文明のターンテーブルThe Turntable of Civilization

日本の時間、世界の時間。
The time of Japan, the time of the world

この2週間以内に食べようかと思っていたものと全く同じ2品。…日経プラス1から。

2011年10月30日 21時57分21秒 | 日記
財津 和夫
  
「ときどき、熊性に食べたくなるんですよね」。かつて緊張で身を固くした「かんだやぶそば」(03・3251・0287)はくつろげる場所になり、よく足を運ぶ。お気に入りのメニューは芝エビをごま油で揚げた、かき揚げ入りの「天ぷらそば」(1800円)だ。
  
「せいろうー、いちまーい」と語尾を伸ばす帳場の声は、十数人が働く厨房に、間違いなく注文が届く工夫として定着したのだという。店に隣接した待合室にまで客が並ぶこともある。
  
「そば屋のてんぷらは衣を食べるともいいます。熱いつゆと一緒に召し上がってください」と4代目店主の堀田康彦さん(67)。1880年創業の老舗は、つまみも充実。アイガモの胸肉を煮込んだ「鴨(かも)ロース」 (700円)はよく注文する一品だ。

ここと殆ど同等のものが食べられる蕎麦屋が大阪にも在るので。

こういう朝日新聞は、芥川が40年超、愛読して来た部分の一つ…Beから。

2011年10月30日 19時50分15秒 | 日記
高校3年生の女子です。中学生の頃から悩んでいることがあります。母親の浮気です。
 
私の家は真面目な父、弟、私、そしてパートの母の4人家族です。母は以前から年齢よりも若い服や靴を好み、美容などにも関心を持っていました。私も抵抗はなく、むしろ良いことではないかと思っていました。
 
しかし、数年前に、絶対に父ではない男の人との、明らかに浮気とわかるような親密なメールを見てしまいました。とてもショックで裏切られたような気持ちでしたが、誰にも言えず、ずっと黙っていました。つい最近再び、しかも嫌悪を抱くほどもっとエスカレートしたメールを見ました。それから、私は母が信じられなくなりました。
 
受験を控え、ちょっとしたことで母と口けんかをしても、「お母さん、浮気してるでしょ。私、知ってるんだからね」と、言い返しそうになります。多分、母は気付かれていないと思っているのでしょう。父と弟も知りません。
 
浮気は良くないと思うので、母には男の人と別れて欲しいです。もし私か口にしたら家族は壊れてしまいます。それは嫌です碍今後、悶々と「母の浮気」という暗い事実を抱えて生きていく自信もなく、いつかは爆発してしまいそうです。私は、寛容さが足りない駄目な子供なのでしょうか。どうすればいいのか教えてください。


評論家 岡田斗司夫

誘惑する「手段」こそあなたの敵です
 
まず、母の携帯電話をどこかに隠しましょう。以後の展開は、あなたのタイプによって四つに分かれます。

1 良い子で弱すぎる場合。母に携帯を見たことを告げて、浮気をやめてと泣いて訴える。
2 良い子で強すぎる場合。家族会議を招集し、全員で母に浮気をやめるよう説得。
3 イケナイ子で弱すぎる場合。携帯を渡さない。新しい携帯を買ったら、また隠す。
4 イケナイ子で強すぎる場合。証拠を突きつけ「今後、説教するな」と注意。口止め料として欲しいものを買わせて、自分の怒りを収める。
 
……いかがですか? 全部難しいかも知れませんね。

 実はもう一つ、あります。

5 「お母さんの好きな人を私に紹介して。もし良い人なら、お母さんの味方になれるかも知れない」と言う。
 
もし母が「紹介する」と言ったら? 苦しいだろうけど、覚悟を決めてください。今の家族が変化すべき時が来たのです。あなたが3年間、家族のためにガマンして黙っていたのと同様に、母も「良き母」を務めるために自分の恋愛を隠し続けてきました。
家族が大事だから秘密にしたという意味では、あなたと母は同じなのかも知れません。
 
でも紹介してくれないでしようね。たぶん「無理」「もう浮気はしない」と言います。その時はすかさず目の前で携帯をへし折りましょう。
 
母の恋愛はそこまで真剣じゃない。3年隠した、ということは、ずっとこっそり続けるつもりだった。本気の恋ではなく「やめられない悪い癖」みたいなものです。
 
ではどうするか? 他の悪い癖との比較で考えましょう。もし父がパチンコ浸りで借金まみれになったら? 「父が悪いんじゃない。パチンコが悪い」と考えますよね。もし父が酒浸りだったら?「お酒が憎い」ですよね。父や母を憎んでもしかたない。彼らは「弱い」だけであり、誘惑する「手段」こそ、あなたの「敵」です。
 
