日本初のフリーゲージトレイン(軌間可変電車)の開発を進めている鉄道建設・運輸施設整備支援機構とフリーゲージ技術研究組合は、6月から9月まで実施してきた走行試験で課題だったカーブ走行をクリアし、在来線での目標速度を達成した。
国土交通省は10月下旬にも軌間可変技術評価委員会を開き、今回の試験結果を評価する。耐久性や経済性なども調べ、2013年にも実用化のメドをつけたい考え。
フリーゲージトレインは左右の車輪の幅を変えて、線路の幅が異なる新幹線から在来線に乗り入れする新型列車。18年ごろの開業を目指す九州新幹線長崎ルートへの導入が予定されている。
これまで新幹線区間で時速270キロメートル以上の安定走行や、在来線の直線部での時速130キロメートル走行という目標は達成していたが、カーブ走行に課題があった。
鉄道・運輸機構は小型・軽量化した新台車を導入し、走行試験を実施した予讃線の線路の枕木をコンクリートにしたり、線路と線路を溶接して 「ロングレール化」したりするなど線路側も補強した。
課題だったカーブ区間で在来線の特急と同じ速度で走行するという目標を達成したという。11月半ばから12年末まで予讃線の多度津~松山間(約162キロメートル)で10万キロメートルを走り込む耐久性試験を実施する計画だ。