はそこまで服従するの...27 PV


17「アメリカ」のヴェンチュラ・ハイウェイ♪...25 PV


18日経新聞、詩歌・教養欄が「阿部公房」を取...24 PV


19突然のオリンパスの騒動をアップしたのは伊...23 PV


20オリンパス株一時17%安に…1014日日経夕...22 PV


 


 


 


 



或る人が夕刊もなかなかですよね、と言い、芥川は日経が特にね、と答えた。モンテプルチャーノ。

2011年10月17日 19時21分54秒 | 日記
モンテプルチャーノ    棚木 伸明
 
どうせ眠るだけなんだからと高をくくって、最安値の部屋に泊まったのが悪かった。2月半ばのヴェネチア。通貨はまだリラだった。教会やパラッツォや美術館を見た後、くたびれて帰ってくると、毎晩部屋がしんしんと冷えている。やけに喉が渇くなあと思ったら、案の定風邪を引いていた。4日目にあえなく撤退して、南へ行くことにした。
 
ひとり旅だから身軽である。フィレンツェまでの切符を買い、汽車に乗り込んでから行き先を考えることにした。トスカーナという地方名のぽかぽかした響きを愛でながらガイドブックを読んでいたら、モンテプルチャーノという町が目についた。こりやあうまそうな地名だと直観して、短い解説文を読むと、昔小説家ヘンリー・ジェイムズが滞在して地ワインを大いに楽しんだのだという。よし、この町でヴェネチア風邪を治してやろうと心に決めた。
 
フィレンツェで汽車を乗り換え、キウージの駅前からバスに揺られて着いたのは、標高600メートルの丘の上の町。オフシーズンのせいかガイドブックー押しの宿もがらがらで、最上階の広い部屋に案内してもらった。散歩に出ると、通りは静まりかえっている。中世そのままの街並みに、アールヌーボー様式のしゃれたカフェが混じっていたので、入ってみた。食欲がなくて朝から飲まず食わずだったのだが、名物の赤ワインを飲んでみることにした。
 
グラスワインとミネラルウオーターを注文したら、チーズがおつまみについてきた。窓際の席に腰掛けて、夕闇が迫る平野を遥かに見下ろしているうちに、深紅の液体が体に染みわたって、熱っぽくこわばった節々がみるみるほぐれていくのがわかった。そして、人生の最後の食事はこんなのも悪くないね、と誰かがつぶやいたような気びした。
 
だが当時30代だったぼくは、そのまま眠るには若すぎた。部屋へ戻り、バスタブにつかって手足を伸ばすと、猛然と空腹感が襲ってきた。着替えて再び外へ出て、一軒だけ明かりが灯っている食堂の扉を開けた。旅日記を見ると、「ハムとサラミの盛り合わせ、ラビオリ、ウサギ、パン、赤ワイン半リットル、炭酸水、果物の盛り合わせ」と書いてある。ウサギがどんな料理だったかは忘れたが、その晩、大きなベッドでぐっすり眠ったのはよく覚えている。
 
朝食は「蜂蜜つけたクロワッサン3つ、スクランブルエッグ、赤いオレンジジュース」。快晴、快癒。まずは市庁舎の塔へ上って町全体を眺めてから、いくつもの教会でお貧銭をあげて、ロウソクを立てた。あるチャペルでもらった聖バルトロマイのカードは、今も定期入れに入れて、風邪除けのお守りにしている。
 
最近思い立って、ヘンリー・ジェイムズがモンテプルチャーノについてどんなふうに書いているか調べてみた。分厚いイタリア紀行文集をとばし読みしていったら、わずかIページだけの記述が見つかった。
 
小説家は、名高い地酒をたらふく飲めるこの町を賛美した後、丘の上の町を船にたとえてこう記す…「酷使したせいであちこちがたがきている上に、荷物を積み過ぎ、長すぎる帆柱を掲げた大船が、すみれ色の海原をゆく」ようだ、と。ああなつかしの、赤ワインを満載した老船!近いうちにあの癒やしの町を再訪してみたくなった。
      
(アイルランド文学者)