悪いのは、母に安易に浮気させ、それを3年間もこっそり続けさせた携帯電話です。
 
数年前、月刊現代という雑誌にも「携帯普及率と主婦の不倫率は正比例する」という記事が載りました。それが事実かはともかく、携帯さえなければ、母は浮気しなかったかも知れません。
 
悪いのは携帯です。母を責めず、携帯電話に責任を取らせましょう。母の携帯をへし折って、3年間の悩みを終わらせてください。

芥川は、大笑いして読み終えたのであったが…。

やっぱり、その通り…。

2011年10月30日 19時16分39秒 | 日記
原監督は相手が左の石川だからと高橋由伸を谷に代えた。高橋の腰痛が酷いのなら仕方がないが、多分、そうではないだろう。ステレオタイプな発想だけの事だろうなと思って観ていた。石川は左の強打者の方が嫌なはずで、右には強い投手のはずだ、と。

今しがた、阿部が2アウトからホームラン…此処は本物の4番なら2ストライクまでは、或いは3ストライク目もホームランを狙う場面。由伸でも同様だろう。
石川は右打者を手玉に取る事で飯を食って来た投手であることすら気付かない。原って本当に、自ら、ハラハラする試合を作る人。

「テクノロジーとイノベーション」W・ブライアン・アーサー著…日経新聞10月30日21面より

2011年10月30日 17時22分39秒 | 日記
技術が進化する仕組み解き明かす  《評》京都大学教授 西村 和雄
 
文中黒字化は芥川。

テクノロジーの発展は人類を幸せにしているのか。テクノロジーが発展すればするほど、我々はジレンマに行き当たる。つまり、「テクノロジーへの大きな希望と人間としての自然への深い信頼感という、巨大で無意識な二つの力のはざまに捕らわれてしまう」のである。

まさに、我々日本人がフクシマで体験していることである。本書は、テクノロジーを一つの「学(オロジー)」として、テクノロジーとは何か、そして、どのように進化するか、歴史を繙き、哲学に思いを馳せ、その特徴と仕組みを解き明かす。

著者は、テクノロジーとは、既存のテクノロジーの組み合わせから新しいテクノロジーが生み出される「組み合わせ (コンビネーション)」であり、そのテクノロジーの構成要素もテクノロジーである(再帰性)という。そして、テクノロジーは常に物理現象、すなわち自然の理に依存しそれを利用しているという。

また、テクノロジーは決して創造的な飛躍で生まれるものではなく、ドメインと著者が呼ぶテクノロジーの複合体を変えることによって、ち密なイノベーションの「構造の深化 (ストラクチュラル・ディープニング)」が起こっていると言う。

このように考えていくと、テクノロジーも複雑系の一つとなる。明快な思考である。本書の著者は経済学者であり、彼も私も共に複雑系という学際的な分野の研究を目的としたサンタフェ研究所のExternal Professorを務めている。

ニューメキシコの灼熱の太陽の下、思索にふける知的な笑みを浮かべた彼の顔が思い浮かぶ。いま、フクシマで起きていることは、決して我々の想像や創造を超えることではない。

人間がイノベーションを起動させる進化の一部であるならば、想像を超える創造(復興)も可能である。テクノロジーとどう向き合うのか。本書はこう閉じる。

「テクノロジーは万物の深遠な秩序の一部なのだ。(中略)私たちは人間の感覚をなくすテクノロジーを受け容れるべきでないし、可能なものと望ましいものを同じだと考えてもいけない」

▼著者は45年北アイルランド生まれ。米スタンフォード大教授を経て、現在はサンタフエ研究所招へい教授など。

信ずる通りになるのが人生…日経新聞10月30日22面より

2011年10月30日 17時12分58秒 | 日記
日本電産社長 永守 重信氏

京都本社の社長室。神棚の下に思想家・中村天風の本が3冊並ぶ。『成功の実現』はその一冊。経営者は孤独です。1988年に上場、しばらくして1ドルが80円を切り、50円までいくというエコノミストもいました。

そんな、気持ちが下向きになるとき、この本を開いてきました。心が落ち着き、勇気づけられます。何百回も読みました。何か、とんでもないことを教えてくれるわけではありません。

しかし、天風さんが、とても楽観的で、可能性を信じていることに共感を覚えます。言っていることも単純明快。「どんな場合があっても消極的な言語表現をしないように気をつけなさいよ」 「信念となると、それがいつかは具体化する」とかね。

