8月から本格的な組み立て作業に入っていた。カバーは縦47メートル、横42メートル、高さ54メートルで、ポリエステル繊維のパネルと天井、放射性物質を吸着するフィルター付き換気装置が取り付けられている。
毎時約4万立方メートルの空気を換気して、放射性物質の濃度を10分の1程度に低減できるという。放射能の測定のため、建屋内から漏れ出す放射性物質を採取する作業もより正確にできる見込み。
組み立て作業を簡素化するため、部材の数をできる限り減らし、日本建築をヒントにねじやボルトを使わない方式を採用した。台風などに伴う強風で風速が設計値を超えても崩れて中の建屋を損傷させず、土台が動いて建屋に寄りかかる構造にしたという。
カバーの使用期間は約2年を想定。その後、カバーに代わって強固で気密性が高い素材で建屋全体を覆い、損傷燃料を取り出すことを検討している。
1号機と同じように爆発で屋根が損傷した3、4号機は、来年夏以降、カバーなどの覆いを取り付ける工事を始める予定。