今しがたまでNHK・BS1でナブラチロワ…の番組を放映していた。

2011年10月17日 19時02分32秒 | 日記
いつもなら観ているはずが夕食に専念していた…番組名もちゃんと見ていなかったのと、不要無用の敬遠したい気持ちが働いていたのだろう。所謂、食わず嫌いの様な。

勿体ない事をしてしまった。夕食を終えて観てみれば、これもまた、日本では作れない(米国以外では作れない)素晴らしい番組だった。…「本当の自由というものが社会の土台にある国にしかないもの」があるのだ。

3分の2以上を観のがしてしまった痛恨の番組名は「比類なき友情~ナブラチロワとエバート」だったのである。

滅多にない、ライバルの間に芽生えた真の友情…親友を持っている人なら誰でも分かる本物の親友二人の物語だった。しかもナブラチロワとエバートという、女子テニスをスポーツにしたと言っても過言ではない両雄の話だったのだから。


©芥川賢治

株一時ストップ安  オリンパス…日経夕刊3面から。

2011年10月17日 18時03分34秒 | 日記
17日の東京株式市場で、オリンパスの株価が大幅続落し、制限値幅の下限(ストップ安水準)である前週末比500円(24%)安の1545円まで売られる場面があった。2009年5月以来、約2年半ぶりの安値水準。ウッドフォード氏による英紙での発言が伝わり、経営の先行きを不安視する売りが殺到した。

社長解任を受け、野村証券やゴールドマン・サックス証券など複数の証券会社が投資判断を引き下げている。

*先般、富士通でも同様の社内人事のゴタゴタがあったが、だからといって、富士通や、オリンパスの様な会社が潰れる事は有り得ない…富士通が証明している通り。

株というものは、或いは仕手筋というものは、とにかく何でも売り買いの材料にするものである。

富士通、オリンパス等は、どちらかと言えばボラテリティは、そんなに高くはない…短期売買者にとっては、それほど魅力のある株では無いから、こんな時は「来たか長さん、待ってたドン」なだけ。

資金に余裕のある人は、頃合いを見計らって買えば良いだけの事。

何故って?オリンパスは盤石の基盤を持った優秀な企業だからですよ。

2,3人の経営者で成り立っている様な、或いは、孫正義で成り立っているソフトバンクの様な会社ではないからだ。

これでは「藪の中」…オリンパス 解任理由食い違い 日経夕刊3面から。

2011年10月17日 17時46分04秒 | 日記
前社長、英紙に「過大支出を指摘」 オリンパス「会見通り、独断専行」
 
オリンパスの社長を14日付で解任されたマイケル・ウッドフォード氏は、17日までに一部海外報道機関に「過去の企業買収で過大な支出があったと指摘したことが解任の要因」と話した。これに対し、オリンパス首脳は17日朝、「当社の見解は先週の記者会見で話した通り」と述べた。
 
ウッドフォード氏が英フィナンシャル・タイムズの取材に応じた内容によれば、同氏はオリンパスが2008年に実施した英医療機器メーカーのジャイラス買収やそれ以前の日本企業の買収について「ファイナンシャル・アドバイザーなどに過大な支払いをした可能性がある」と話している。
 
オリンパスは17日、日本経済新聞の取材に「過去の買収は適切に会計処理している」(広報・IR室)と答えた。
 
同社は14日にウッドフォード氏の社長解任を発表。記者会見した菊川剛会長(現・会長兼社長)は解任理由を「ウッドフォード氏がデジタルカメラなど各事業のトップを通り越して現場に直接指示を出し、独断専行的な経営判断で組織間の連携を損なった」なとと説明していた。
 

今日、手元に届いた今週号の週刊アエラ・巻頭コラムで思想家・内田樹は…。

2011年10月17日 17時31分23秒 | 日記
今日、手元に届いた今週号の週刊アエラ・巻頭コラムで思想家・内田樹は、とても良い文章を書いているのだが…大意は米国の時代は終わった…彼はあの国は終わったとかいう様な言い方が好きな様なのだが、芥川は違和感を感じた。何故なら、ならば終わっていない国=次の覇権国家と言う事になる訳だが=とは中国の事かい?と突っ込みたくなるからである。正気の沙汰で物を言っているのかい、とまで突っ込みをいれたくなるからである。