それぞれ自分の言葉に言い換えます。前の方は「運命は自分の言葉と行動で決まる」。これ、私の人生訓ですな。もう一つは「信ずる通りになるのが人生」。

世界を襲った2008年秋のリーマンーショック。積み重ねた経営ノウハウだけでは乗り切れないと感じた。
会社がつぶれるかもしれないと思いました。行き先を言わず、1ヵ月ぐらい図書館通いをしました。乗り切るヒントは自分で探すほかありません。

世界恐慌で1930年代に多くの会社がつぶれたのに、業績が急回復したところもあったのです。当時の海外の新聞、雑誌、関連する書籍を片っ端から当たりました。様々な資料の中にポロポロと出てくる米ゼネラル・エレクトリックなどの対応策がとても参考になりました。

そして、売り上げが半分になっても赤字にならない手法を編み出し、「賃下げをする。しかし解雇はしない」と真っ先に発表、グループで危機感を共有し、士気を高めました。おかげで業績は急回復しました。

天風さんはギブアップしたらあかん、すべては気持ち次第だということを確認させてくれるわけです。この心の姿勢がすべてのベースとなります。

44年、京都府の農家に6人兄弟の末っ子として生まれた。父の口癖は「中学を出たら丁稚にいけ」。小・中学生のときは学校の図書館で歴史モノを借りて多読しました。「たくさん読んだね」。先生がハンコを押し、ほめてくれました。職業訓練大学校(現・職業能力開発総合大学校)では大学新聞の編集主幹。私の文章力、スピーチの表現力は若いころに感想文をいっぱい書いたのが生きているのでしょう。

事実ほど面白いものはありませんね。行動指針、実理論を求めているので、フィクションは嫌いです。28歳で経営者になったとき、松下幸之助さんの本も読みました。きれい事ばかりだと、「経営はそんな簡単なものだけじゃない」と思いました。

その点、日本経済新聞朝刊の「私の履歴書」で創業者が赤裸々に失敗談を語っているものはいいですね。例えば、オムロンの立石一真さんや京セラの稲盛和夫さん。

うまくいっている人ほど多くの挫折を生きてきたわけです。若い経営者には私の失敗談も教えたい。大きなものはありませんが、小さいのはいくらでもあります。大きな石は運べないけれど示さく砕いたら運べます。

歴史、特に裏切りがつきものの、「戦い」の本も参考になります。織田信長はすごい人ですが、激情型で家臣に殺されました。社員は大事にしないと。ゼロから成り上がった豊臣秀吉が人間的には好きです。

しかし経営者としては組織を作り、質素倹約で組織を永続させた徳川家康に学ばなければいけません。中国の「三国志」もいいですね。あの(群雄割拠の)時代は濃いわけです。
(聞き手は編集委員 三宅伸吾)

世界の総人口 大台を突破へ 70億人市場に商機…日経新聞10月30日7面より

2011年10月30日 17時12分05秒 | 日記
食糧・エネルギー・水の確保
三井造船 中東向け太陽熱発電  水ing 新興国で水インフラ

灼熱(しゃくねつ)の日差しが降り注ぐ北アフリカのチュニジア。三井造船はこのほど大規模な太陽熱発電の実証プラントの建設準備を再開した。地面に並べた鏡でタワー上の1点に太陽光を集め、その熱で生み出した蒸気で発電タービンを回す。

1月の政変の影響でいったんプロジェクトは中断したが、中東は工業化と人口増で慢性的なエネルギー不足が続くため、再び動き始めた。

出力は5000キロワット程度と住宅用太陽光発電1500世帯分に相当。2014年以降の稼働を目指す。系統電源などのインフラ整備が遅れている新興国では新エネルギーへの需要が高い。三井造船は今回の事業を足がかりに、中東・北アフリカで同種のプラントを拡販する。

国連人口基金(UNFPA)によれば、世界人口は31日に70億人を突破する。その60%がアジアに、15%がアフリカに住む。今後も1年ごとにドイツの人口に匹敵する約8千万人が増える。

人口増と共に食糧の獲得競争も激しくなる。大手商社は新興国での農業ビジネスを拡大。三井物産は今年に入ってブラジルの農業事業会社を買収、アジア各国に大豆やトウモロコシを輸出する計画だ。丸紅は中国で配合飼料の合弁生産に乗り出し、15年までに十数力所の飼料工場を建設する。

人口増や経済発展と共に中国で肉類の消費が急増している。配合飼料向けに穀物の取扱量を増やす狙いがある。
荏原や三菱商事などが出資する水ing(スイング)と積水化学工業は、新興国の人口増や工業化で水不足が深刻化するとみて、共同で水道インフラなどを一括受注する体制を整えた。

