近畿大学はパナマ水産資源庁や全米熱帯マクロ類委員会などと、キハダマグロ養殖の実現に向けた研究に着手する。パナマでH月中旬にも卵から育てる実験を始め、飼育や増殖に必要な条件のデータを集める。キハダマグロは世界のマクロ資源の3分の2を占めるとされるが生育の仕組みはよく分かっていない。近畿大はクロマグロの完全養殖の経験を生かす。
国際協力機構(JICA)などの協力も得て、キハダマグロ漁の盛んなパナマの実験場で卵から育てる。天候や水温など環境条件と産卵との関係も調べる。クロマグロのデータなどと合わせて解析し、最適な飼育条件を探る。5年間に5億円超をかけて研究する。
クロマグロは亜熱帯、熱帯などの暑くて海水温か高い所では産卵しにくく養殖は困難。キハダマグロは高温でも1年を通して産卵することで知られ、こうした場所での養殖に向くという。
キハダマグロは缶詰やすし向けなどに世界で消費量が増えているが、産卵、生育条件など不明な点が多く養殖の研究はほとんどなかった。生態を解明し養殖技術を実用化するには10年程度かかる見通しだが、将来、日本企業が現地で養殖事業を手掛ける足がかりになるとの期待もある。
実験データは季節や年によるキハダマグロの増減の予測と漁獲割り当てなど資源管理・保護にも役立つとみられる。近畿大の沢田好史教授は「マクロ漁獲量の大きい日本は資源保護に貢献する必要がある」としている。