この違和感に対する回答が先程アップした…芥川の「文明のターンテーブル…国家の意思決定、国家戦略についての解答」は、なぜ凄いか?なのである。

短いが、もっと遠慮のない短文が続くのだが、それは「文明のターンテーブル(II)…21世紀の安全保障」の中に書く事にした。

芥川の「文明のターンテーブル…国家の意思決定、国家戦略についての解答」は、なぜ凄いか?

2011年10月17日 17時03分25秒 | 日記
芥川の「文明のターンテーブル…国家の意思決定、国家戦略についての解答」は、なぜ凄いか?

TPP加盟しようがしまいが…加盟しなくても日本は成り立つ。日本は栄える、世界を救える。

言うまでもなく、芥川以外に誰も発想し得なかった、どえらい解答を提示しているかである。

TPP、今それをしなければ日本は滅亡するかの如くに学者たちや大新聞の論説委員達が例によって、またまた横並びに全く同じ論を張っているわけだが、TPPに加盟したからといって、実質的には今でも世界第二の超経済大国である日本が、あるべき姿に戻り、「文明のターンテーブル」が廻った国として、米国と屹立して世界をリードし、その役割を果たして行くという事は、TPPに加盟するという事では出来ない、果たせない。

むしろ、そんな事だけを考えているという事は、あと170年間栄え続けなければならない「文明のターンテーブル」が回った国としての役割を放棄し、実に愚かしくも、本当の意味で栄え続ける事もなしに、あっと言う間にサンタナの「哀愁のヨーロッパ」ならぬ「哀愁の日本」を奏でる愚かしさを為すようなものなのである。

中国「留美派」金融外交担う…日経新聞10月17日8面より

2011年10月17日 16時48分28秒 | 日記
日本を抜いて世界第二の経済大国となった中国が、国際金融の分野でも発信力を強めている。前線に立つのは、米国で博士号を取得した「留美派(米国〈中国語で美国〉に留学した人たち)」だ。国境や官民、産学の垣根を越えて経験を積んだ世代が、国際化をマイペースで進める通貨人民元の担い手にもなっている。

IMFでも要職手中に

「グローバル経済の構造変革を反映させ、新興国の声をもっと拡大する必要があった」
 中国人では初めて国際通貨基金(IMF)の副専務理事に就いた朱民氏(59)は3日、訪問先の東京での会見で、中国が「高ポスト」を得たことを当然視してみせた。

そして、すぐにこう続けた。「国際市民を自負している。専務理事を支え、国際経済の安定を図ることが任務だ」。中国の「利益代表」と受け取られないように、気配りも示した。

2008年の金融危機で沈む先進国を尻目に、中国はごIMFへの出資比率を6位から3位へ急上昇させ、発言力を求めてポスト奪取に動いた。大手国有銀行・中国銀行の副頭取だった朱氏を09年秋に中国人民銀行(中央銀行)副総裁にして公職の「はく」を付け、10年5月にIMFの特別顧問として送り込んだ。

そして、今年7月には副専務理事に登用された。中国にとって「金融外交家」(地元紙)の切り札だった。
文化大革命で中断されていた大学入試の復活で1978年に上海・復旦大に入学。85年に米国に渡り、プ
リンストン大で修士、ジョンズホプキンズ大で経済学博士号を取得し、世界銀行でも働いた。

帰国後は中国銀行の香港上場を海外投資家にもアピールして成功させ、副頭取に。英語で中国経済を説明し、時にユーモアを交えながら議論できる学者肌が、外国人に好まれた。

日本の財務省幹部も認める。「明晰で、踏み込んだ話もできる。中国が念願のポストに送り込んだ人材だけのことはある」ワシントンで9月下旬に開かれたIMF・世銀総会には、朱氏のほか、中国経済と人民元の国際化を担う人々が出席し、その発言が注目された。