一方、増える人口は都市に集中し、今や世界人口の2人に1人が都市に居住している。住みやすい居住空間へのニーズが高まるとみて、森ビルは東京都心で培ったノウハウをもとにアジアでの都市開発に力を入れる。

増える貧困層に焦点を当てる企業も出ている。雪国まいたけはもやしの原料となる緑豆の栽培をバングラデシュで始める。同国の1人当たりGDP(国内総生産)は684ドル(10年度)。合弁会社の収益を福祉や奨学金などに活用したり、現地雇用の拡大などで「脱貧困」に役立てる一方、調達先の分散を狙う。

仏ダノンなどは購買力の弱い消費者に良質の栄養や食料を提供する「ボトム・オブ・ピラミッド」ビジネスを強化している。福祉的な意味合いだけでなく、貧困層が中間所得層になる長期を見据えた事業を行う。

人口が70億人を超える世界では、新興国の成長を待って日本の製品や技術を持ち込む従来型の海外展開だけでは限界がある。様々な分野で新しいビジネスモデルを生み出す必要がありそうだ。

海外論調 不十分な内容、一時しのぎ…日経新聞13面から。

2011年10月30日 15時20分59秒 | 日記
EU、債務危機で包括戦略     黒字化は芥川。

欧州連合(EU)は27日、欧州債務危機克服をめざした「包括戦略」をようやくまとめ上げた。
 
英エコノミスト社説(29日付)はこの合意について「混乱がみられ、説得力も乏しい」と厳しい評価を下した。その大きな理由として、欧州の銀行を守るにはイタリアなど巨額の債務を抱えながらも破綻していない国の周りに「強力な防火壁を設けることが唯一の方法」だが、それができなかったことを挙げた。
 
また、欧州金融安定基金(EFSF)の規模拡大と銀行の資本増強策も不十分だと批判した。
 
実行すべき対策については「欧州中央銀行(ECB)が破綻していない国の政府に無制限支援を約束していたならば、危機は数力月前に収束していたかもしれない」と指摘。「それが今も最良の選択だ」と主張した。

米ウォール・ストリート・ジャーナル社説(28日付)も、今回合意された対策は「最終的なものでも、ましてや画期的なものでもない」と論じた。
 
しかし、その一方で「患者がベッドから起き上がり、倒れることはなかった。これは前進の一つの定義である」と解説。特にギリシヤ国債の元本削減など民間銀行の負担割合を50%に引き上げさせることでの合意を、今回の「最大の成果」として挙げた。

英フィナンシャル・タイムズ社説(27日付)も民間負担割合引き上げなどギリシャ債務問題に関する決定を前向きに評価。「アテネとユーロ圏は最悪の事態がまもなく終わると市場を説得するチャンスを得た」と指摘した。
 
だが、一方では「今回の声明には、抜本的な経済改革を進めるための新しいアイデアが盛り込まれていない」と批判。「経済成長と抜本的な改革なしでは、今回の合意は一時しのぎに終わるだろう」との見解を示した。
  

(電子版などを参考にしました)

「いまこそハイエクに学べ 」仲正 昌樹著  矯らぬ知が紡ぐより良き世界…日経読書欄から。

2011年10月30日 14時46分45秒 | 日記
 (春秋社・2000円)
▼なかまさ・まさき 63年生まれ。金沢大教授。著書に『今こそアーレントを読み直す』 『「不自由」論』など。

文中黒字化と*は芥川。

リーマン・ショック以降、市場の暴走や機能不全を指摘するのが、一部識者の間ではやりとなっている。そんななか、市場を重んじるハイエクは時代遅れの経済学者なのだろうか。
 

ハイエクが何よりも嫌ったのは、社会全体を思うままに設計できるとする知の矯りだった。社会主義を典型とするそうした考えを、「設計主義」と呼ぶ。

ごく一部の知識人が設計するのではなく、*35年超、それをやり続けてきたのが、名士に依る名士の為の新聞及びメディアを続けて来て権力に寄り添った世論形成を為してきたのが、日本のマスメディア、或いは論説委員の方々だったのではないか。以下本文に戻る。…個々人が相互に働きかけて形成される仕組み。社会を発展させていくのは、そうした「自生的秩序」である。
 
三人寄れば文殊の知恵という。一人ひとりが無知だったとしても、慣習や制度のなかに知恵が蓄積され、進化していく。時間をかけて社会に沈殿していた知恵の束が、「ルール」である。
 
各人が異なった目的を持ち、異なった知恵や経験を蓄積している方が、それを交換しあったときのメリットは、社会全体として大きい。「自由」や「市場」の欠かせない役割はここにある。
 