「欧州の問題を解決できるのは欧州自身だ。中国の支援は限定的だ」。人民銀副総裁の易綱氏(53)は、セミナーで率直に語った。

易氏はやはり78年に北京大へ入り、米イリノイ大で博士号取得。インディアナ大では教壇に立った。帰国後は、世銀でアジア人初のチーフエコノミストについた台湾出身でシカゴ大経済学博士の林毅央氏(59)とともに、北京大に中国経済研究センターを立ち上げた。人民銀に転じて14年。国際会議の常連だ。

「我々は欧州を支持する。だが国家の財富を運用する以上、利益が保証されるものでなければならない」。別のセミナーには、中国政府系の投資ファンド 「中国投資(CTIC)」社長の高西慶氏(58)が登場。

資金難にあえぐ欧州の財政危機国などからは、中国からの投資への期待が大きいが、高氏は安易な投資はしないと釘を刺した。

高氏は文革中に工場労働者でありながら奮起して英語を学び、大学を卒業。米デューク大で法学博士号を取り、80年代はウォール街の法律事務所で働いた。帰国後は、役人として証券市場の立ち上げや社会保障基金の運用に携わった。

文革中は朱氏は砂糖工場で数十キロの袋を運び、易氏は農村の人民公社の生産隊長だった。そこから大学に入れたのはごく一部だ。

朱氏らの上の世代には国際経済の知識や英語力を持づ人材が乏しい。国内中心だった人民銀総裁の周小川氏(63)ら現在のトップ世代とわずかな年齢差ながら、彼らは中国経済の国際化の最前線を切り開いてきた世代である。

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20~30代も予備軍続々

朱氏らに続く若手世代は、中国の国際化を担う人材が厚い。朱氏らが留学した80年代前半は、米国の大学で学ぶ中国人は1万人ほど。今は約13万人と10倍を超える。

学部が約52%を占める日本人とは対照的に、52%が大学院で専門性を高めている。米国に限らず、留学で出国する人も90年ごろまで毎年数千人規模だったが、10年には30万人近くに達した。

人民銀国際局長からTMF中国代表理事に選ばれたばかりの張濤氏(48)も米国で博士号を取得。世銀やアジア開発銀行で10年近く働いてから04年に人民銀に。

人民元を国際通貨に育てるために09年に新設された貨幣政策第二局の局長も、米国での弁護士経験を持つ同世代だ。時価総額で世界最大級の国有商業銀行「中国工商銀行」で最も若い副頭取の張紅力氏(46)は、米留学後にドイツ銀行などで要職を歴任してきた。

国有金融機関のある幹部は言う。「政府は戦略的に有用な海外人材をチェックしている。海人も自らの能力をいかす場を貪欲に求めている。20代、30代には朱氏らの予備軍が世界に散らばっている」(北京=吉岡桂子)

世界とつながれるのは 勇気と愛嬌のある人だ…朝日新聞10月17日14より

2011年10月17日 16時45分18秒 | 日記
グローバルアストロラインズ(株)代表取締役社長 児玉 教仁さん

文中黒字化は芥川。

ビジネスの世界では誰もが一目置く、ハーバード大学経営大学院のMBA。地球上のあらゆる国と地域から、社会経験を経たエリートが入学し知の研鑽を積むというイメージがあるが、卒業した児玉さんは思いがけない話を聞かせてくれる。

もちろん経営や経済について学ばなくては評価を得られないが、体得すべきはもっと「熱い」ものだというのだ。

「机の上で理屈をこねてぐちゃぐちや言ってないで、リスクを取ってとにかく何かにチャレンジしなさいと、お尻をたたく教育でした(笑)。学歴社会でトップを走っていたかどうかなんて何の意味もなく、裸になって自分らしく、全力で成し遂げていくことが大切だと教えられました」

…後略。

女性政治家、アジアで台頭 タイ 初の首相が誕生 韓・台 リーダー候補に…日経新聞10月17日6面より

2011年10月17日 16時29分11秒 | 日記
「世襲」の要素も

専門家の見方 名家に安心感 階層が固定化

岩崎育夫・拓殖大国際学部教授 

アジアでも社会が成熟するにつれて階層が固定化した。経済界だけでなく政界でも2世、3世が増えている。後継者に男性がいなければ女性でよく、日本に比べ女性の社会進出が早かったアジアはリーダーとして受け入れる土壌があった。

一族にとっては政治のファミリービジネス化であり、国民側にも個人の能力を問うより、名家だから安心といった「ブランド信仰」が強い。女性政治家の台頭はそれらが結合した結果だ。

中国企業 トップ30 テンセント 7億人動かす新事業…日経新聞10月17日6面より

2011年10月17日 16時18分05秒 | 日記
「社交の場」活用 電子商取引に参入

国慶節(建国記念日)の長期連休が明けた中国。インターネット業界全体が注目する電子商取引(EC)サイトが11日に広東省限定で開店した。

ネットサービス大手の騰訊控股(テンセント)が家電の易迅など有力EC6社と立ち上げた「QQ網購」。運動靴、宝飾品、化粧品などの製品も並んでいる。

騰訊は文章や画像を手軽にやり取りするインスタントメッセンジャー(IM)で7億人の利用者を誇る最大手。同時接続者は最高1億3千万を記録。その巨大企業が今春からEC大手に出資を繰り返し、ネット業界は 「いよいよECへの本格進出」と身構えていた。

中国でECといえば、アリババ集団の「淘宝(タオバオ)」だ。4~6月期のBtOC(企業から消費者への販売)市場でのアリババのシェアは32・8%(調査会社の易観国際調べ)。

2位の京東商城(12・4%)との差も大きい。騰訊の新ビジネスは自らは商品調達や物流を手掛けず、他社に商売の場を提供して“家賃”を得る方式。王者アリババに同じビジネスモデルで挑む。

易観の陳寿送アナリストは「アリババを脅かすには時間がかかるが、必ずEC市場の一角を占める」とみる。
中山大学の王帆教授は「IMでのおしゃべりの最中に、関連する商品の広告を出すなどアリババにできない手法を繰り出すだろう」と予想する。例えばテニスの話題になったときに運動用品を売り込むといった具合だ。

中国最大の「社交の場」を押さえる騰訊の優位性はEC市場でも高い。IT技術者だった馬化騰・最高経営責任者(CEO、39)が1998年に創業。当時、米AOLの手掛けるIMが中国でも広がっていたが、中国語版がなかった。馬氏が中国語版を開発し、ネットで無償配布したところ利用者はあっという間に増加。1年あまりで500万人を突破した。

実は創業当初の馬氏にとって利用者の増加は頭痛のタネだった。無償配布で収入はないのにサーバーなどのコストが膨らむ一方だったからだ。携帯電話でIMサービスをできるようにし、電話会社から通信料の一部を受
け取った。その後も利用者からお金を引き出す方法を考え続けてきた。

2010年の売上高196億元(約2370億円)のうち、79%を占めるのがオンライングームなどパソコン向けサービス。携帯電話向けのIMやコンテンツ配信、ゲーム配信が14%でこれに続いた。ゲームは日本のグリーや米ジンガから供給を受けながら競争力の維持を狙う。

11年1~6月期の売上高は前年同期比47%増、純利益40%増と好調が続くが、収入の伸びを支えてきた利用者増の飽和への懸念も強まる。4~6月期の最高同時接続者の1億3670万人は直前の1~3月期に比べO・4%減。04年の株式上場以来初の減少だ。

「みなさんと一緒に、もう一つの騰訊をつくりたい」。馬氏は6月、北京市でネット業界関係者1千人に協力を呼びかけた。

事業では他社とは組まず、利用者を独占しているとの批判もあった騰訊の「開放宣言」だ。EC大手とのサイト開設もその一環だ。膨大な利用者に財布を開かせる試行錯誤は今後も続く。

〈記者の目〉始まりは「模倣」

5日死去したアップルのスティーブージョブズ氏が「革新者」と称賛されるのに対し、騰訊の馬氏には「模倣者」の悪評がつきまとう。IM、ゲーム、ミニブログと他社の後を追った。