こうしたハイエクの思想は、右か左かで白黒つけたがる「二項対立」の発想では捉えきれない、と本書はいう。*芥川が何度も言及している…「郵政民営化、YESかNOか」の幼稚園児のレトリックを振りかざした者に対して、貴方がたマスコミは誰一人としてたしなめなかったではないか。以下、本文に戻る。…
ハイエクは神のごとくすべてを見渡せると称する万能の設計者を否定する。同時に、新古典派が前提とする合理的経済人の仮定にも懐疑的なのである。
 
必ずしも理性的でない個人が、蓄積されたルールを守ることで、自由に生きられるようになる。普通に街行く「あまり強くない個人」を出発点に、社会や法、経済を考えたところにハイエクの意義があるという。*芥川の思索そのものでもあり、そのことを梅田の雑踏を通して書いた一章も在る。うなずける指摘だ。
 
*有無、信長、秀吉、家康殿もうなずかれた様に、瀧田さんも芥川の「文明のターンテーブル」に頷いてくだされ。以下本文に戻る。…ハイエクが社会的正義の主張に懐疑的なことも注目してよい。正義とはあくまでも、「正しくない行為」を禁ずるというだけの消極的な性質のもの。政府が社会的正義の実現を掲げてしゃしゃり出ることは、市民と財産に対する行政権力の拡大を招くことになる。例えば、格差是正の主張が政府介入を促しがちであることは、しばしば見聞きするところだろう。
 本書は多くの西欧思想家と比較しつつ、知の巨人ハイエクを紹介する。優れた入門書であり、我々を深い考えへいざなってくれる。*芥川の、「文明のターンテーブル」も、正に、我々を深い考えに誘ってくれる本です。

編集委員滝田洋一

*滝田さん、一度読んで書評を日本中に届くように書いて下さい。さすれば日本は変わる。いやでも変わる。瞬時に変わる。




ブランド買収次の一手は? 将来性のある中小に照準…日経新聞10月30日5面より

2011年10月30日 14時21分52秒 | 日記
仏PPR会長兼CEO フランソワアンリ・ピノー氏
85年仏HEC経営大学院卒、87年PPR入社。傘下企業トップなどを歴任し、05年3月から現職。 49歳。

文中黒字化は芥川。

グッチ、サンローラン、プーマなど数々の有名ブランドを傘下に抱える仏流通大手PPRが大胆な組織改革に取り組んでいる。業界の将来や市場動向の変化をにらみ、どんな企業買収を仕掛けるつもりなのか。来日したフランソワアンリ・ピノー会長兼最高経営責任者(CEO)に聞いた。

--今春、仏モエヘネシー・ルイヴィトン(LVMH)が伊ブルガリの買収を発表するなど業界の再編機運が一気に高まっている。
「我々の傘下企業と競合せず、年商で5千万~3億ユーロ(53億~320億円)程度の企業をいくつか買収したい。買収後、資産価値が何倍も高まるような将来性のある企業に投資するのが我々の戦略。アパレル、宝飾分野で英、仏、伊あたりのブランドを物色中だ。交渉がまとまれば、来月にも発表できるかもしれない」 

--PPRはどんな企業体を目指しているのか。
「シナジー効果が薄い傘下企業が多くて不効率だったので、高級ブランドとスポーツ・ライフスタイルの2事業に特化し、それ以外の企業は売却している。グッチとプーマを核にした2事業でシナジー効果が見込める企業を買収し、グループの競争力を高めたい」 

「2006年に百貨店プランタンを売却したのを皮切りに家具店コンフォラマも売却した。8ヵ月後には通販レッドキャッツ、2013年ごろには家電店フナックも売却したい。企業買収に使える資金はかなり潤沢。50億ユーロ程度は使える」 

--エルメス、パタゴニア、ディーゼルなどは買収の対象にならないのか。
「すでに成熟した大企業には現時点ではあまり関心がない。巨額投資は我々の戦略には合致しない。売り上げ増だけが目的の買収は意味がない。ブランド業界はシナジー効果や効率化が厳しく求められている」 

--伸長するファストファッションは脅威か。
「消費者の志向は明らかに二極化している。高機能で安さが武器のファストファッションと職人技や素材感が武器の高級品。双方は競合しないので十分に共存可能だ。ファストファッションは新たなビジネスモデルとして注目している。
今月18日にファーストリテイリングの柳井正会長と朝食をとりながら意見交換できた。柳井氏とは経営者として共感する部分が多い。様々な示唆をもらった」

 ーー中国など新興国市場が急成長しているが。
日本市場の重要性は不変。確かに新興国に勢いがあるが、何が売れるのかを見極めるのは成熟した消費者がいる日本。ダッチの日本での売上高は3月の震災で落ち込んだが、4~6月期は前年同期比15%増。消費の力強さに驚いている。震災後の“節約疲れ”が出ているのかもしれない

聞き手から一言  

投資合戦過熱 3強軸に再編

高級ブランド業界に再編の波が押し寄せつつある。ルイ・ヴィトンを擁する最大手LVMHが3月、伊ブルガリを約37億ユーロ(約3900億円)で買収すると発表したのがきっかけ。LVMHは仏エルメスの株式も20%強まで買い進め、エルメス創業家とにらみ合う。

かつてグッチを巡り、LVMHと壮絶な争奪戦を演じたPPRも応戦準備に余念がない。軍資金は50億ユーロ。

標的探しに様々な憶測が飛び交う。急成長する新興国市場への投資合戦は、業界を「資本の原理」に駆り立てる。カルティエを抱えるリシュモンを加えた3強を軸に再編が進みそうだ。

(編集委員 小林明)

香港紙「欧州支援なら対価を」  他…日経新聞10月30日5面より

2011年10月30日 13時53分11秒 | 日記
【香港=川瀬憲司】香港の中国系新聞、文匯報は29日付で「中国がもし欧州と市場を助けるとするならば、責任と権利は釣り合う必要がある」とする社説を掲載した。

中国政府が欧州連合(EU)への資金支援など債務危機の克服に「責任」を果たす場合は中国の市場経済国の認定やハイテク製品に関する対中輸出規制の緩和、中国企業への差別的な政策の撤廃といった「権利」が伴わなければならないと論じた。

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債務削減実施で「デフォルト」
 
【ロンドン=共同】欧州系大手格付け会社フィッチは29日までに、欧州連合(EU)のユーロ圏首脳会議で決まったギリシヤ債務の大幅削減が実施された場合、デフォルト(債務不履行)に相当するとの見解を発表した。

大手格付け会社が今回の債務削減について見解を表明するのは初めて。同社は「削減後も債務残高は大きく、成長の見通しも弱い」と、将来的な債務の返済能力に疑問を呈している。

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スト対抗策全便運航停止  豪カンタス政府が仲介へ

オーストラリアの航空大手カンタス航空は29日、現地時間の同日夕から全ての国際線、国内線の運航を停止したと発表した。

労働組合による断続的なストライキに対する異例の対抗措置。オーストラリアの空の便に深刻な影響を与える恐れがある。ロイター通信などによると、ギラード首相は同国の経済に悪影響を与えかねないと懸念を表明。労働組合は報酬やコスト削減計画をめぐって対立しており、政府は労使間の仲介に乗り出した。

運航停止は労使交渉がまとまるまで続く可能性がある。カンタスは代金の払い戻しなどには応じる方針で、損害は1日当たり2千万豪ドル(約16億円)に上ると見積もっている。(シドニー=共同)

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中国鉄道建設、90%超が中断 

【北京=共同】29日付の中国紙、京華時報は、中国鉄道省の資金不足が深刻化し、全国で建設中の鉄道路線の90%超に相当する1万キロ以上が工事中断に追い込まれていると伝えた。

中国は高速鉄道などを急速に拡大し続けてきたが、鉄道省の負債が6月末で約2兆900億元(約25兆円)に達し、建設作業員への賃金未払いも多発しているという。

これこそが朝日新聞の真髄だろうシリーズ④…朝日新聞10月30日2面より

2011年10月30日 13時48分22秒 | 日記
発覚年3万件超 予防策効果薄く 司法界・記者にも腐敗浸透

中国政府が昨年、腐敗現象についてまとめた初の白書「中国の反腐敗と清潔な政治の建設」によると、2003年から09年に全国で発覚した汚職事件は贈収賄や公金横領だけでも約24万件。
年間平均3万件以上のペースだ。中国の腐敗の浸透ぶりがわかるが、それさえ「氷山の一角」とみられている。

政府も手をこまぬいているわけではない。最近では、黄松有・最高人民法院副院長、劉志軍・鉄道相など大物高官の巨額汚職事件を次々摘発。高官の資産公開制度を定めるなど予防策も整備する。だが、検察や裁判官まで腐敗体質に染まる現状では、なかなか効果があがらない。