ただ馬氏には改良を重ねた自負がある。IMではパソコンを替えても過去の対話相手の記録が残るようにし、属性の指定で見ず知らずの人と対話できるようにした。騰訊の時価総額は中国ネット業界のトップクラス。消費者を引きつけるのは華々しい革新ばかりではない。(広州=桑原健)




グローバルオピニオン 情報戦、連合体で対処を  ドナルド・ラムズフェルド氏…日経新聞10月17日5面より

2011年10月17日 16時11分05秒 | 日記
元米国防長官  ドナルド・ラムズフェルド氏

21世紀の今日、国際社会が抱える問題を1国だけでは解決できない。海賊の問題、大量破壊兵器の拡散、国際テロ、麻薬禍。いずれにおいても多国間での協力は不可欠だ。その「協力」は同じような考え方を持つ国同士によるものが基本となるだろう。

その上で、すべての国に求められているのは諜報(ちょうほう)・情報収集における「優越性」である。どの国も、この分野で独占を享受することはできない。多くの国と情報を共有しなければならないのだ。自分自身や同盟国に対する潜在的な敵や脅威について、より良い情報を人手する。それこそ、今の最重要課題だ。

仮に米国で生物兵器が使われれば被害者数は30万人になるかもしれない。これは何を意味するのだろうか。政治家や指導者にとって、過ちが許される「余地」がとても小さいということだ。

我々は今、伝統的な軍艦、戦車、兵力といったものとは別のものを相手にしなければならない。ネットワークであり、過激な思想であり、非国家主体だ。

これらを諜報・情報収集活動の対象にすることは極めて難しい。実際、いずれの国もこの事態に対処し切れていない。だから同じような考えを持つ国々で「連合体」を形成し、情報を共有しなければならない。

この分野に指導者たちはもっと投資し、賢明な判断を下すべきだ。さもないと、大量の人命を失うリスクは高まっていく。

アジアに目を転じれば今後、数十年間にわたり日本の役割は重要さを増していくだろう。その場合、韓国やシンガポール、豪州、フィリピン、インドなどとの連携をいかに強めていくかがカギとなる。地域のすべてのプレーヤーに対して「安定」を損なうことをやってはならないという空気を醸成することが肝要だ。

中国は東南アジアだけでなく、ロシアやインドも含め、隣国と多くの問題を抱えている。領土に関する彼らの考え方は、国家の権利・特権に関する伝統的な考え方とは違う。

だからこそ、この地域の国々が「共通の考え」を形成していく必要がある。日本も重要な一員であり、多くの国に支持される考えを生み出さなければならない。それは昨今の中国が示している拡張主義的なものと真っ向から反するものであるべきだ。

この点で、いわゆるソフトパワーもとても重要になる。だが、それは軍事力と組み合わせなければならない。歴史が示す通り、軍事力は最後の手段だが、外交もその後ろ盾がないと効果を発揮できない。

外交と軍事力の組み合わせこそ、他国を説得するソフトパワーを生み出す。日本もその軍事力と経済力、外交を組み合わせれば、もっと(世界で)重要な位置付けをされることだろう。

Donald RUMSFELD ブッシュ政権で史上最年長の国防長官に就任。米同時テロ後の対アフガニスタン、イラク戦を指揮。下田会議に参加した知日派の面も。79歳。
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サイバーも主戦場に

ブッシュ政権で対イラク戦争の指揮を執ったラムズフェルド氏については古典的な「力の論理」の信奉者という
見方が多い。しかし、米軍の体質を21世紀型のハイテク仕様へと切り替える「米軍変革」を試みたように、その考え方は革新的だ。

同氏が「最重要課題」と指摘した諜報・情報分野における多国間協力体制も今後、大きな意味合いを持ってくる。サイバーや宇宙、海洋など「3大公共空間」を主戦場とする21世紀の安全保障政策で、情報の優越性は死活的に重要になるからだ (編集委員 春原剛)