本来なら問題を掘り起こし、報道する記者たちも腐敗の例外ではない。ある記者は、地方都市で起きた立ち退き問題に関心を持ち、抗議する住民の取材を始めた。

だが、どこでかぎつけたのか、地元当局者が「一緒に食事しましょう」と誘ってきた。高級レストランでの食事会で「記事は書かないで」と説得を受け、その後、第三者を通じて現金が渡された。「封口費(口止め料)」だ。結局、記者は取材をやめた。

08年に山西省の炭鉱で死亡事故が握りつぶされていた事件では、中央や地元の六つの新聞やテレビ局の記者が、炭鉱側から広告費や購読代金などの名目で2千~5万元を受け取ったことが発覚。封口費目当てで記者のふりをして「取材」に来た男たちも多額の金銭をせしめていた。

中国では有利な記事を書いてもらおうと、記者会見に来た記者に「紅包」を渡すことが多く、記者側も金銭受け取りへの抵抗感は少ない。

紅包などの給与外収入は一般的な記者で年間5千~1万元(約6万~12万円)になり、中央の有力メディアの記者なら「一けた違う」(地元紙記者)という。
(瀋陽=西村大輔)

これこそが朝日新聞の真髄だろうシリーズ③…朝日新聞10月30日2面より

2011年10月30日 13時47分26秒 | 日記
地位・権限汚職の温床
死刑の地方幹部「初心忘れた」

まじめだったはずが、拝金主義に染まり、転落する人は後を絶たない。鳥がさえずり、庭園の池から心地よい風が吹き込む浙江省杭州市の高級別荘地。7月、3階建ての洋風豪邸を舞台にした汚職などが理由で、1人の元地方政府幹部が死刑になった。

この幹部は同市の許邁永・元副市長。別荘地はもともと国家リゾート地区に指定され、宅地開発ができない場所だった。だが、不動産会社の依頼を受けた元副市長は地元国土局幹部らに指示、開発を許可させた。

1万ドル(1ドル=約76円)の謝礼のほか、見返りとして豪邸を格安で手に入れた。別の不動産会社に金を用意させ、特別待遇の顧客向けの売り出し価格よりさらに約4割安い142万元(約1700万円)で購入。市場に出ると瞬く間に数倍に値上がりし、転売で約500万元(約6千万円)の利益を手にした。

元副市長は杭州郊外の農村に生まれた。父親と2人の弟が目が不自由で、恵まれた家庭ではなかった。短大を卒業後、中学教師になったが、25歳で抜擢され、鎮政府(県や市の下の行政単位)の副鎮長に。改革開放の波に乗るかのように、ほぼ毎年昇進した。

出張の機会が増え、「特別な世界」に足を踏み入れた。発展を遂げた深では高級ホテルに泊まり、4千~5千元もする夕食に招待された。周りの企業経営者は年々豊かになり、毎年1億元以上もうける人たちもいた。「自分と能力が変わらない人たちがどんどん豊かなるなんて、不公平だ」。そんな思いに支配された。

権限を最大限活用し、土地開発の利権に手を染めた。ほかの幹部も人事や利権で密接に絡み合い、互いにかばい合う。汚職の規模は膨らみ、1995年から少なくとも十数件で約2億元(約24億円)の賄賂を受け取ったとされる。

死刑になる前に元副市長はこう振り返っていた。「地位が上がるにつれ利権も大きくなった。初心を忘れ、カネに勝る物はないと思うようになった」
(杭州=奥寺淳)

これこそが朝日新聞の真髄だろうシリーズ②…朝日新聞10月30日2面より

2011年10月30日 13時46分34秒 | 日記
はびこる賄賂「必要経費」

上海の商店街の一角に 「回収」という看板を掲げた小さな店があった。贈答品を買い取る店だ。客が訪れるのは人目につかない夜が多い。中国を代表する高級酒「茅台酒」や、高級たばこ「中華」などが持ち込まれる。

月に4、5回来て、毎回数万元(1元=約12円)分ずつ換金する客もいる。40代の店主は「9割は、賄賂や付け届けとしてもらった酒やたばこを換金に来る公務員や医者」と話す。引き取った酒やたばこは、ホテルやレストランに流す。

中国では日々のさまざまな場面で賄賂がやりとりされる。病院でも、まともに診療してもらうには、医師に「紅包(ご祝儀)」を渡すのが半ば常識だ。

昨年、遼寧省の地方都市で出産した30代の女性は、産婦人科医に紅包を渡さなかった。入院費は約1万元 (約12万円)。同じ病棟の女性の話を聞いて驚いた。同じ診療内容なのに数千元安い。医師に2千元を渡したという。「紅包を渡さなければ、別のところでしぼり取られる。結局同じこと」とあきらめ顔だ。

「紅包を受け取りません」。そう掲げる病院は多いが、歯止めはかからない。昨年7月には、広東省深圳の病院で、少ない紅包に不満を持った助産師が、腹いせに出産のどさくさに妊婦の肛門を縫い合わせたとされる事件も起きた。 

商売を営む人たちにとっては、賄賂は「必要経費」のようなものだ。東北地方の飲食店では、店の防災設備に規則違反があるとして、消防当局者が1万元ほどの罰金を払えと求めてきた。経営者が1千元を袖の下として渡すと罰金は10分の1に減った。経営者は「払わないとますます面倒になるだけ」と割り切る。

これこそが朝日新聞の真髄だろうシリーズ①…朝日新聞10月30日1面より

2011年10月30日 13時45分40秒 | 日記
教育カネにゆがむ

「こんなことをしたら自分が腐ってしまうと悩んだ。でも、生徒のことも教育理念も吹っ飛んだ」中国東北地方の30代の高校教師、張徳軍さん(仮名)は数年前、教師採用の責任者になった。数人の男女を面接した後、男性の1人から連絡があった。

「絶対採用してほしい」。飲食店で会うと、男性は高級酒や高級たばこ、1万元(1元=約12円)の入った封筒を渡してきた。教師の初任給の4、5ヵ月分だ。

女性も連絡してきた。彼女は「お望みなら何でもします」と意味ありげな目つきで言った。この女性とは一夜を共にし、5千元も受け取った。ほかの受験者の方が優秀だったが、2人の採用を決めた。

張さんは日本に留学し、大学院を出て2000年代初めに帰国。「優秀な人材を育て、日中の懸け橋に」と希望に燃えていた。帰国早々、大学の採用試験を受けた。手応えはあったが、採用担当者は「成績は悪くない。

でも応募者も多いのでね」とはっきりしない。そのうち、大学に勤める友人から電話があった。「5万元(約60万円)で話をつけてあげる」

断ると、採用通知は来なかった。いくつかの大学の採用試験を受けたが、やはり5万~10万元を求められた。結局、高校教師として採用されたが、理想に燃えていた気持ちは折れた。

学級運営も「カネ次第」だった。新入生の母親は 「うちの子を班長(学級委員)にして」と頼みこんできた。経営する飲食店でいつでも無料で食べていいと言う。商品券もくれた。大学入試の際、班長の経験があると有利になるからだ。

一人っ子政策と就職難で学歴偏重主義は強まり、親はなりふり構わない。「子供の席を最前列にして」 「子供に目をかけて」。父母はさまざまな依頼を持ち込み、金品を渡す。大学進学目前には高額になる。

 張さんは、父母から金品をもらった生徒を前の席に集め、丁寧に教える。ほかの生徒はほったらかしだ。
 良心がとがめたこともある。だが、教員の友人に相談したら、こう諭された。

「みんなやっている。やっと大人になったな」
中国では腐敗体質が庶民の日常に入り込み、「すべてはカネとコネ次第」というムードが社会全体を覆う。有能な人材は埋もれ、富は権力者に集中。共産党は党の存亡にかかわると危機感を強めている。
(瀋陽=西村大輔)

春秋…日経新聞10月30日1面より

2011年10月30日 11時49分06秒 | 日記
大きな商業ビルの周りを、入りきれない客がぐるりと囲んでいる。27年前の風景が再来したと、関係者の顔はほころんだかもしれない。おととい東京都心の有楽町に開業した商業施設の「ルミネ」が、たいそうなにぎわいを見せている。

▼昨年末まで西武百貨店 が入居していたビルを大改装しての店開き。1984年、西武開業時の人気ぶりは、入居するビルの愛称から「マリオン現象」と呼ばれた。高級品やレジャー・金融商品をそろえた新型店は、個人消費の爛熟時代に号砲を鳴らした。その先頭を走っていた百貨店業界は長く低迷が続いている。

▼不況に加え二大ライバルの台頭も大きい。地方ではスーパー各社の巨大ショッピングセンター、都市では駅ビルだ。流行の衣料店を集め、おしゃれや娯楽にお金を使いたい層をひき付けた。後者の代表格が「立地に甘えるな」という新社長のもと、10年前にビル管理業からの脱皮を始めたJR東日本系のルミネだ。

▼百貨店から人材をスカウトし店子へのサービス指導を徹底、若い女性の好みに合わせ大胆に店を入れ替えていく。増収増益を続け、今回初めて駅の外に本格進出した。遠い夢を追う高級店から、自分に手の届くときめきを探す、今を生きる女性たちの店へ。マリオン現象第2章は新市場をつかまえられるか。