蓄電池性能 大幅に向上…日経新聞10月17日1面より

2011年10月17日 16時06分40秒 | 日記
トヨタ 連続1000キロ走行 NEC 住宅用 寿命20年

自動車や電機大手が蓄電池の使い勝手を良くし性能を大幅に高める技術を相次ぎ開発した。トヨタ自動車は連続走行距離がガソリン車並みか、それ以上の1000キロメートルに迫る電気自動車(EV)に道を開く次世代電池を試作した。

マツダは電池の容量を2倍近くに増やせる電極材料を開発、NECの技術は20年間もつ長寿命の住宅用蓄電池を可能にする。電力の安定供給のためスマートグリッド(次世代送電網)に組み込む用途も見込め、各社は拡大する蓄電池市場で主導権確保を狙う。(蓄電池は3面「きょうのことば」参照)

実用化へ開発急ぐ

トヨタと東京工業大学、高エネルギー加速器研究機構は新化合物を使った次世代蓄電池を試作した。EVに搭載しているリチウムイオン電池並みに、加速に必要な大電流を出せる。従来の試作品の4~5倍にあたる。燃えやすい液体を使わない「全固体電池」で、発火防止材などが不要な分、構造を簡略化しコストを低減できる。

シート状に加工しやすく、同じ容積にためられる電気の量は「数倍増やせる」(東工大の平山雅章講師)。連続走行距離を現行の小型EVの約200キロから1000キロ程度に延ばせる可能性がある。住宅用に使う場合も小型化しやすい。さらに改良し、2015~20年の実用化を見込む。

新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が昨年公表した蓄電池の技術開発ロードマップでは、EV向け次世代蓄電池で一定容量あたりのコストは20年に現在の5分の1~10分の1になると想定。トヨタなどはこれを参考に全固体電池のコスト分析を進める。

マツダと広島大学は容量を約1・8倍に増やせる電極材料を開発した。直径数百ナノ(ナノは10億分の1)メートルの球状炭素分子を使う。容量あたりの重さはほぽ半減し、EVの連続走行距離は2倍以上になると見込む。5年程度で実用化を目指す。

NECは電極に従来のコバルトに比べ価格が20分の1程度のマンガンを使うリチウムイオン電池を開発した。電解液の成分も調整、発熱しにくく充放電を2万回繰り返せる性能を実現した。

料金の安い深夜電力をためて日中に使う利用法で、13年間はほぼ問題なく使える計算。既存の電池は7~8年。寿命をさらに20年に延ばし5年後の実用化を目指す。

産業界では蓄電池はEVにとどまらず、スマートグリッドやスマートハウス向けなど用途が拡大している。日本IBMなどは仙台市とエコタウン計画を進め、富士通は福島県にスマートシティ計画を提案。太陽光など再生可能エネルギーの電力を蓄えて安定供給するには、大容量の大型蓄電池の整備が不可欠という。

ソニーや東芝は携帯電話などの蓄電池に使われているリチウムイオン電池の大型化に取り組んでいるが、発熱しやすいという問題がある。送電網に組み込む大容量の電池はなお開発途上だ。

ローマで一部暴徒化…朝日新聞10月17日11面より

2011年10月17日 16時04分56秒 | 日記
ローマでも15日、若者らが大規模な反格差デモを実施した。そこに紛れ込んだ過激派が車両に火を付けるなどし、放水や催涙ガスで排除を試みる警官隊と衝突して市内は一時混乱。

地元メディアによると、暴動を止めようとしたデモ参加者や警官ら70人が負傷し、12人が拘束された。
過激派は「ブラック・ブロック」と呼ばれる無政府主義者の集団で、過去にも反サミットデモなどで破壊行為を繰り返してきた。

べルルスコーニ首相は「暴力行為は罰せられなければならない」と強く非難した。一方、イタリア中央銀行総裁で欧州中央銀行(ECB)総裁に就任予定のマリオ・ドラギ氏は「暴力は受け入れられない」とする一方で、デモ参加者に向けて「私たち大人も危機に苦しんでいる。

20代、30代の人が金融機関をスケープゴートにしているのも理解できる。対立は残念だ」と話した。(ローマ=石田博士)